成長譚

録り溜めしておいた『荒ぶる季節の乙女どもよ。』を連続して見た。

女子高生の恋愛と性欲求がテーマ(なのか?)のアニメで、最初に見た第4話がわりと“生々しい”というか、「大人の階段を登る世代」のあれやこれや要素を強く感じて、次の5話を見て以降、なかなか続きを見る決心がつかなかったのだ。
でも興味はあるし、女子生徒に対して男子生徒の無邪気さみたいなもので、重くなりがちな話が救われてたりもしたので、6話から8話まで一気に見た。

泉が告白するシーンで泣いた。

なんというか、人生のうちで「思いをぶつける」という行為ができるのは、つまり「告白」しかないんじゃないかと思う。
いや、他にもあるだろうけれど、ほとんど全ての人が共通で「思いをぶつける」ことができる行為は「告白」(それも愛や恋の)に集約されるだろう。
アニメといえど、物語といえど、その瞬間のエネルギーの大きさに見事に当てられた形。
そういう“クライマックス”から始まって、この恋はどこに向かうのだろうか。俄然、続きが気になる。

いや、ひとの(っていうかアニメキャラの)恋とか言っている場合じゃないけれど。

あとED曲の『ユメシンデレラ』はちゃんと聴いたら、とても良い曲でした。

それからTrySailの「MUSIC VIDEO COLLECTION」が届いたので、早速見た。

『adrenaline!!!』から、突然画質があがり、3人のメイクや衣装が凝ったりと、ここが事務所も本気を出したTrySailの“着火点”なのだな(コストかけはじめたな)、というのがあからさまにわかって、そういう点で面白かった。
デビュー曲の『Youthful Dreamer』なんか、曲のリバーブすらほとんどかかってなくて、PVの内容も「使えるもの使いました」といった低コスト感が強い。
そこから、テレビCMに出たり、雑誌の表紙を飾ったり、ソロ活動も増えてきた現状を考えると、リアルでサクセスストーリーだよな(そしてやっぱりみんな垢抜けたよね)。
もちろん一番はそれぞれの(裏方さんも含め)努力と実力の賜物なんだろうが、古参のファンほど、このPV集を見て「TrySailはワシが育てた」感が強いんじゃないかと思う。

そう、本当にその通りだと思うし、たくさん主張していい。
多分、僕はおそらくTrySailの初期のPVとか紹介されても心が動かなかったはずだから(今見れば、そこに“完成されていない魅力”を感じることはできるけれど、それは“今”を知っているからだ)、そういう意味で古参のファンの方々はすごいし、今、僕がTrySailに嵌っているのはそういう方々のおかげなので、お礼を言いたい(強く!)。

デビュー曲から4年でここまで来た、という事例がある、という勇気みたいなものと、右も左もわからなかった新人アイドルが、立派なエンターテイナーになったという軌跡を知ることができる、という二つの意味で、重みのあるPV集だった(ただ、これ正しい見方なんだろうか)。

そんなわけで、今日はめずらしくテレビ(モニター)が久々に活躍した日。
このインプットをアウトプットにつなげよう。

困惑

TrySailについては、僕はまずアルバムをレンタルし、それからライブのブルーレイを買って、と、つまり、声優としてではなく、ミュージシャンとしての活動から入ったファンなので、その演技や、それぞれのキャラについては、後からファンになったわけだ。

江戸川台ルーペ“センパイ”からは、3人のラジオ番組があることは聞いていたが、特に聴くまでに至っていなかった(ラジオを聴く習慣が本当にないのだ)。
だけどライブ鑑賞の翌日に、そのラジオの傑作選をまとめたCDをブックオフで見つけたのだった。
題して『TrySailのTRYangle Harmony RADIO FANDISK』。
ラジオで放送されたコーナーから傑作選を入れたDisk1と、新録してCD購入者だけが聴ける内容のDisk2がセットになったものだ。
僕が見つけたのは『Vol.6』で、発売が2017年。
この時点で結構なナンバリングがされてるから、このラジオは息が長いんだなー(人気あるんだなー)と漠然と思った。

で、このCDで初めて、3人のやりとりをライブ時(BD含む)以外で聴いたのだけれど、コンビネーションが良く、より三人の個性が楽しめたので、次に『TRYangle Harmony RADIO FANDISK Vol.3』を別のブックオフ見つけた時は即買いしてしまった。
そして、今後、見つけたら買い集めていこうと決めたのだった(中古ですみません。でも、ライブBDとか新譜のCDはちゃんと新品買ってますよ!)。

そうしてブックオフに行くたびにCDコーナーで「声優」の「タ行」を物色していた昨日、『TrySailのTRYangle Harmony RADIO FANDISK Vol.3』を見つけた。
「Vol.3だから、これはもうすでに持っている奴だー」と思いながらも、なんとなく手にとってジャケットを見ると、僕の持っているCDとジャケットが違うのである!
これは、初回限定版とかでジャケットだけが違うのかな?と最初は思ったのだけれど、裏のトラック名を見ると、Disk2の内容が全然違うのだ。

「え?なにコレ?どういうこと?!」と動揺が走る。

以前僕が買ったのが実は『Vol.3』じゃなかったのか、と念のためiTunesに録音したディスク名を確認したけれど、やっぱりそれは『Vol.3』だ。
これは何かバージョンが違うのかと、混乱しながらググってみたけどすぐには正解が出ない。特別限定版があったという話題も出てこない。
ブックオフの中で、一応、CDを手にキープしながら(我ながら冷静)、ウィキペディアまでたどり着いてようやく判明したのだ。

この『ラジオCD』には『TrySailのTRYangle Harmony RADIO FANDISK』と『TRYangle Harmony RADIO FANDISK』の2種があるのだった!
つまり『TrySailの~』がついたものとついていないものがあるのだ!(な、なんだって~!)

どっちも『Vol.3』

初めは『TRYangle Harmony RADIO FANDISK』と、TrySail名のないものをVol.3まで出していたのだが、その後、事情があってナンバリングしなおして『TrySailのTRYangle Harmony RADIO FANDISK』としてシリーズ化したようなのだ。僕がすでに持っていたのは『TRYangle Harmony RADIO FANDISK Vol.3』で、今回見つけたのが『TrySailのTRYangle Harmony RADIO FANDISK Vol.3』。

紛らわしいよ!

