ステイサムズ

「メカニック」と「メカニック ワールドミッション」を観た。
どちらもジェイソン・ステイサム主演のアクション映画だ。

ジェイソン・ステイサムの映画はハードボイルドかつ、ハッピーエンド(因果応報も含めて)ものが多く、安心して楽しめる(「パーカー」とか「セイフ」がオススメです)。
「メカニック」はずいぶん前にスカパーで観たはずだけれど、途中からの筋書きを全く覚えていなかったので、多分、出だしだけナナメ見してたんだと思う。
で、「ワールドミッション」はその続編で、なぜか僕はこれを劇場で観ようと思っていた。多分「パーカー」が面白かったから。

で、「メカニック」と「メカニック ワールドミッション」だけど、ひとことで言ってしまえば、
メカニック:なぜこの映画の続編を作ろうと思ったのか?
ワールドミッション:続編の必要性なくない?
といったところ。

「メカニック」は、なにせ主人公に共感ができない。
組織の命令で友人をターゲットとして殺害した殺し屋が、その友人の息子に同情して弟子として鍛える、という話なので、弟子に対しての複雑な思いや、殺したことがバレたときにどうするのか、という葛藤が描かれるのかと思いきや(いや、多少は描いているが)、結局友人を殺したのは組織に騙されてしまったとわかって、二人で組織のボスを倒すことに。ここまではまあいい。
だが、その後、父親殺しを知った弟子に殺されたと見せかけておいて、実は生きていて、罠をしかけて息子も殺す、という展開にちょっとモヤモヤ。
殺し屋の世界は非情である、ということなのかもしれないが、結局あなたが騙されて友人を殺さなければこうならなかったわけですよね、とツッコミたくなったのだ。「メカニック」という仇名をつけられているほど、用意周到で緻密な殺し屋なのに?!

で、続編の「ワールドミッション」は“凄腕の殺し屋”という設定を引き継いだだけなので、ならば完全新作で良かったのに、と思う。
前作はまだ、殺し方に「仕事人」的な緻密さがあったけれど、今回は銃撃戦が多くて「メカニック」感が全然なかった。映画として面白かったか、というと“まあまあ”。「ステイサム映画」らしく、悲劇になる心配はしなくてもいいけど、その中では凡庸の部類。
なので、余計「なんで続編まで作ったの?」という疑問だけが残った作品。

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