Back to the roots Part1

実をいうと今年は「いかに自分らしく生きるか」というテーマを持っている。

「いかに自分らしく」というのは、結局「いかに楽しく生きるか」という根源的な、それでもずいぶんとぜいたくかつQOLを意識したテーマではあるが、「それなりに幸せではあるがいまいち楽しめていない人生」を、「幸せかつ楽しめる人生」に変えることが目標。それはできそうでできない、難しい命題である。
「自分らしさとはなにか」と考えたときに、自分の過去を振り返ってみようと思うのは至極当然のことのように思える。

そんなわけで休みを利用して、秋葉原へ行ってきた。

秋葉原は、今でも年に3~4回は行くが、高校生のときは月1回はあたりまえ、2週に1回もめずらしくないほど足繁く通った町だ。
昔の秋葉原をひとことで表せばサイバー、もしくはジャンクだったが、ある時を潮目に萌えに変わった感がある。
その変化は、メイドカフェの乱立から始まったのだろうが、僕が思うには家庭用ゲーム機が衰退し(ゲーム世代が大人になって卒業し)、またPCと家電が秋葉原以外で簡単に安く買えるようになったからだ。

僕(と友人たち)にとって秋葉原に行く目的は、いかに安いお宝ゲームソフトを見つけるか(ファミコンの「トップライダー」が980円で売っていたことがある)と、身近で買えないものを買うか(それはハイスペックPCだったり、輸入ソフトだったり)だったのだ。お金に余裕があったわけではなかったが、買うまでに至らなくてもウィンドウショッピングが楽しかった。
時代を経て、まず大型ディスカウント家電店で買えるようになり、ゲームソフトは大量に生産しなくなったせいか価格が暴落することがなくなったり(それはメーカーにはよいことだろう)、海外のめずらしいものもネットで買えるようになった。

今、秋葉原で一番目立つのは、メイドカフェ(を筆頭とした萌えビジネス)と、レトロゲーム屋と、フィギュアやUFOキャッチャーのプライズを売る店。トレーディングカードショップに、それから少々のアダルトショップ。もちろんメイン通りを一本後ろにいけば昔ながらのジャンクパーツ屋はあるけれど、大通りは上記のもので占められている。

僕が通いだした四半世紀ほど前から少しずつ街の様相が変わり、僕の好きだった秋葉原からはすっかりと変わってしまっている。
それでも、レトロゲーム屋を覗いたり、プライズショップの景品を見たりするのはわくわくするので、根本的に、僕はこういうゲームやキャラクターものが好きなんだろう。

秋葉原に降りた僕は、まず東京レジャーランドへ行った。ここは僕がもう大人になってからできたゲーセンなので、青春の思い出はないが、そこそこ空いていて遊びやすいのだ。で、WCCF(というトレーディングカードを使ったサッカーゲーム)を8クレジット分やる。となりがダーツスペースになっていて、けっこうな数の若者がダーツに興じていた(僕もダーツを“ちゃんと”やりたい)。
WCCFも最後にやったものからバージョンがあがり、ゲーム進行が昔と違ってちょっと焦った。このゲームの初代が出た16年前はゲーセン通いしたほどハマった。なので、プレイをすると自然とその頃の感覚を思い出す。

それからレトロゲームの聖地ともいえるタイトーHey(というゲーセン)にも行く。でも、レトロゲームって「上手くないとやるのが恥ずかしい」ものだ。僕は正直、どのゲームも上手いというほどの腕前がないので、上手い人のプレーを見るだけだ。「極上パロディウス」が稼働していて、これもまた4面程度しか進めないけれど、大好きなゲームなのでやりたかった(上手い人がやっていた)。それで、レトロゲームコーナーを出て、これまたかつてハマったjubeat(音ゲー)を1プレイした。
WCCFも変わっていたが、jubeatもただ、ボタンを叩いていれば良かったのが、「ボタンをホールドする」という行為が増えていたので驚いた。考えてみれば、いかにバージョンが更新されようが、10年前に出たゲームだから、なにかしら新要素が入っていないと続かない、ということだろう。
ただ、一方で新しいゲームがウケないということなのかもしれないが。

