ミュージカル『The PROM』を観た

ミュージカル『The PROM』を観てきた。

ブロードウェイミュージカルだけど、日本版は岸谷五朗と寺脇康文のユニット「地球ゴージャス」のプロデュース作。
地球ゴージャスの公演はいつもプラチナチケットで、僕は14年前の(え?14年ってどういうこと?そんな前なの?)「HUMANITY」を観ただけなんだけれど、今回は葵わかなが出るということを知って、脊髄反射的にチケットを取った。

葵わかなが好き、というのは昔ブログに書いたが、きっかけはNHKラジオの英語教育番組「ボキャブライダー」で、その透き通るような声の綺麗さと相方のマックスウェル・パワーズとの掛け合いの上手さで「なにこの人すごい」となって、その後写真みたらルックスも可愛かったし、そこから応援するようになった。だから、朝ドラも「わろてんか」だけは通してみたぐらい(ドラマとしては残念な感じだったな)。
その後はCMで見かけるぐらいだったのだけど(その点“推し”とはちょっと違うのだよね)、葵わかなと岸谷五朗、寺脇康文の掛け合いは見たい、そして直接見たい人は見れるうちに見ておいたほうがいい、と思ったのだった。

なので、チケット取った時は内容がLGBTQの話だとも知らず、しかもブロードウェイミュージカルとも知らず、自分に合うかなーとやや不安だったのだけど、岸谷さん第1幕から出ずっぱりだし、葵わかなは超声綺麗だし、しかも歌も高音で伸ばすところで思わず「上手いなー」と呟いたほど歌上手かったし、寺脇さんは寺脇さんで相変わらずな三枚目役を楽しんでやっているのが面白くて、観に行って大正解だった。
物語もテーマはテーマといえど重くなりすぎず、自分のアイデンティティに自信を持てるような前向きで明るい展開だったので良かった。うるうるしながら笑顔になれる作品。
自分自身は古い価値観で育ってきた世代の人間だが、最近トランスジェンダーの人の話を直接聞いたりして、ジェンダーについて考えさせられることが多い。今すぐに価値観を変えるのは難しくとも、いろんなことを少しずつアップデートしていって、いつか後の世代が「そんなことで苦労した時代もあったんだね」と言えているといいなと思う。

名前を挙げてないキャストの方々もみんな素敵だったけれど、座長である岸谷さんの、出てくるだけで場が絞まるオーラと、手指の先まで神経が行き届いている感じは圧倒的だった。ホント、すごい。

そんな感じで、もう1回観たくなるほど楽しい舞台だった(残念ながらスケジュールとなにより予算が……)。

それでも観たい、行きたいと感じるのはやっぱり何かあるはずなので、今後も自分の気持ちに正直にいようと思った。

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