安藤梨乃 RINOLIVE Vol.2

石神井Int’lオーケストラで講師を務められていることでご縁のある、ヴァイオリニスト 安藤梨乃さんのライブに行ってきた。

RINOLIVE Vol.2』と題し、安藤さんとゲストによるトークと演奏を楽しむという趣向。
僕は安藤さんの演奏を、アマチュアオーケストラと共演する形では聴いたことがあったが、彼女メインのソロ(厳密にはピアノとのアンサンブルだけれど)の演奏を聴くのは初めてだったのでとても楽しみにしていた。
内容はクラシック、ポピュラー、映画音楽と幅広い選曲の構成になっていた。

出演者をたてて、魅力を引き出すMCの立花裕人さんの力も大きいだろうが、安藤さんの、物事や音楽へ誠実に向かい合っている真摯な態度や、その人柄の伝わるトークが良かった。そのせいか客席も和むような暖かいステージになっていた。

スペシャルゲストの小西のりゆきさんは、歌唱力の高さはもちろんのこと、経験から滲み出るカッコよさが歌に乗っていたし、長年ミュージカルのステージで培ってきたのだろう、舞台で“カッコよく魅せる術”をちゃんと知っている。本物のエンターティナーだな、と感じた。
合間のトークでは、ミュージカル『RENT』の裏話も楽しかった。

また小西さんはディズニー映画『魔法にかけられて』の挿入歌「そばにいて(So Close)」を歌った人なのだが、このライブのピアニスト青木響加さんは、この映画の大ファンだそう。“本物”の伴奏を担当するのは、相当緊張しただろうが、しっかり歌とヴァイオリンを支えていた。

安藤さんはまさにこの日、東京音楽大学大学院の卒業が決まったらしく、これから活躍が期待されるヴァイオリニストなのだろうが、ピアノとだけではなく、小西さんのヴォーカルとでも、お互いの良さを引き出すようなアンサンブル能力の高さを感じさせるなど、今後がより一層楽しみなヴァイオリニストだ。

この『RINOLIVE』は第3弾も予定されているとのこと。
格式ばったステージではないし、硬軟取り揃えた選曲。そして、ただ曲を聴かせるのではなく、そのバックグラウンドについてのトークもあるので(これも立花さんの進行が飽きさせない)、知らない曲でもその世界に入りやすい。
公演時間は2時間を超えたけれど、あっというまに過ぎた。クラシックは敷居が高いと感じている人の、はじめの一歩のライブに良いかもしれない。

次回は、どんなテーマの選曲で、また、ゲストとはどういうアンサンブルをみせてくれるのか、今から楽しみにしている。