道中、ソフマップのMacだのDTMが置いてある店に入る。
昔秋葉原には、LAOXの楽器館があって、僕はそこでいろいろと物色して、DTMやMIDIに興味をもっていった。この店はもう、セミプロの方々が、決まった目的のものを買うためだけにあるようで、僕には敷居が高い。まずはどの機材が何の目的で存在していて、どうつなぐのか、そういうところから勉強し直そう。
あと、Macbook Airを売って、Proを買おうかと思っている。中古のMacbookでも良いのだろうかね。

帰りがけに、書泉ブックタワーに寄った。
かつては8階がゲーム系書籍、7階がマンガ、コミックという扱いだったと思うが、今は7階は女性向けコミック、6階が男性向けコミックというフロア分けがされていて、訪れる女性の数が増えたのだなーと思った。
サイバーな頃の秋葉原には女性はほとんどいなかった(いたら、その女性は間違いなくモテていたはずだ)。オタク文化が男性だけのものではなく、今や女性のものもすっかり定着したのだな、と書泉のフロア分けで実感したりする。

他にもガンダムカフェのガンダム焼きがなくなっていたり、僕が気に入っていた(と言っても1回しか行ったことがない)メイドバーは別の店になっていた。続くものは続くが、淘汰されるものはされてしまう。商売の原理ではあるのだろうが、なんとなくセンチメンタルにもなる。

午後いちからブラブラしているうちにすっかり夜の時間になったので、思い出の飲み屋「天狗」でひとり飲みでもしようかと思いつつ(僕はこの飲み屋のエピソードから曲を作ったのだ!)、それはまた次回のためにとっておくことにしよう。

今回、自分のオタクっぽい性質に改めて向き合えた気がする。何が好きで何が好きでないか、がわかってきた。
それを自分の今後の人生にどう活かすか。
とにかく自分の過去を見つめ直す旅はこうして始まった。(つづく)

『エクス・マキナ』

ケーブルテレビで放送された『エクス・マキナ』を観た。

この映画は観たいような、でも自分の苦手なタイプのようなで、録画していたものをしばらく放置していたのだけれど、気になったままだと心身に良くないので意を決して観た(それほどのものじゃないか)。
で、予想は半分当たり、半分ハズレ。苦手とまではいかないが、好きなタイプではなかった。
ひとことで言えば「マッドサイエンティスト VS 人工知能」で、さあアナタはどちらにつくか?という展開。

オチは観てください。

とにかくAI役のアリシア・ヴィキャンデルが可愛くて、そりゃあ惚れるだろうと。美人で知的で純粋で無垢。
惚れる要素満載で作られているのだから、主人公だけでなく、映画を観てる男性が彼女(といっていいのかね)を「好ましく思う」のは当たり前だし、それはズルい。
映画の中で、なぜAIが女性型アンドロイドでなければいけないのか、というエクスキューズは一応あるが、作品としては「そうでないと話が進まないから」ということだ。

二次元キャラへの恋愛の警鐘なのかなーと思ったりもするが、それは特に語られない。
というか、AI含め、遺伝子操作などの人類の、神の真似事への警鐘が、この映画の根底にはあるのだろうと思う。ちょっと危ぶみすぎな気もするけれどね。

でも、この映画を見終わって思うのだ。
たとえばSNSで個人として存在しているアカウントは本当に個人なのか。
もっと言えば、教えてもらったLINEのやりとりは本当に“その本人”がやっているのか。本当はSiriがやっているんじゃないのか。
僕らは毎日、そうやってチューリングテストをさせられているんじゃないだろうか。

そんな、ゲシュタルト崩壊をちょっと起こす作品。
まあ、基本、信じていきましょう。

ちなみにこのブログは100%本人が書いています。
(AIのほうがもっとカッコいい文章書けるはずだ)

アジアカップ準決勝 VS イラン

イランは強かったよね。

とはいえ、僕が観たのはベトナム戦だけだから、「ベトナムに比べて」の印象でしかないけれど。
前半、当たり負けしていたシーンが多かったし、イランのほうが得点の匂いがしていた。それをしのぎきってから、20番のFWに繋ぐという相手のパターンを封じたことが勝因だろう。富安っていいDFですね。

