パーク観ずにワールド語る

『ジュラシック・ワールド/炎の王国』観た。IMAX3D。

なにせ前作を前日に観ていたから、キャラクターの個性から人間関係から、恐竜の特性まではっきりと覚えている状態で続編を観れたということで、3年前にリアルタイムで前作を観た人よりもこの映画を楽しめたに違いない。

『ジュラシック・パーク』を全く観てないので、想像するに『ジュラシック・パーク』はディザスタームービーであって「予想だにしないところから恐竜に情け容赦ない襲われ方をして阿鼻叫喚」という映画だと信じている(違ったらごめんなさい)。単純に言えば同じスピルバーグの『ジョーズ』恐竜版。
だけれど『ジュラシック・ワールド』は、恐竜テーマパークを舞台にしたSFアクションで、人間の欲やエゴを描いた21世紀のハリウッド映画らしい作品。

そんな中、この『炎の王国』は『ワールド』の正統な続編といった印象がある。
恐竜というよりも人間のエゴによる遺伝子操作によって生を得た生物たちが、人間の危機となった存在になった今どう扱うか、という倫理的なテーマを持った映画だ。それでもエンターテイメント映画らしく、恐竜はカッコいいし可愛いし怖いし、展開もコミックっぽい。
そして、2018年のハリウッド映画らしく、完全なる娯楽作品ではなく、前作以上に遺伝子操作の是非、環境問題、死の商人の問題など現代社会への批判を含めていたりして若干骨太な内容。その分、いろいろなメッセージを詰め込みすぎて、ちょっとインテリ映画っぽくなっている感じがする。単純に親子連れやカップルでキャーキャー言える映画ではない。それを期待していくと、違う映画を観せられたという感想になるだろう(古くは『アルマゲドン』、最近だと『ベイマックス』みたいな)。

それでも、ちゃんと面白かったのは、CGやキャラクターだけでなく、設定や世界観を丁寧につくりこんでいるからで、“チャチさ”を感じさせないということは、映画において大事な要素なのだとつくづく思った。

そういうわけで「夏休み納涼映画」としての役割はほぼないが、前作を観て面白かったなら、きっと楽しめるし、考えさせられる映画。
逆に、観に行く人は前作は必見。それ次第でこの映画の面白さは半減する。
そういう意味でも正統派な2作目であることは間違いない。