でも、多分『TRYangle Harmony』というタイトルが、僕のブログタイトルよろしく(一緒にするな)、他と被ったとかでNGが出たんじゃないかと思う。で、新たに『TrySailの』をつけたタイトルでナンバリングし直したんだろう。
それなら『TrySailの~』をつけ始めたのを『Vol.4』から始めればよかったのに、と思ったが、それも何か事情があった、というか“あえて”なのかもしれない。
多分、リアルタイムで買っていた人にとっては仕切り直されたことに対して何の問題もなかったんだろうけど、こうやって「過去を振り返っていくファン」としては戸惑ってしまうのであった。
もっとも、それが解決したので、収集枚数が増え、「さらに集め甲斐があるよね!」と思ってしまうあたりがファン心理なんだろう(ホントかな)。

ところで、この『TrySailのTRYangle Harmony』は、2019年である今も絶賛放送中なのだ。
僕はリアルタイムで聞いたことがないのだけれど、皆さんもぜひ聞いてみてくださいね!
(いや、まずお前が聞けよって話ですけどね)

やめるのやめた

ブログタイトルを変更する、と言ってみたものの、一旦取りやめました。

なぜかっていうと、一応、念のため、同じタイトルを使っている人がいるかなーと思ってググってみたら、案の定、1件ヒットしてしまったから。
しかも、音楽活動している人のブログみたいで、それとかぶってしまうのはのちのち困りそうだし、実はこの新タイトルって“苦肉の策”で考えついたものなので「絶対これ!」という思い入れがない。だから、今、そのタイトルを使っている人のほうがタイトルに対する熱意があるのだろう。
なので、今回はその人に譲ることにする(偉そう)。

で、じゃあどうしようかな、と考えついたタイトルがもうひとつあって、それはきっとブログとしては誰も使ってないだろうし、かぶらないだろうと思っていたら、それはそれで、海外のネットショップの店名になっていて、使おうかどうしようか悩む。
世界は広いな。そして世界的にみたら、全く新しいタイトル、ってもう考えつかないんじゃなかろうか。

そんなわけで、しばらくブログタイトル変更は保留する。
ペンネームのときもなかなか決められなかったが、こればっかりは一度つけたら、すぐ変えるわけにはいかないからなー(いろいろ悩むわけです)。

とはいえ、このブログは「今日も誰かに会いに行く(仮)」といいながら、結局、たいして「誰か」に「会い」に行ってないのも事実。
もう少し、このグダグダな日常の切り取り、っぽい感じのタイトルを早めに決めます。

で、今日はポッドキャストの収録をして、そのあと『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』をとしまえんのユナイテッド・シネマに観に行ったのだが、練馬から電車を乗り間違えて、中村橋に行ってしまうという失態をおかしてしまう。
時間に余裕があったので間に合いましたが、自分のぼんやりさ加減に焦る。練馬の乗り換えはなかなかわかりにくいけれど、そういう間違え初だった(だいたい歩いて行っちゃうのでね←言い訳)。
それだけじゃなくて、IMAX3Dで鑑賞するために持参した3Dメガネが壊れていることに、上映開始間際で気づいて、慌てて買い直したりした。
そういう意味で、なんかこの映画とは“縁がない”のかなーと開始前にちょっと不安になったが、作品自体は面白かったし、マーベル・シネマティック・ユニバースのフェイズ3のラストを飾るにふさわしかったです。感想はまた。

それからブックオフでまたTrySailのラジオCDを見つけたので(前回はvol.6 で、今度はvol.3)、脊髄反射的に購入する。夏川椎菜のソロアルバムも買ってしまって、しばらくはTrySailがいれば生きていける感じになってきている。
健全な証拠(そうか?)。

TrySailと言えば、一緒にライブに行った江戸川台ルーペが「カクヨム」で近況報告を更新していて、そこで「TrySailを好きと言うと引かれてしまうかもしれないけれど、それをちゃんと言えない世の中は良くない」と書いているが(意訳。実際はそれを、すごい面白おかしく書いてますので、ぜひ読んでみてください)、まったくそのとおりだと最近の僕は思うのだ。

僕はTrySailファンであることを、リアルな知り合いにも(うざくない程度には)公言している。
自分から話題をふることはないが「TrySail好きなの?」とか「TrySailってどういう人たち?」と訊かれたら、迷うことなく「好きです」とか、「もちょかわいい、天ちゃん美人だしアレです、ナンスは気になる子」と正直に答えるようにしている。いや本当言うと、実際にそうはっきり答えたことはないが、答える気構えは常に持っているのだ。

それは最近、

「僕が、好きなもので定義されるのではなく、僕自身で定義されれば、何が好きだって構わないのだ。だから好きなものは好きと貫く。」

ということを心情としたからだろう。
自分の「好き」を否定されると、自分自身が否定されるような気がするけれど、自分というものをちゃんと持っていれば、そんな好き嫌いなんかどうでもいい。好きとか嫌いとか最初に言い出した人にもそれは伝えておきたい(『ときメモ』やったことないのにフレーズだけ使いたいタイプ)。それから、ひとの「好き」も馬鹿にしない。
そういう精神で生きていこうと思っています。

話がずれた。

まあ、なんだかんだと発言が「穿って」取られることが多くなり、言いたいことが言いにくい世の中だけれど、このブログぐらいは正直に書いていたいわけです(言いたいこと、というよりは、好きなことについて、だけれど)。
そういうようなことがわかるタイトルを探そう。

では、また明日。

追いかけて仙台 後編

そしていよいよ入場開始。

それまでの模様はこちらで
→「追いかけて仙台 前編

ホールの中に入って気づいたのは、ステージに対して半円を描くような席配置になっているので、僕ら3階席でもステージが近く、また見やすいということ。

僕らがTrySailのライブに行こう、となった時、行き先としてはここ仙台と名古屋を選ぶことができた。
名古屋はこのツアーのファイナルだったので(のちに幕張の追加公演が決まって、幕張が本当のファイナルになったけれど)、江戸川台ルーペは友人から「名古屋にすればよかったのに」と言われたらしい。
確かにそうだ。

