ひとりすき焼きの夜

私は株主である。

とか威張ってみたものの、実際は某レストランチェーンの株を最小単位の100株持ってるだけだ。地元にあるそのチェーンの和食屋さんが気に入って、応援する意味で持っているのだ。

で、株主特典として優待券3000円分もらえるんだけど、その期限が今月末。
いつもは家族と行くのだが、車をこっちに持ってきて以来、そしてコロナ禍のせいで、すっかり足が遠のいてしまって、気がついたら期限が目前に迫ってしまった。
捨てるには惜しい金額だけど、場所がら和食ファミレスみたいなとこなので一人客は恥ずかしいし……と悩んだあげく、やっぱりもったいないの気持ちが勝ったので、仕事帰りに立ち寄ってみた。

ちょっと遅めの時間だから、すんなり入れるかなーと思ったら、2組待ちで、しかも待ってる席でひとりぼっちなのが、ちょっと恥ずかしかったりした。
順番が来て席に通された時に、他のテーブルを見たけれど、一人客は僕だけだったように思う。ここでも恥ずかしかったので、ミシュ○ンの覆面審査員みたいな雰囲気を醸し出してみる。店員さんの態度は普通だったけどな(当たり前)。

友達や家族で行けば、一人頭それ以上になることはあるけれど、自分だけの食事で1回3000円を使い切るのは難しい(そんな高級店一人で入ったことない)。
でもちゃんと使い切らなきゃという貧乏性で、一番高そうな国産牛のすき焼き定食(2500円 高級!)と生ビールを頼んだ。

その店に行くと「すき焼き」はけっこう食べるが普段は普通の(輸入牛の)すき焼き。それだって美味しくいただいているのだが、今回は霜降りの“出の”良さそうなお肉がでてきて、国産と輸入とかじゃなくて、もう部位が違うんじゃんと思った。
松屋やほっともっとの「すき焼き御膳」で大満足しちゃう舌でも、美味しさが格段に違うことはわかった。良い晩御飯になった。

株主優待券で支払ったので、「ああ、だから一人で来たんだな」と納得してもらえたのか、それとも「こいつ、一緒に来る人いないのかよ」と思われたのか、店員さんの顔からは伺いしれなかった(自意識過剰すぎ)。

それにしても、ひとり焼き肉に続いて、ひとりすき焼きもできるようになってしまった。次はひとりしゃぶしゃぶだろうか。
どんどん行動範囲が広がるよな。

っていうか、ふたりすき焼き行きてえ(切実)。