一方、スコアほどの完勝とは思えない。
1-0のときはまだ試合になっていたが、2-0になった後は、リードされている側の焦りから、相手のプレーが雑だったので助かった。
かつて、日本が逆にそういう状況になったのを何度も見ているから、今や、対戦相手が日本戦でそうなる、ということに時の流れと日本の強化を感じる。
もっとも、そうなってしまうのは、イランもまだ「アジアレベル」ということなんだろう。

それと、日本はDFとキーパーがベトナム戦に続いて危ういミスをしていたが、ああいうシーンで得点されないラッキーが、長い目で見て本当にラッキーなことなのか疑問だ。
どこかで一度得点されて、痛い目にあっておいたほうが、将来的には良いような気もする(だってしょっちゅう見るんだもん)。

とにかく、色々不安要素はあるが決勝に進んだ。
結果が出てしまうと、反省点がぼやけてしまうのは問題だけれど、やっぱりなんだかんだで優勝してほしい。

ニュー・ヘアー

意を決して新しい美容室へ行ってみた。

HotPepperで検索して色々悩んだ結果、こじんまりとしていて、店内の写真がトラディショナルな(あまり洒落すぎてない)ところを選んでみた。
それから以前行っていたところより少し値段が高いところにしてみた。友人にどのくらいの値段のところへ行っているか聞いたら、僕のよりずっと高額だったので、今まで納得いく出来にならなかったのをコストの問題と考えてみたのだ。
とはいえ、超高いわけでもなくプラス1000円ぐらいだけれど。

会社帰りに行ったのだが、緊張のせいかお腹が痛くなったり、万全な体調ではなかった。
でも、ここで気づいたのだ。
僕も緊張しているけれど、店員さんのほうがよほど緊張しているはずなのだ。だって、僕はお客様。店の方は、ここで僕に気に入ってもらえてリピーターになってもらわなければ一人見込み客を失うわけだ。だって、次に来ないお客さんはよっぽどのことがなければ二度とその店を使わないだろうから。
そう考えたら、少し気が収まって(お腹痛も)時間どおりに無事、目的の美容室に到着。

で、新規のお客さんなので、カット前にカウンセリングをしてくれた。髪質や気になるところなどを聞き取って、ヘアカタログも参照しながら、どんな髪型にするかの希望を聞いてくれるのだ。多分実質5分くらいなんだろうけど、緊張して15分ぐらいに感じた。
それをもとに手際よく切ってくれて、切るか切るまいか迷ったときはこちらに意見を聞いてくれ、とても感じがよかった。
おまけに眉ぞりもついていたし、途中にお茶のサービスもあった。

そういう、昔ならついてなかったサービスを受けると、美容師さんって大変だなーとしみじみ思う。だって競合他社はたくさんあるし、ちょっと気に入らなくなったり、他に良い店ができたら、そのお客さんはもう来なくなっちゃうわけだ。多分すごい気を使ってるんだろうと思った。

そんなわけで、カウンセリングを経た髪型は、すっきりしていながら「おっさん感」が低く、店員さんの感じも含めて、僕の中で合格点だったので、もう一回そこに行こうと思っている。
男っぷりもきっとあがっただろう。

と思って、今日、同僚にその話をしたら「あんまり前と変わらない」とのこと。

これはなんでしょうね。僕の資質の問題?

なら1000円カットでいいじゃん(いや、まだ美容院でねばりますよ!)。

ニセトリキ

僕の友達はひとりで鳥貴族へ行くらしい。

ツイッターで、オススメメニューを披露していてそれを見たら、僕もひとり鳥貴族をしたくなってきた。

僕はひとり居酒屋というのを1回だけしたことがあるが、そんなに楽しめなかった。手持ち無沙汰感が強いからだと思う。ひとり呑みをするんだったら家だよなーと思う。
今日は「ひとり鳥貴族」をするチャンスだったし(日曜は比較的飲み屋は空いていそうだから)、気分的には外呑みをしたかったけれど、結局いまひとつ決意を持てず、でも焼き鳥が食べたくなったので、クイーンズ伊勢丹で焼き鳥を買ってきて家呑みをした。トリキっぽいメニューだ。