トリキで参加会場を決めたときは、そこまで頭が回らなかったのだけれど、ツアーファイナルは演目や盛り上がりも違うのだから、確かに名古屋のほうが良かったのかもなー、という思いがここに来るまで、正直少しあった。
でも、いざこのホールに入って自分の席についた時、「ここを選んで良かった」と確信めいたものを感じた。会場の規模も雰囲気も、ステージと観客が一体になれる予感がしたのだ(もちろん名古屋に行ったら行ったで、それはそれで楽しかっただろうけどね)。
そんなわけで、否が応でも期待が高まり、開演まで40分ぐらいそわそわして待っていた。
左となりの席が女性で、僕が公演中に盛り上がりすぎて邪魔になったら申し訳ないなー、とか、少し距離を保ったほうがいいかなー、とか、そういうのも若干意識してしまった(大丈夫そうでした)。そばにはカップルのファンもいて、改めてTrySailファン層の幅広さについて考えたりしているうちに、ついにライブが始まった。

そして始まってしまえば、時間は一気に過ぎる。

内容は、すでに書いた通り「控えめに言って最高」だった。
ミスやハプニングもあったが、そういう不確定要素も含めてライブの楽しさを満喫できた。

僕の席からは1階席のファンの姿も見られたので、1階席の人たちの動きというか、ブレード(=サイリウム=ペンライト)の振り方とか、ノリ方をチェックしたりした。あとPAブースの位置とか、関係者の動きとかもそれとなく目に入ってしまう。
なんというか、こういうときに「主催者目線」で見てしまうのは、なんだかんだ職業病だと思う。このライブに比べて、自分が関わるイベントは(良くて)10分の1の規模のものではあるが、参考にできることはあるし、なにより、どういう部分をお客さんが一番楽しんでいるんだろう、と気にしつつ鑑賞してしまった(それが僕の良いところでもあり、残念なところ)。

僕らの斜め前に、ライブの大先輩らしきファンの方がいて、その人はブレードを持っておらずに自分の身体全身でノッていて、レベルの違いを感じた。
ファンもレベルがあがると、道具に頼らなくなるんだなと痛感する。
(揶揄する意味でなく)なんというか発光するものを持っていなくても、“存在感”というか、出しているオーラ自体が発光しているような、そういう雰囲気をもっていた。それでいて周りの邪魔にはならずに(節度をもって)楽しんでいるのがわかる。
僕は多分、その域にはなれないと思うが(だってブレード振るの超楽しいんだもん)、ここまで「好きなものがある」というのは素敵なことだし、その想いに一点の曇りもないあたりが本当に素敵だと思った。
対して自分の想いの中途半端さよ(TrySailのことだけではなくて全てにおいてね)。
こういう楽しい場で楽しい時間に身を置きながら、一歩引いてそういうことを考えてしまう自分がいた。
真面目すぎんのかもな。

そんなこんなで約2時間のライブはあっという間に過ぎた。大量のエネルギーに“のぼせて”しまうのではないかと心配していたが、逆にエネルギーをもらえた感じ。
たぶん、うまくエネルギーの波に乗れたということなんだろう。「好き」という思いが同じなら、波長があうのかもしれない。
集中力もトイレもぜんぜん平気で、あと1時間続いても余裕でついていけたと思う。そのぐらい楽しい、あっというまの“祭り”だった。

“最高オブ最高”だった祭りが終わり、江戸川台ルーペは、衛星放送かと思うぐらいに会話が遅延するほど、しばらく放心状態だったりしたが、お互いに「楽しかった」「最高」を連発し、その想いをさらに発散するために駅前の飲み屋で打ち上げ。

たぶん飲みの間、TrySailのことしか話してなかったと思う。

好きなものがあって、それについて語って想いを共有するのもまた楽しい、ということを改めて思う。
そういう意味では、江戸川台ルーペにとって、僕がその“共有できる相手”になるとは(しかも付き合いで話を合わせるのではなく、ちゃんと「話したことを理解できる」相手になるとは)、TrySailのライブに誘った42には考えられなかったことだろうし、僕の変化に一番驚いている人物ではなかろうか。
だって、彼に誘われたとき、僕は「TrySailって何?」「それ誰?」というレベルだったのだから。
それから3カ月(正確には2カ月と20日)で、イントロを聴いてほぼ全ての曲名を言えるほどCDを聴きまくったり、ライブブルーレイでコールするタイミングの予習をしたり、返品してまで「声優アニメディア」を買った経験は、20年来の友人と新たな共通の話題を手に入れられたという意味でも、その甲斐はあったというものだ。

友達だからといって、そう簡単に「共通の好きなもの」ができるわけではない。だから彼としては、僕が「付き合ってくれてる」感がまだあったのかもなー、と旅が終わった今、思ったりする。なんとなく、この旅行中、僕に気を使っていたような感じがしたのはそういう理由からかもしれない。
だけど、僕は自分自身ではかなりガチなTrySailファンになったと思うし、TrySailの存在を教えてくれた江戸川台ルーペには感謝しているのだ(と、この場を借りてお礼しておきます)。
まあ実際は「ミイラ取りがミイラになった」っていう状態ではあるけれど(使い方あってる?)、あの日のトリキで「サイリウム振りたいっす」と言われた時に、「じゃあ行こう!」と応えなければ、僕らがこうして仙台にいなかったことを考えると、未来は本当に予測がつかないし、なんというか「明るい未来」っていうのも、自分次第でいくらでもつかめるんじゃないかと思える(言い過ぎ?)。

で、23時頃飲み屋を出て、その後ホテル前のミニストップでビールとハイボールとチューハイとワイン、おつまみもろもろを買い込み、部屋で飲みの続きをしながら1stライブの映像に合わせてブレードを振った。
ライブのと、飲み会のと、二重の意味での二次会。
今日のライブでできなかった「ホントだよ」と「センパイ。」のコールもやった(馬鹿)。
結局僕らの“祭り”は朝の3時まで続いた。
こんなに起きてたの久しぶりだし、よく起きていられたな、とも思う。テンションって身体の限界を超えるのかもしれない。

