C級ワイン探訪記『王様の涙 赤(辛口)』

C級ワインの旅も、前回からまたずいぶんと期間が空いてしまった。

日に日に多くなるアルコールの量に焦り、お酒との付き合い方を見つめ合っていたので……というわけでは全然なく(いや、やや気にしてはいるが)、なんとなくワインを飲む気がしなかったのと、マクドナルドを食べる機会を失っていたからだ。
それと、なんだかんだでこの企画をやる時は、飲む前の体調もさることながら、念のため翌日に酒が残っても大丈夫、という状況を作ってからにしているので、なかなかタイミングが合わなかった。

で、そんなとき、自宅近くにできたウェルシアに初めて行ってみたら「王様の涙」なる、惹かれる(「エモい!」)名前のワインがあって、これがまたC級ど真ん中な価格で、ぜひレビューしてみたくなったので、満を持しての今回なのである。

スペイン産で500円以下というのがまず驚き。
前にとりあげた『Colina Roja』もスペイン産で298円(!)ワインではあったから、だんだんとこういうヨーロッパ産の安価ワインが輸入されるようになってきたのだろうか。
となると、このブログ企画のニーズが高まりそうだな。体調にだけは気をつけよう(謎の使命感)。

さて、まずはそのままで飲んでみる。一口目を飲んで、すぐ「美味しい」と思う。ちゃんとぶどうの味がするのだ。
それに渋みと甘みのバランスがよい。どちらも強く、わかりやすい味をしているが、甘みのほうが若干強い感じ。いずれにしても濃い目の味という印象。
濃さからいえば、『カルロ・ロッシ ダーク』に近い。ただ、C級ワインにありがちの「やや後づけアルコール感」はある。

さて、マリアージュに進む。
なんの臆面もなく合わせるのはマクドナルドですが、そういうコーナーですのであしからず。

まずは恒例のマックフライポテト。
とくに味の変化はない、と思いきや、ポテトを食べた後、ワインの味が少し強くなる。甘みがおさえられて渋みが前に出てくる感じ。インパクトが強くなるのだ。

続いてケチャップをつけたポテトと合わせると、これが合う!
渋みが強くなったノーマルポテトとは逆に、ワインの甘みが強くなり飲みやすい。というか“わかりやすい”味になった。

じゃあトマト系と合うのかなと思って、マック以外に今回は「クレアおばさんのミネストローネ」も食べていたのだが、これはとくに変化がみられず。
ケチャップほどの甘みがないとダメなのかもしれない。

続いてチキンマックナゲット。
ワインとの相性以前に、ナゲット自体がとても美味しかった、ということを書いておきたい。先月ぐらいにナゲットが30%オフとかになってた時に食べたら(あ、食べてんじゃん、マック)ラード分が強くていまいち(というか身体に悪そう)な味になった感があったが、今日は以前の、つまりいつものナゲットに戻っていた。
いつものナゲットはとても美味しいということを再確認した。

で、ワインとの相性についてだが、ナゲットの美味しさが際立って、あんまりワインの印象がない(ナゲット中毒かよ)。合わなくはないが「合う!」と手放しで言えるほどではない。
ナゲットは美味い(3回目)。

それからマスタードソースをつけたナゲットと合わせてみると、ワインの甘みが消える。そのためキリッとした味わいを求めるにはいいが、このワインが当初持っている甘みと渋みのバランスは崩れる。
それでもスッキリした感じになるのでそういうのが好みの人にはいいかも(僕はわりと好き)。

その後、マスタードソースをつけたポテトを試しに食べてみたら、これが一番合うかもと思った。
ワインの甘みがすごく目立つようになり、自分の好みの味になった。同じソースでもナゲットとポテトだと大きく味が変わるのは不思議。

さて、最後はチーズバーガー。本日のメインディッシュである(しょぼい)。
残念ながら、これは合わなくはないが、ぴったんこというわけでもない。特筆すべきことはなく“ザ・普通”。
まあ、ここまで食べたら普通にハンバーガーを味わえよ、というメッセージかもしれない(多分違う)。

さて結論。

普通に飲むには十分というか、チュカロ、カルロ・ロッシに次ぐポテンシャルで、またひとつ常時飲みたいワインが増えた。
ただ、その僕的ベスト3(偉そう)の中では一番“人工アルコール感”は強い。翌日悪酔いしなかったので、これはあくまでも舌の感覚の話だけどね。日常使いにオススメワインのひとつ。
王様の名は伊達じゃない!(ドヤ顔)

DATA:
王様の涙 赤(辛口)
購入場所 ウェルシア
価格 475円(税抜)