親和性

雑誌って美容院で読むためにあるんじゃないかと思う。

昔から床屋も美容院も、つまり髪を切る場所が苦手だ。その理由は、店員さんと会話をするのが苦手ということに尽きる。さらに言えば「仕事なんですか?」とか「今日は何してたんですか?」とか、初対面にもかかわらず、結構プライバシーに踏み込まれるのが嫌なのだ(たいてい噛み合わないし)。
僕はあなたと楽しくおしゃべりしにきたのではないよ、髪を切ってもらいたいのだよ、と思ってしまう。かといって、黙ってるのも手持ち無沙汰でそれはそれで居心地が悪いんだけど。
散髪中に雑誌を読む、という行為もまた苦手だったのだけれど、最近お世話になっている美容院では、グッズ情報誌と「Number」を出してくれるので、それを読むようにしている(ちなみに店員さんも仕事が丁寧で気に入っている)。

グッズ情報誌を買うかと言われたら、まず買わないが、散髪中は読んでしまう。そして紹介されたものは買ったり、試したりしてしまうんだよな。
ワイヤレスヘッドホンも、Bluetoothスピーカーも、そこで読んだ雑誌のランキングが高いものを買った。紹介されてた飲食店にも行った。
なぜか、散髪されながら読むと印象に残る気がするのは僕だけなのか。

買った雑誌も、家で読むと途端に興味が薄れたりして、中身の半分も読まずに処分してしまうので、より、美容院での雑誌のパフォーマンスが際立つ。
でも考えてみたら、そもそも雑誌って、そうやってパラパラと短時間で読むものなのかもしれない。その瞬発性が散髪時間というものにジャストフィットしているのではなかろうか。

難しく言ってみたけれど、つまり美容院で雑誌読むと良い時間つぶしになります、という話です。