 

翌日は昼の新幹線で帰るので、遅めに起床して、駅でお土産を物色。
僕が実家から要望されたお土産と、江戸川台ルーペが奥さんから要望されたお土産が同じだったのが地味に面白かった(ちなみに支倉焼です)。
お土産を買っても時間は余ったので喫茶店で時間をつぶし、短いけれど仙台滞在は終了。

支倉焼

帰りの車内は、喪失感と疲れからか、二人の会話はほとんどなかった。
黙って二人で同じタイミングで弁当を食べ始め、同じタイミングで食べ終わったのが印象的だった(ちなみに僕が食べた「牛肉どまん中」という山形のお弁当はとても美味しかった)。

これと言った会話はなかったけれど、とにかく「すごい楽しい時間だった」というものは共有していたと思う。
僕は、そういうことを話したら、なにか大切なものがこぼれ落ちてしまうとも思った。

それから僕は仕事に向かったのだが、疲れにも関わらずちゃんと働けたのは「楽しい疲れは後に残らない」という説の実証だろう(でも、ブレードを振った右手が無事だったのは、寝る前に湿布貼りまくっておいたおかげだと思う)。

そんな旅が終わって、また平常の日々が戻った。
実を言うと、飲んでいる時に「幕張の追加公演に行こう」という話もでた。
2dayの初日なら行ける日程だったからだ。飲みの勢いで、申し込みボタンを押す直前まで行った。
ただ、旅行から帰ってきて、結局それはとりやめになった。
初日の演目はファイナル公演ではないので、内容的に今回とあまり違いはないだろうということと、会場のキャパシティが仙台の約2000から7500に膨れ上がるので(ちなみに名古屋は3000)、今回以上のものは得られないだろうということがその理由だ(それでも行ったら絶対楽しいんだけど)。
ツアーファイナルに行けるのだったら、ステージが遠かろうがなんだろうが参加したのだけれど、その日は僕自身が主催のイベントがある(司会もする予定)。さすがに自分の仕事をうっちゃってまでは行けない。
規模は小さいけれど、僕も、僕のイベントを楽しみにしてくれる人たちのために全力を尽くさなければならない。それは末端とはいえ、同じくイベント業に身を置く僕の挟持だし、守るべきものなのだ。
そうやって、自分のできることを積み重ねていけばこそ、次にTrySailのライブに行ったときにも、全力で楽しめるんだと思う。

このライブに参加する前と後で、僕の考えにちょっとした変化があったことも確かだ。
とにかく楽しいことをたくさんやろうと思う。楽しそうなことに積極的に参加していこうと思う。

人生は短い。
ましてや僕は不惑を超えて、折り返し地点を過ぎてしまっているのだ。
後悔するより、悩むより、前に進もう。
そういう思いを強くした二日間だった。

またあの“最高オブ最高”のライブに参加する時に、今よりも(いろんなことに)自信をもって臨めるように頑張りましょうかね。

それはきっと遠くない気がする。

追いかけて仙台 前編

仙台。

好きな芸能人を追いかけて仙台。

自分がそういうことをするとは、昔は思わなかったわけで。
それどころか、つい3カ月前まで想像だにしなかったわけで。
でも、事実、僕はその日仙台にいた。
それもまた人生の面白さという奴だろう。

今回の旅の相方であり、TrySailファンの先輩である江戸川台ルーペとはもう20年以上の付き合いになるが、二人きりで旅行をしたことはこれまで一度もない。学生時代の合宿(合唱部)や、日帰り三人旅、彼の実家に遊びに行って泊まらせていただいたこともあったが、ふたり旅しかも泊まりは初めて。
もう、お互いの何もかもをほぼ知り尽くしている間柄(僕の人生のうち唯一の「ダブルデート」をしたことすらある)とはいえ、僕としても若干の緊張をしていた。TrySailのことで、言い合いから殴り合いに発展しないとも限らない(実際そんなことはなかったです。健全)。

旅の始まりは大宮から。
やまびこは最速の新幹線ではないが仙台まで約1時間半で行ける。近い。
途中、宇都宮でアドバルーンがあがっているのを見た。
アドバルーンって久しぶりにみたね、という話をした。僕は、昭和のデパートを思い出した。だいたい平成以降にアドバルーンって見たっけ?
宇都宮だと今でもわりと普通の光景なのだろうか。そういえば、今日は日曜だった。
日曜のデパート。賑わう店内、屋上の遊具、レストランで食べる洋食。
まるで昭和だ。

そんな地方都市の光景で話を膨らませられるほど、テンションは高い。冷静を装ってみたが、なんだかんだで旅行は楽しい(とくに旅の始めは元気なのも手伝って)。
あるいは新幹線のようなもので、高速移動すると自分の構造分子が揺さぶられてテンションがあがるのかもしれない(だいぶ思考がおかしい)。

江戸川台ルーペは駅弁を買っていたが、朝食を済ませていた僕はチップスターの塩レモン味と、炭酸水レモン(レモンかぶった)と、懐かしさのあまりm&m’sのピーナッツチョコを買って車内で食べた(中学生の時、毎日のように食べてたのだ)。
奇しくも黄色で揃ってしまって、江戸川台ルーペから「ナンス推しじゃないですかー」と言われハッとする(注:ナンスこと夏川椎菜のイメージカラーがイエロー)。

黄色s

もちょ推しとかいいながら(注:もちょこと麻倉ももはピンク)、黄色で揃えてしまって、潜在意識的にナンス推しになってるのかもしれない。
「うるせー、ルーペだって天ちゃん推し(注:天ちゃんこと雨宮天はブルー)のくせに、青い色なんにもつけてねえじゃねえかー!」とTrySailファンの推し方ディスりあいごっこ(なの?)してじゃれ合ったりして、それもまた楽しい(馬鹿だな)。