クイーンズ伊勢丹の焼き鳥はけっこう美味しかった。さすが「高級スーパー」(でいいんだよね?)だなーと思う。
で、塩1本、タレ6本で晩酌をして、けっこう満足してしまった。

でも、近いうちにひとり鳥貴族はやっておこうと思ったりもする。
なんとなく、そこにロマンを感じるからだ。

それは、ひとつおっさんになった、ということなのだろうか。

全豪オープン決勝を観た

大坂なおみが全豪オープン優勝。
その瞬間をテレビで観ていた。

いろいろと感慨深いものがあるが、単純に“日本人が世界ナンバーワン”ということじゃなくて、一人の人間のこれまでの成果が、ひとつ結実した瞬間というのはやはり胸を打つ。
さほどテニスに詳しくない(というかほとんどニワカな)僕でも、本当に感動した。

世界で一番になる、ということはどんな気分なんだろうか。

それから、大坂選手も、決勝の相手だったクビトバ選手も、お互いに敬意を払っている姿がとても素敵だな、と思う。
同じテニスという競技で、しのぎを削る相手に対する思いが素直に伝わってきて心地よい。

スポーツを観戦する上で、安易に「感動をもらった」とか言いたくない質ではあるが(あまのじゃく)、今回は素直に感動をもらった。

そして、テニスゲームが無償にしたくなった。
「マリオテニス」も良いけれど、実名選手(大坂なおみや錦織とか)が出てる奴がすごくやりたい。
検索したけど、それはないみたいだ。昔はヒンギスとかシャラポワとかが出てるテニスゲームがあったと思うけれど。
コナミあたりが頑張って出してください。

とにかく大坂選手、おめでとうございます!

アジアカップ VS ベトナム

久しぶりにサッカー日本代表の試合を“ちゃんと”観た。

ベトナムにはU-23の世代で去年負けているそうだが、間違いなく格下なんだろう。実力的には1-0という結果以上の差があったと思う。
ただ、それでもカウンターからのワンチャンスを狙える状況が何度かあったし、10番の選手が上手かったのはわかった。
それと、1本のロングスルーパスでカウンターを狙うスタイルが、かつての日本代表を見ているようで好感が持てた。

僕が“ちゃんと”観ていた頃(だいたい2010年くらいまで)に比べて、トラップの技術と、前へボールをつなぐ意識が高くなっていて、日本はきちんと強くなっているんだなーと納得(それは「海外で活躍する選手が多くなった」という字面だけでは伝わらない情報だったりする)。

変わってないなーと思ったのは、緩急のつけ方が甘いところ。ペースが単調で、相手に攻撃を読まれてしまっていた。
解説の松木さんが、聞き飽きるほど「ドリブル、ドリブル」と言っていたように(ドリブルすればいいというわけではないが)、攻撃のリズムを変える動きが最後までなかった気がする(選手交代をしても、だ)。

それでも勝ててしまったことが、不安材料でもある。

とはいえ、観戦は楽しめたし、松木節も今回は(今回は?)的を射ていたので気にならなかったし(まあ、あれは副音声だと思って楽しむものなんだろうな)、次の試合は月曜23時からなので、これも観る。
ぜひ決勝まで勝ち上がってほしい。

片付けと不買運動

年末に人を呼べたのが嘘のように、部屋が散らかっている。

所有物が多いのも一因だろうが、衣類、読む本、ノートなど、日頃使っているものが、気がつくと山積みになってしまっている感じだ。
そのせいか、今日は久しぶりに片付けをしたものの、あまり片づいた感がない。

片付けたり、模様替えをしても変化が感じられなくなると、なんとなく、もう引っ越そうかなーとも思ったりするが、今の部屋に不満があるわけではない。結局はマンネリをどう打破するか、ということなんだろう。
断捨離、とか、ミニマリスト、とかいう言葉が流行りつつあるが、僕には合わないっぽいので、自分なりの片付け法と、過ごしやすい環境づくりを編み出さなければならない。

