『アンダー・ザ・シルバーレイク』

評判が良かったので『アンダー・ザ・シルバーレイク』を見た。

評判通りの面白さ、というわけではなかったけれど、なかなか印象深いアート系の映画だった。
あと、R15+って、結構きわどいんだなぁと思いました。言動がきわどいだけじゃなくて、モザイクかかる感じの映像もあって(それも序盤に)、それからグロいっていうか残虐な感じのところもあるので、その点要注意。

内容は、夢か現実かわからないような展開をしていくんだけれど、明確な答えがでるわけではなくて、すべて見る人の解釈によるみたいなところがあります。

主人公は知り合いになったというか、一目惚れみたいな感じで近づいていい雰囲気になったけど、突然翌日に失踪してしまった女性を探して、謎というか暗号を解いていくんだけれど、なんというかジメジメした空気感の映画でしたね。
嫌いではない(むしろ好きな)タイプの作品だけども、結局何が何だかわからないというか、全てを観客に投げている感じがした。主人公の素性も謎だし(ただちょっとしたほのめかしはある)。
たくさん含まれているというハリウッド映画や芸能界へのオマージュや、舞台となっているシルバーレイクという地域性とか、そういうのがわかって見るならもっと面白いんじゃないかな(「犬殺しに気をつけろ」ってやたら言われてることだとか)。
日本人で、主人公にあんまり共感できない生き方をしてる僕としては、多分この映画の面白さを半分ぐらいしかわからないんだろう(ただ謎解きにNES=アメリカのファミコン が使われてるのとかは共感できたよ)。
フルに楽しむには映画(とくに昔の映画)についての知識がいるのかなと思うような映画ではありました。

主演のアンドリュー・ガーフィールドは角度によってはすごくかっこいいけれども、時々関根勤に見えたりもして、話に集中できなくなったりもした。でも、なかなか味のある役者さんだった。

純文学の小説を読んだみたいに、後でいろいろと思い出す感じの映画。
典型的な娯楽映画ではなくて、ふとした時にあのシーンはどうだったとか、とかこのシーンはこういう意味じゃないか、みたいなことを思い出す映画でした。単館上映系の映画が好きな友人と見たら、色々と解釈をし合えて面白いと思う。