そうこうするしているうちに、新幹線はあっという間に仙台に到着。
同じ号車に「TrySail」と書かれたスポーツウェアを着ている人がいて、ここですでに一人、先輩を見つけてしまう。
「あ、やっぱり今日、仙台でライブがあるんだ」とホッとする。
日付が間違ってないか、とか場所が間違ってないか、とかそういう(心配性すぎる)不安がややあったのだ。多分、実感がまだ湧いていないのだ。

まずは身軽になるため、ホテルに荷物を預ける。
泊まったホテルは「コンフォートホテル仙台東口」というホテル。ビジネス系のリーズナブルなホテルにしては部屋はそこそこ広く、快適だった。
翌朝の話だが、無料の朝食がついていて、それがわりと美味しかったので驚く。こういう「無料朝食」って、タダな分、残念な感じのものが多いのに、ここのは普通に美味しかった。
あと、スタッフの方々も感じが良かった。また来たい。

さて、せっかく仙台に来たのだからと、牛たんを食べることにする。
というか、これが今回の旅の唯一「仙台観光」な部分だし、おそらく今日のライブでもトークの中に牛たんの話は出るだろうから、食べておいてその味を共有しておいたほうがいいだろうと思ったのだ。
有名店はたくさんあるが、その中で今回は「伊達の牛たん本舗」を選んだ(牛たん通り店)。「極厚芯たん定食」というのが美味しそうだったからだ。
そして、これは本当に美味しかった。
前回の仙台旅行で食べた牛たんも、東京で食べる牛たんも美味しいが、それよりも肉厚で味つけもしっかりしていた。
江戸川台ルーペは、東京で超有名なタン塩を出す焼肉屋の常連にも関わらず、仙台牛たんは初めてらしく、良い店を選べて良かった。

極厚芯たん定食

店に入るまで20分ぐらい並んだのだけれど、その時に某人気声優同士の結婚情報をヤフーで知る。
声優でも誰でも、ファンである異性の芸能人が結婚するのはなんだかんだでショックだろう(衝撃度は人それぞれとはいえ)。
僕らはおっさんなので(ルーペは既婚者だし)まあ祝福はできるのだけれど、もし「今日がその人のライブ」というタイミングでこのニュースを知ったら、それはそれで阿鼻叫喚だよね、なんて話をした。今日、僕らがその立場じゃなくて本当に良かった(しみじみ)。流れで結婚発覚直後にバスツアーをした人いなかったっけ?と某アイドルの話になったりもした。センシティブ。

その後、まだ時間があったので、お土産の下見をしておく。去年、来ていたのでお土産屋街の場所がわかっていたのは効率がよかった。何ごとも経験。
途中、「100人食べ100人“うまい”と言った伝説の菓子」というキャッチコピーのお菓子を見かけた。
「90%がリピーター」とか「95%が美味しいと支持」とかならわかる。
「100人食べ100人“うまい”」って言いすぎじゃないか、と。親戚が言ってくれただけじゃないか、と。せめて「99人」にしとけよ、と。なんなら「俺が101人目で“うまい”と言わない人になってやろうか」と、なぜか挑戦的な態度になってしまう(社交辞令を許さないタイプ)。
で、ひとつ買って食べてみる。
うーん、正直言うと、まあ“うまい”って言いますよ。
だから広告は嘘じゃない。お菓子が嫌いな人は別として、好きな人は“うまい”って言うだろう。
でも、なんだろう。だからといって「もう1個!」というふうに思わないのは。「負けた」ことを素直に認めたくないだけだろうか。「物は言いよう」じゃねえか、と思うからだろうか。
でも、本当、まあ“うまい”です。仙台行った方はぜひ試しに食べてみてください。

一応このお菓子です

さらに時間があるので、繁華街(西口)のほうを散歩することにする。
旅行ガイドらしきものを全く買わなかったので、どの通りがメインなのかわからないが、駅からまっすぐ伸びるアーケードを歩く(クリスロードってとこでした)。
道幅が広く、どこまでも続くアーケードに二人で感動したりする。途中、エッグスンシングスがあったりして、仙台はやっぱり都会だなーと思う。
その実、古びたスナックみたいなのが並ぶ狭いビルの地下へ続く階段を江戸川台ルーペが見つけて、どうしても行ってみたいというので降りてみた。そこは思った以上に昭和だった。
最先端の表通りと時代に取り残される地下街。地方都市あるあるな光景なのだろうか(「柏にも似たようなのあるんじゃない?」と僕は言った)。

散歩に飽きて、しばらく歩いた先にあったサンマルクカフェでひとやすみし、頃合いを見ていよいよ会場に向かうことにする。
ライブ会場である「サンプラザホール」は駅を挟んで反対側にあるので、そこから30分ぐらい歩いた。

物販が2時30分開始予定だったので、3時前ぐらいに着ければいいな、と思いつつ、なんだかんだ混むと心配なので、2時20分ぐらいに会場に着いた。
予想よりはやや少ないが、案の定けっこうな行列が。

ここで“ブレード”(=サイリウム=ペンライト)を買えなかったら、楽しみ半減どころか、ライブ中、所在なくなってしまうので、売り切れないことを祈って並ぶ。幸いにも天気予報が外れて、日差しが強いぐらいの気候だったので、外待ちが苦にならず、ありがたかった。
果たして1時間半ぐらい並んだあとに、物販にありつく。
当たり前といえば当たり前だが、サイリウムはライブを楽しむ「要」の道具だし、すでに持っているファンもたくさんいるからか、十分に用意されていて無事に入手できた。その他にTシャツとパンフレットと仙台限定キーホルダーを買う。缶バッチが入っているガチャガチャも3回分やった。
こういうところにきたら、いかにひとつでも多く行事(っていうの?)に参加して楽しむべきだと理解する。
「同じアホなら踊らにゃそんそん」というのはけだし名言だ。

それはともかく“ブレード”を手に入れた万能感はすごかった。
3800円と結構いい値段はするが、ボタンで色を変えられて、電池交換でずっと使えるのだ。都度、バージョンが違うものが売り出されるので、過去のものを含めて数種類を持っているファンもけっこういた。
今年だけでも2バージョン出ていたので、僕もそれぞれ1本買おうかとも思ったが、新参者が2本振り回すのはなんだか“調子に乗りすぎ”な気もして、1本にしておいた。
なんというか、これを手に入れてやっとファンの一人前になった感じ。
職業「TrySailファン」の「じゅくれんど」が、「かけだし」から「したっぱ」になった感が強い。

