『TENET テネット』

『TENET テネット』観た。

期待に違わぬ……というか、話題になっているだけのことはあってとても面白かったし、大スクリーンで早めに観に行って良かったなと思う。

展開としては「娯楽大作」なのに、明瞭でくっきりした画とは裏腹にどことなく陰鬱な印象を受けるのはクリストファー・ノーラン監督っぽい。
とかいいながら、哲学的なメッセージが盛り込まれていたりするんだろうけれど(なんとなく台詞回しから思う)、話を追うのに精一杯で、多分僕はこの作品が描きたかったことの半分も理解できていない。
でも、いつもクリストファー・ノーランの映画見るとそんな感じを持つ。あとすごい理屈っぽいよね(良くも悪くも)。

僕はノーラン映画を『ダークナイト』で受け付けなくなってしまって(それと『プレステージ』は超駄作だと思っている)、でも『インセプション』は映像見たさに劇場で観て楽しかった(そしてこの映画のエレン・ペイジの“ブサ”可愛さは最高だった)し、それなりの数の作品を観ているものの、思い返すと観直した作品は一作もない。
でも、この映画は結末をわかった上でもう一回観ないと、完全に楽しめないような気がしている。

場面の“答え合わせ”もしたいけれど、それ以上にもう少し深く味わうことで「この映画がより好きになるか、ノーラン映画は僕に合わないのか」ということがはっきりするような気がするのだ。
なので、基本的にはパンフレット買わない派なのだが、売り切れの劇場が多いという話と、内容を理解するのに役立つと聞いたのでちゃんと買ってみた(読むのはまだこれから)。

主演のジョン・デヴィッド・ワシントンはデンゼル・ワシントンの息子なのだが、言われないと気づかないぐらいお父さんに似ていなくて、それが却って彼にとって良かったのでは、と思う。父親とは違う魅力がある俳優。
でもアクションの立ち居振る舞いとか、ふとした表情で、「似てるなー」とも思った。
僕は「デンゼル・ワシントン映画」は滅びの美学の映画だと思っているが、ジョン・デヴィッド・ワシントンは最後まで立ち続けるような映画が似合う気がする。

バディとなるロバート・パティンソンも、暗くなりがちなトーンを明るくする華やかな役者だなーと思ったし、どことなく謎めいたキャラクターを上手く演じていた。
そとヒロイン(?)のエリザベス・デベッキは僕が好きなドラマ『ナイト・マネジャー』でも、似たような役柄だったのでついついドラマのシーンを思い出してしまった(観ている途中で同一人物だと気づいた)。テレビだと「綺麗」以上の印象はなかったけれど、今回はすごく良かった(そしてやっぱり「綺麗」だった)。

難しいことを考えなければ、映像が綺麗で、大画面しかもIMAXで観ると超凄い、という感想になる。
絵空事の物語なのに、この世界と地続きになっている感じがするところが印象的な映画(だから、もう一度観て確認したいのかも)。個人的には「逆行シーン」で酔うかなーと心配したけど大丈夫だった。
IMAXで十分凄かったけれど、次は復習をしつつ、でも内容を忘れかけた頃にIMAXレーザーで観てみたい。

細かいところにケチをつけようと思えばつけられるんだけれど、そんなことを力技でねじ伏せられるぐらい面白かったので、こういうの苦手じゃない方はぜひどうぞ。

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