ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングのバディもの、『ナイスガイズ!』を観た。
バディもので肝心なのは、とにかく相棒を組む二人の相性が良いかどうかに尽きる。それはキャラクターによるものだけでなく、俳優同士の相性にもよる。
とりわけ仲良しでなくてもいいと思う。仲が悪くても、ちゃんと噛み合いさえすれば、観ているほうとしてはきちんと「バディ」として観れる。
最悪なのは、お互いがお互いに興味を持っていない場合。これは二人で主役、という意志がなく、俺が主役でお前が脇役、という感じで演じてしまっているのがミエミエで、全然噛み合わないので面白くない。
僕が観た中では『ショウタイム』のロバート・デ・ニーロとエディ・マーフィ、『ゴースト・エージェント/R.I.P.D』のジェフ・ブリッジスとライアン・レイノルズがその例で、これはもうバディものとして観てるのが辛くなるレベルだった(『48時間PART2』もエディ・マーフィが大スターになってしまったがゆえにニック・ノルティが完全に引き立て役でガッカリした)。
さて、そういう点で、この映画はちゃんと「バディもの」しているのが良かった。腕力勝負の示談屋とろくでなし探偵といった、デコボコというよりボコボコなコンビが面白い。
コントみたいなコメディシーンが多いのに、展開はハードボイルドなのも70年代を舞台にしているから雰囲気に合うのだろう。
それと、二人のバディぶりをさらに魅力的にしているのが、ライアン・ゴズリング演じる探偵マーチの娘ホリー。しっかりしているができすぎない、でも芯が通っている、という彼女の存在が2.5人組のような関係を作り出している。
『アイアンマン3』が僕的にはひどかったので、シェーン・ブラックの映画に対してあまりいい印象はなかったけれど、この作品は面白かったし、続編があるっぽいつくりなので、期待している。
ぜひホリーを演じるアンガーリー・ライスが大きくなる前に作ってほしい。
軽く笑えるバディ活劇としてオススメの1本。