それから開場までの1時間はホール前の広場で、江戸川台ルーペがもってきたiPadで過去ライブの映像を見たり、Twitterを見たりして過ごす。
ファンの方々もそこで入場待ちをしていて、その層を見ると、中心はもちろん20代~30代の男性だけれど、本当に老若男女幅広い層がいた。法被を来たり、髪色を青く染めたりと、コアなファンもいるが、皆さん行儀がいいというか、礼儀正しいというか、そのあたり、ああ自分もこのグループのファンで良かったなとぼんやり思った。
3人の女性グループがTrySailに憧れているらしく、メンバーのイメージカラー通り、一人ずつピンクと青と黄色のコーディネートをしていて微笑ましい。それぞれ役割分担をしていて、なんとなく雰囲気も本人に合っているように見える。憧れの対象となる同性がいる、というのは素敵なことだと思う。

そんなことを考えているうちに開場時間となり、僕らはついに、初ライブ参戦に挑むことになるのだった(続く)。

仙台は桃色に染まり、青く燃え、そして黄色い光が射した

TrySail仙台公演。控えめに言って最高だった。

あらかじめライブブルーレイを1st、2ndと3回ずつ観て、さらに最新アルバムを聴きまくって予習をしておいたので、ソロ曲以外は全部口ずさめた。
何事も準備が大切だと改めて思う。
Twitterを見ると、このソロコーナーで歌われた曲はこのツアーで歌うのが初めてのものばかりで、とくに天ちゃんの「VIPER」は本邦初公開。
そういう点で今回の仙台公演は「神セトリ」だったようだ(その辺りが共有できないあたりがまだニワカの証)。

それにしても、ブルーレイのファイナル公演も素晴らしいけれど、それとはまた違った、地方公演ならではのファンサービス的な演出しかり、会場のサンプラザホールのステージを包むような半円形の構造しかりで、ライブ感というか、ステージと客席の一体感は想像以上だった。

僕らは3階席2列目、中央やや左という位置だったが、肉眼でも十分3人が見れた。オペラグラスも持っていって2回ほど覗き込んで表情も見られたけれど、なくても後悔しなかったと思う。
あとチケット確認した時は「1列目が良かったなー」とか思っていたけれど、2列目だったおかげで、前の諸先輩方の“ブレード”(サイリウムね)の振り方が参考になったし、しっかりステージも見れたし、TrySailライブ初参加の僕らにとっては、そういう点でもベストな席位置だった。

これ以上を望むのは罰当たりとは思うが、欲を言えば、掛け合いのある曲をせめてあと1曲は欲しかった(具体的には「センパイ。」か「ホントだよ」のどっちかはやってほしかった)。
アンコールの抽選曲が「Baby My Step」だったから良かったものの、コールアンドレスポンス的な曲をもうちょっと聴きたかった(声出したかった)。

ただ、TrySailのツアーも3年目となり、それぞれのソロ活動の比重が増えてきた今、このユニットを今後どう続けていくかという課題を踏まえると、「聴かせる曲」を多めにしてアーティスト路線を探るという方向性はわかる。ツアー終了後に反応を見てまた来年以降の方向性を考えていくのだろう。
その辺は彼女たちの成長に期待して待とう。

とにかく、仙台公演は3人のやりとり(駄々こね!)や、もちょの誕生日(6/25生まれ)を祝って会場全員でハッピーバースデーを歌うなど、色々な意味で貴重だったし、初参加が仙台で良かったということでも、出だしに書いたように控えめに言って最高オブ最高だった。

このライブに関わった全ての方々、お疲れさまでした!
そしてありがとう!

きっとまた行くので、その際はご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

トリキ会議

仙台TrySailライブに挑むための打ち合わせinトリキ。

チケット開封の儀をやって(今どきっぽい)、出てきた席番は、まあ“無難”というか、初めてライブに挑む我々にとっては「勉強させていただきます」という点で良い席なのではないかと思う。位置もほぼセンターだし。
だって、これで最前列とか(そういうのはファンクラブが優先だろうけど)取れちゃったら、かえっていたたまれないからね。
それはまた次回(まだ1度も参加していないくせに)。

仙台まで行くというのに、観光はほぼノーアイディアで、ライブ当日は、物販でちゃんと「ねんがんのサイリウム」(正式名称はTrySailブレード)を手に入れられるのか、それだけが心配。
昨年のライブでは仙台公演がなかったので、2年溜まった地元ファンの熱がどのくらいだかが計りきれない。
が、とにかくサイリウムだけは手に入れるのだ。

で、話はいろいろとTrySailの今後みたいなことになって(何目線だよ)、声優界もやっぱり、何年キャリアがあっても「永遠の若手芸人」が存在するお笑い界みたいな感じなのかなー、とか、ファンのテコ入れを図るために“アノ”業界に進出するのかなー、とかネガティブな会話も出たりした。
それでも、とにかく、目の前のライブを全力で楽しむための努力をしようという結論に至る。

ライブまであと3日。
まだ旅支度はしていない。

予習その1

TrySailのライブまであと2週間を切った。

このタイミングで、ちょっと観るのを逡巡していたTrySailのライブ ブルーレイを観た。1stライブと2ndライブをイッキ見したのだ。

で、ようやく、どのパートを誰が歌っているかがわかったのだけれど、だからといって感慨は特にない。
それ以上に、CDで聴くよりもライブで動いているTrySailを観ると、いやあ、これはもうファンにならざるを得ない。そのぐらいすごいパフォーマンス力を持っているユニットなのだと改めて思う。

で、メンバーについて思ったのは、まず、てんちゃんは闇が深い。
闇キャラというのはファンの中で定着しているようだが、僕もご多分に漏れず、ライブの最初のコメントで「ああ、この子は闇が深いな」とわからざるを得なかった。ルックス、歌唱力は3人の中で群を抜いているのだけれど、多分一人だと“折れてしまいそうな”危うさを感じる。長生きしてほしい。

