『ザ・カンニング IQ=0』

『ザ・カンニング IQ=0』を観た。

これが「フランス映画」ということを今さら知った。
日本公開は1982年で、当時、この映画をヒントにした日本のコントを見た気がするが、それは「ひょうきん族」だったか「ドリフ大爆笑」だったか。

実際にカンニングする場面がでてくるのは物語の後半で、あとは、いかにサボるかと、教師にイタズラするかということに邁進する予備校生の姿を描く映画。
予備校を舞台にしたショートコント集のような構成で、やってることは本当にバカバカしい。でも、コントをつなげたような同じ構成のハリウッド産『裸の銃を持つ男』や『ホットショット』に出てくる、大爆笑かスベるかといった一発ギャグを連発するというのではなく、クスリと笑えるようなものが続くのが、フランスならではだろうか(“エスプリが効いてる”って奴?)。
いや、それでも相当やってることはくだらないが(えげつないのもある)。

主演はダニエル・オートゥイユで、この映画のヒットで人気が出たらしい。
今では渋い演技派というイメージで二枚目の印象はないけれど、さすがに主役を張るだけあって、この時から華がある。あとアクは強いが顔立ちもそこそこイケメン。

とことん教師をバカにして出し抜こうとする学生と、それをあえて受けて立つ教師の応酬に、なんでここまでやるかなーと思ったりするが、学生ってそもそも、すごくくだらないことに一生懸命になる年頃のように思うし、それはフランスも同じならば、と、ちょっと微笑ましかったりした。

大人になると(興味のあることに関してだけど)、言われなくても勉強するというか自分から学ぼう、と知識欲が活発になるのに、なんで学生って勉強したくないんだろうと考えてみると、勉強はすぐに効果が出るものではないから「かったるくてつまんない」というのと、それなら、もっとすぐ享受できる楽しい娯楽や恋愛をしていたい、と思うからだろうな。
それが若さというものだろう。こう、感覚的に「楽しい」ものに惹きつけられるのだ。
とはいえ、大人になっても、大事なやるべき仕事に手がつかず、漫画読んじゃったりする時もあれば、感情的になってバカをやるときもあるから、この映画で描かれている応酬は、正しく「若者VS大人」なのかもしれない(コント映画でそこまで考える必要ないね)。

続編もあるので、それも観て、フランスのコントについてもうちょっと「勉強」してみたい。
カンニングなしでね!(スベった)