『キャビン』

ホラー映画とパニック映画は嫌い(怖い)から見ないのだけれど、“新感覚”ホラーという触れ込みと、脚本が『アベンジャーズ』のジョス・ウィードンだったので『キャビン』を観た。

とはいえ、怖いので昼に見るという作戦をとった。それでも、目を背けてしまうシーンがあったので、まあ成功だったと思います。

公開時はいわゆる、
パーリー系の若者が田舎の別荘でウェイウェイ言わせてたら化物に襲われる・・・という典型的なB級ホラー映画と思いきや、予想を裏切る展開の連続!
という紹介をされていたように思うけれど、作品の中では、それを秘密にしているわけではなくて、裏があるということは初っ端から提示されている。
その辺りも“新感覚”なのかもしれない(改めて予告編見るとその辺明らかになってましたね)。

で、ホラー映画好きな人には、そういう意味で面白いわけではないんじゃないかなーと思う。
ホラー映画のパロディというかオマージュを入れているけれど、その後ろに大きな「何か」があるとわかって見てしまうので、化物が持つはずの「呪い」とか「恨み」みたいなものを観客は共有できない。終わりに向けて滅茶苦茶になる展開は笑えるけれど、これを「ホラー映画」というくくりにしたらホラー映画ファンに怒られそうな気がする。
「B級感」という意味では、確かにそうだけどね。

大きな目的の前では、人間の感覚は麻痺してしまうというか、その麻痺を取るための手段が酔って騒ぐことみたいなことが一番のホラーなのだな、とまさかの現代社会への批判がテーマだったりして、ジャンルフリーな映画ではあった。
観終わって神妙な気分になるとは思わなかった。

面白かったかというと微妙だけれど、気になっていたので観て良かった映画。
こういう切り口の娯楽作(でいいんだよね?)もアリと思ってみると楽しい。