そして、推すと決めた、もちょはやっぱり王道だった。
「腹ペコキャラ」みたいなのもわかった。事務所からかなり節制を厳命されているような感じもする(ホント、迂闊でいると体重オーバーになりそうな感じがする)。
ムードメイカーとしても貴重。

そして一番の驚きは夏川椎菜である。
なんすは動いているほうが可愛い。というか、ライブでのMCやらドキュメントを見ると、なんだかんだTrySailというユニットの要なんじゃないかと思う。あとの二人が自由すぎるのをこの人がつなぎとめているように感じた。それと同時に“のびしろ”が一番ある人なんじゃないか。
声優界の中では長く生き残りそうな感じ。
もう一度書くが「動いているほうが可愛い」(写真で損してる珍しいタイプ)。

それにしても、TrySailはパフォーマンス力というか、ファンとの共感力がすごい。
果たして、俺はついていけるのかこのライブに。

「サイリウムを振りたい」という友人の声は実現するつもりだし、映像を見る限り「サイリウムを振らない方がアウェー」感が強いが、そもそも“推し”の色1本用意すればいいのかと思いきや、ライブ映像を見ると、みんな場面場面でそれぞれのイメージカラーである3色を使い分けているし、地方公演だと、色変えたりしている。
っていうか、今のサイリウムってそんな感じなの?ライブ3時間ぐらいあるけど持つの?
っていうか持ち替えてるの?
現地で買えるならいいが、事前に用意するのなら、そのあたりも考えなければならない。

昔、「めいどりー○ん」というメイド喫茶で、サイリウムを買わされた喜んで買ったことがあるんだけど、それは30分ぐらいで消えちゃう奴だった。
このブルーレイでみんなが持っているのは電球式なのだろうか(現地で買えばいいの?買えなかったら、超虚しいよ!)。
いろいろと謎だ。

というか、今までTrySailのCDしか聴いていなかったが、改めてライブ映像を見ると、なんというか、映像の時点で感動すらしてしまった。
ファンをここまで楽しませる人たちってすごい。素直に尊敬してしまう。
そして、この場に自分がいたとして、果たして、俺は“持つのか”と、客という立場なのに、不安ばかりがつのってきた。
これ、参加したら俺生きて帰ってこれるのか。
3時間体力持つのか。
あと、トイレ大丈夫なのか?(アテント装備しておくべきか)。

考えてみたら、そもそも、こんなに長丁場のコンサートに参加するのが初めてなのだ。
不惑にして惑う、とはまさにこの状態だ。

でも、行くよ。
行ってくるよ。
超楽しんでくる。

とにかくあと10日。やれる準備はすべてしないとマズいと、改めて決意を固めたのだった。

仙台は近くて遠い。

返品 for Amazon

その日、俺は不機嫌だった。

なぜならば19時に家に帰らなければいけないのに仕事が一向に終わらないのだ。
それだけではない。今日に限って取引先からやや理不尽な要求を受け、どうにも自分が「出来の悪い部下」みたいな感じになっていて、それはそれで不愉快だったし、その取引先の案件で退社予定時刻が刻一刻と迫っても、仕事が終わりを見せずにいて、イライラはさらに増していた。
なんとかギリギリで退社できたので良かったものの、その時点でもなかなか気分は晴れず、「今日はツイてない日だな」という印象を持っていた。

19時に帰らなければいけない理由は、宅配便が19時-21時の時間指定で届くからだ。
俺はなかなか19時前に家に帰ることができない。それができるのは日曜ぐらいだし、前もって準備をして、定時ピタリにあがってなんとか間に合うという感じ。
この注文は木曜日の夜にしたのだが、日曜である今日を逃すと、次に受け取れるチャンスは水曜の午前まで延びてしまう。待てないわけではないけれど、ここまで引き延ばすのは嫌だったので、何がなんでも今日、荷物を受け取りたかった。

Amazonで注文した、声優アニメディアの6月号と3月号が届くのだ(はい。ここからはついてこれる方だけついてきてください)。
なぜ声優アニメディアをAmazonで注文したかと言うと、6月号の表紙が麻倉ももで、特集記事に加えて、麻倉もものクリアファイルが特別付録だったからだ。
これを初めて本屋で見かけたときは、買おうかどうしようか迷って、翌日、やっぱり買っておこうと思ったときに行ったらすでに売り切れていた。この近所にある本屋はどうも僕と相性が悪いらしく、僕が買おうかなぁと思いつつスルーして、翌日ぐらいに行くと既にその雑誌が売り切れ、ということがこれで3回目(逆に言えば、僕と同じような思考の人が、この町にもう1人いるのかもしれない)。
なので、僕はAmazonでこの雑誌を買うことにした。
Amazonで検索すると、その商品と関連する商品が表示されるのは皆さんご存知だろうが、そこにTrySailの表紙になっている声優アニメディアの3月号が表示されたのだ。
商品説明を読むと、全国ツアーへの意気込みインタビューがあり、さらにTrySailの特製クリアファイルが特別付録になっていた。じゃあこれも合わせて買っておこう。
実際の書店だったら、躊躇したかもしれない。でもAmazonだと買ってしまう。なぜならカード払いだからだ。カード払いは「実質0円」だから、ついつい余計なものまで買ってしまう(騙されてる)。

さて、ここで僕がなぜ、麻倉ももの表紙の声優アニメディア6月号とTrySailが表紙の声優アニメディア3月号をそこまでして買おうとしたのか、説明しておこう(ついてこれてない方への弁明も含めて)。

TrySailは声優の麻倉もも(もちょ)、雨宮天(てんちゃん)、夏川椎菜(なんす)の3人からなる声優アイドルユニットである。
僕は6月にTrySailのライブに行くことになった。
友人に誘われたのだ。
友人が雨宮天のファンかつTrySailのファンで、二人で飲んでいた時に「俺、高野さんとTrySailのライブ行って、一緒にサイリウム振りたいです」としみじみ語るので、「じゃあ行こうよ、サイリウム振ろうよ!」と、その場のノリで決めた(トリキで)。
その時点で関東公演はすでにSOLD OUTで、行けるとしたら仙台か名古屋だったが、そのチケットも一般抽選待ちの状態。とりあえず一番近場であり、そして個人的には去年旅行に行ったものの、食べ過ぎで100%楽しめなかったリベンジも込めて、仙台に行くことに決めた。

