非の打ち所のないヒーロー映画でした。
と、それ以上、何も言えない(特にネタバレっていうものはないけれど)、「とにかく見て!」っていう感想の大傑作娯楽映画だった。
もちろん『アイアンマン』から続くマーベルシネマティックユニバース(MCU)のいちファンとして、その集大成である『アベンジャーズ / エンドゲーム』につながるという今作を観るのは必然だったけれど、正直、そんなに期待はしていなかったのだ。
でも、あまりに面白かったので、役者陣についてや、制作のバックグラウンドが知りたくて鑑賞後にパンフレットを買ってしまったぐらい(同じように思った人は多いようで、僕同様、鑑賞後にパンフレットを買い求める人で売店に列ができていた)。
それと、最近のMCU映画が、前作なりその関連作を見ておかないといまいち入り込めない作りになっていたのと違って、単独のヒーロー映画として面白かったのも人に薦めたくなる理由の一つだ。MCUを観ているとわかるトリビアも多いけれど、それを知らなくても話には十分ついていけるし、逆に今回の話は知らないほうが楽しめるストーリー展開かもしれない。
主演のブリー・ラーソンは芯の強さの中にチャーミングさが見えてキャラクターにピッタリだし、コンビを組むサミュエル・L・ジャクソンは、そうそうこういうキャラクターが真骨頂だよね、ということを思い出させるような生き生きとした演技を見せる。
この二人だけじゃなくて、どの役者もハマり役だし、演技が上手い。こういう荒唐無稽な娯楽映画で、演技云々を言うのもなんだけど、逆にこういう娯楽映画だからこそ、演技が上手い人がやると荒唐無稽な世界にも説得力が出るのだろうと思った。
あと、アクション過多ではなく、セリフ劇なのも楽しい。ユーモアのある掛け合いをしながら世界の危機に立ち向かう、というスタイルは007やインディ・ジョーンズのようなスタイルのヒーロー映画のようで楽しかった。最近のMCUは深刻な話になってきているので、そういう肩肘張らず楽しめるのも良かった。
あと、猫!猫じたいも可愛いが、猫と戯れるサミュエル・L・ジャクソンのことが絶対好きになる(ここだけややネタバレ? 笑)。
『キャプテン・マーベル』はMCUの中では「エピソード0」的な位置づけなので、今までMCU映画を観ていなかった人が、これをきっかけにこの世界のファンになったら嬉しい。MCUはただの娯楽映画ではなく、現代社会の問題をベースに描いているものが多いからだ。
2009年にマーベルはディズニーに買収されているけれど、楽しみながら、大きなテーマについて考えさせられるというディズニー映画らしさを持っているところも買収の要因のように思える。
もう一回、劇場で観たいと思うし、ソフトは絶対買ってしまうな、というぐらいのイチオシ映画。
SFが嫌いでなければ、ぜひ観てください。
デートムービーにもいいと思いますよ(僕は独りで観たけどね!)。