愛し愛されて生きるのさ

TrySailのメンバー、麻倉もものソロライブ「Agapanthus」DAY2に行ってきた。

5月にツアーとして予定されていたライブがコロナ影響で、今月、幕張2DAYSとして公演することになったのだ。
TrySailファンであり、なかでも“もちょ”推しの僕としてはこれは何がなんでも是が非でも参加したいライブだった。

TrySailのファンになって1年半。
ユニットとしての活動が一番好きなのは間違いないのだけれど、それでも「最推し」のもちょの存在は自分が思っているより大きいみたいだ。
なぜならTrySailファンの「センパイ。」であり“天ちゃん”推しの江戸川台ルーペが、TrySailライブの仙台と、1月の雨宮天ソロライブでの放心状態とは打って変わって涼しい顔をしているのに対し、僕の方が始まる前から上の空だったから。

ファン先行チケットに当選していたので良い席だろうとは期待していたが、席についてみると実質2列目。
座席は左右1個あけなので、見る角度によってはステージのもちょと自分の間に誰も入らないという予想以上の良席で、もうその時点で失神しかけた。
これまでの2回のライブでは、座る位置の関係もあって、ライブ中も一緒に参加するルーペさんの様子を確認したりしていたのだが、今回は正直、彼の存在を完全に放置して、ライブに没頭することにした。もう「僕は僕で浸りますので」と。

1曲目の「Agapanthus」で、プロジェクションマッピングのカーテン越しに歌うオープニングは、MVをライブでやっている感じで幻想的で良かった。
2列目とはいえ、客席中央までの長い花道が用意されていて、そちらをメインで歌う曲もあるので、常にかぶりつきで楽しめたわけではないが、「スマッシュドロップ」や「カラフル」のダンスが目の前で見られたのは幸せな時間だった。

「妄想メルヘンガール」の掛け声は事前にファンが各自録音して送ったものをミックスして流してくれたのだが、男声が多くて野太い感じのコールになっているのがちょっと面白かった。あと、もちょが言及した「良い重低音」はルーペさんの声なんじゃないかと思う(嫉妬)。

トークでは”妖刀アサクラ“と呼ばれるその毒舌も披露されたが、狙った毒舌というより、思ったことをそのまま口にしてしまうからこそなんだろう。
でも逆にそれは天然でドSってことか?(煽られる「雑草チーム」が羨ましかったりした)

個人的にセトリは一分の隙もない完璧なものだった。
アルバム「Agapanthus」収録曲を中心に歌うのは、ライブタイトルからしてわかっていたが、収録外の曲で絶対に聴きたかった「Good Job!」(グッジョブポーズしたよ!)、「Fanfare!!」(MO MOやったよ!)はもちろんのこと、良い曲だなーと常々思っていた「星空に想えば」が聴けたり、コロナ禍に聴いてより歌詞が沁みた「No Distance」を同じ意味を込めて歌ってもらえたことが、より特別感のあるライブだった(欲を言えば全曲聴きたいけど、それは贅沢すぎるというものだ)。
ただひとつ、ポッドキャストでクサした分析した「シュークリーム」を生で聴いて、どう思うか知りたかった感はある(ドM)。

テンションが上りすぎて、ライブ途中で現実感が時々吹っ飛んだ。
映画「インセプション」で夢の世界と現実世界を見分けるためにディカプリオがコマを回すシーンがあるが、きっと今コマを回したら永遠に回り続けるだろうなとも考えた。
そのくらい夢とうつつの境目がわからなくなる感覚に陥ったのだ(いや、全部「現実」なはずなんだけどね)。

「愛し愛されて生きるのさ」
とは、小沢健二の曲のタイトルで、僕はこの曲に思い入れはおろか、そらで聴いたことぐらいしかないけれど、ライブの最中にそんなフレーズが頭に浮かんだ。

アーティストはファンに愛され、そしてアーティストはファンを愛する。その関係が続く限り、どんなアーティストだって(そしてファンだって)生き続けることができる。

その意味で、このライブは麻倉ももとファンによる完璧な愛し愛される空間だった。
批評的に見れば粗がないわけではないステージではあったが、それを問うのはもはや意味がない。

夢と言われたらそれはそれで納得してしまうような、現実感が吹っ飛ぶライブに身を委ねながら、これまでの人生が何度か走馬燈として見えた。
だから昨日ツイートした「4回死んで生き返った」という表現は決して比喩ではない。

どんなに言葉を紡いでもこの感覚を表現するのは虚しいから、シンプルに「超絶楽しかった!」と書くことが正解な気もするが、こんなすごい体験をする機会が世の中にあるのだ、ということがわかったことを、ここに記しておきたい。備忘録として。

さて、僕は今日からどう生きようか。

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