そんなわけで、僕はその日からTrySailについて勉強することにした。
帰りに最新アルバムをTSUTAYAで借りてきた。それからリリースされているアルバム3枚をすべてレンタルし、聴き込んだ。
声優だけあって、声は心地良く、曲もいかにもアニメ主題歌っぽいものから、王道アイドルっぽいもの、J-POPっぽいものと、思ったよりも良い楽曲が多く、そこでファンになった。

恋愛に一番効果があるのは、結局のところ接触回数だという。つまり、どんなに好きな相手でも、年に1回しか会えない相手よりも毎日顔を合わせる相手のほうが好きになるということだ。
片付け中だの、移動中だの、ブログ執筆中だので、BGMとしてTrySailの曲を聴いているうちにだいぶファン度があがったと思う。
いまだに誰がどの声かわかってないけれど。

で、ラッキーなことに友人はチケットに当選し、仙台ライブに行くことが確定したので、まだ観ていないが、2枚出ている以前のライブツアーのブルーレイもすでに買ってしまっている(Amazonで初回限定盤を。実質0円だからね)。
やっぱりコンサート行って楽しむためには、その人の曲を知っていなければ、あまり楽しめないと思うのだ。

僕は中学生の時に、ファンの友人に連れられて中山美穂のコンサートに行ったことがある。その時、僕はほとんどミポリンの曲を知らなかったので、せっかく連れて行ってもらったのに、さほど楽しめなかったのだ。
それは周りのファンや、来たくてもチケットがとれなかったファンに失礼だったなーと子供心にも思ったりした。

今回TrySailのコンサートに行って、同じようになってしまったら、それはその場の僕もつまらないだろうし、ファンにもTrySail自身にも申し訳ない。
だったら、この2ヵ月でとことんTrySailを好きになってやる、みたいな(間違った)意気込みが盛り上がってきて現在に至る。

TrySailの中で誰を推すかという話になった時、友達はてんちゃんのファンなので、「てんちゃんはダメです」と言われてしまい、もう、もちょかなんすの2択しか選べない状態になっていて、ならばと、僕はここで“王道”っぽい、もちょを推すことにした(ストⅡだとリュウ、サンバルカンだとバルイーグル、KOFだと草薙京を選ぶタイプ)。
そして、もちょはかわいい。ルックスのタイプでも選んだ。声優なのにどんな声かはまだ知らない。

話を戻そう。
声優アニメディアは果たして届いた。僕はワクワクしながら封を開けたのだが、なんと3月号のTrySailの特製クリアファイルが付いていないではないか!
僕は焦った。「いや、これって、え?不良品? それともバックナンバーだからついてないの?」みたいなことを考えもした。不良品だった場合に起こる面倒な手続きを思うとげんなりもしたからだ。
なので自分を誤魔化そうと「いやあ、本当はライブへの意気込みが読めればそれで良かったんだ。だからTrySailのクリアファイルは別になくてもいいんだ。僕にはもちょのクリアファイルがあるからいいんだ」みたいなことを(もちょ、てんちゃん、なんす、と数えて)3秒で考えたんだが、やっぱり納得がいかないので、アマゾンの問い合わせフォームに連絡をした。
理由は「声優アニメディア3月号の特別付録 TrySail特製クリアファイルがついていなかった」。
人生において、そして不惑を過ぎた人間が、この言葉を打ち込む事はそうそうないだろう。

「TrySail特製クリアファイルがついていなかった」
(二度とないだろうからもう一回書いておいた)。

そんなこんなでAmazonの対応は早かった。
翌日には「代わりのものを送るから、今持っている声優アニメディア3月号を着払いで送ってくれ」というような連絡がきた。さらに手数をかけるのでお詫びとしてAmazonポイントを300ポイントつけるよ、みたいなサービスもあった。
この対応はとても素早く、僕は好感を持った。
でも同時に、しちめんどくさいなぁという思いもなくはない。返品作業というのはなかなか手を煩わすものだからだ。クリアファイルだけ送ってくれればいいのに、と思うが、ウソをついてクリアファイルを2枚もらおうという輩もいるから、そういうのはできないのだろう。

果たしてそれから2日後、声優アニメディア3月号は届き、今回も付録がついてなかったらほんとにどうしようと思ったものの、無事、TrySail特製クリアファイルも付いていた。
ところが、さっきも書いたように、返品というのはなかなか骨が折れる作業なのである。
まず梱包しなければいけない。幸いにも送ってきた封筒がそのままなので、そこに入れて返せばいいのだが、止めるためのテープ、いわゆるガムテープのようなものを一切持っていなかったのだ。
そのため僕はわざわざ駅前までクラフトテープを買いに行った。
そして、「返さなければいけないものが手元にある」というこの気持ちはなかなかめんどくさいもので、やらなければならないことを放っておくと、他のことに手がつけられないというところがある(俺が面倒くさい性格なだけだな)。
なので思い立ったこの時にクラフトテープを買ってきて、梱包済ませ、今、近くのヤマトの営業所から返送作業を終えてきた。

それがコトの顛末である。

今一度書くが、好きになる一番の要因はいかに接触回数が多いか、だ。
僕はTrySailや、もちょとの接触回数が多くなり、だんだんと好きになってきてしまっている。

本当にこれでいいのだろうか。
にわかファンなのに大丈夫なのだろうか。

てんちゃんファンの友人は既婚者なのでいいが、僕はまだ独身だ。不惑を過ぎて、もちょとかTrySailとか言ってる(書いてる)声優アニメディアを返品する男に嫁はくるのだろうか。
すごく先行きが不安だ。

でも僕は来月、とても楽しみに、万全の準備をしてTrySailのライブに挑むつもりである.
そう、ようやく返品作業が終わった今、僕はTrySailのCDを聴きながら部屋の片付けをしているのだ。

楽曲は良い。もちょは可愛い。
でもいまだに誰がどの声だかわかっていない。