その第一歩として、とりあえず本を買うのをしばらくストップしている。
それはAmazon primeを始めて、kindle unlimitedが使えるようになったのも理由ではあるけれど。
kindle unlimited、すごく良い。使っていなかったiPadを常に持ち歩くようになった。どちらかと言うと「紙の本派」ではある僕でも、無料(primeの月会費はかかるが)だし、けっこう読みたい本があるのが魅力的だ。

とはいえ、そっちの本ばかり読んでしまって、今積ん読になっているのを読まないので、部屋は片付かないままなのが問題ではある。
計画的な読書が必要だ。

このペースで部屋が片付くのはいつのことになるのだろうか(そう言いながら3年が経とうとしている)。

買うタイミング

ダイエットがはかどらない。

その理由の一つに「お菓子を食べてしまう」というのがある。つまり「間食」だ。
スナックはあまり食べないのだけれど、甘い物、とくにチョコレートを常に欲してしまうのだ。板チョコとか、1/3だけ食べようと思って、気がつくと全部食べていることもしょっちゅうある。あれはなんでしょうかね。魔法?(ただの不摂生)
とはいえ、あまり禁欲的なダイエットは続かないとも言うから、チョコレートをまるっきり禁止するのではなく、美味しい(専門店の)チョコレートを、ちょっとだけ食べる、という方針を立てた。

昨日、仕事関連で後楽園に行ったのだが、確かラクーアの中にリンツが入っているはずだ、と帰りに覗いてみた(リンツは駅方面の入口のところにあるが、反対側にはゴディバがあった。さほど広くない1フロアにチョコ専門店が2軒あるのにちょっと驚く。後楽園の人はチョコ好きか?)。

自分で食べるだけなので、包装はどうでもよいから中身が多い1000円程度のものを物色していたら、さすがに人にあげる用途の方が多いのだろう、綺麗な包装のプレゼントものが多数を占めていた。
リンツのチョコは板チョコを数回食べただけなので、どれが良いかと迷いながら、いかにもプレゼント用という商品を見ていたら、店員さんが寄ってきて
「このケースには、上にグリーティングメッセージのカバーが掛けられて…」という説明をしてくれたのだ。

ここで、はたと気がついたのだけれど、今の時期はチョコレート店にとって最大のイベント中だった。

そう、バレンタインだ。

ということは、僕はここにプレゼント用を探しにきている、それはつまりバレンタイン、そしてそれは僕がバレンタインデーに誰か男性に「チョコレートをあげる側」と思われている(ここまで1秒)。
いやいや、僕はそういうんじゃないから。勘違いされてるとしたら困るなー(ここで1秒)。

で、3秒後に出たセリフが
「いや、自分用なんで…」(健さんの「自分、不器用ですから」と同じトーン)

そのセリフで、世界を1秒止める特殊能力が発動してしまったのだけれど、1秒後に店員さんも「あ、そうですか…」と、苦笑いをして離れていってしまった。

考えてみたら、今はバレンタインに男性が女性にチョコレートを送ることもあるというし、単純にそれ以外の贈り物として探していると思われてたのかもしれない。
それに対して「自分用なんで…」っていうのは、かえって“ぼっち感”と、「こいつ関わらないほうがいいタイプだ」と思わせたんじゃないかなーと、逆にいたたまれない気持ちになってしまった(自意識過剰)。
なんかもう、そういう感じなので、とりあえず目の前にあったギフト用のを2箱買って帰った(1箱はメッセージカバーがつけられる奴だ)。
この時期にチョコレート専門店で、男性がチョコを買うというのは、少し「覚悟」が必要なのかもしれない。

そうして買ったリンツのチョコレートだけれど、まあ、予想通りというか、普段買いのチョコレートよりも断然美味しい。
あまりに美味しいので、もう半分食べてしまった。

ダイエットがはかどらない。

『人魚姫』

シャウ・シンチーが監督した『人魚姫』(2016)を観た。

当時、劇場に観に行こうかと思いつつ、その前に観た『西遊記〜はじまりのはじまり〜』が面白かったけれど、けっこう細かい描写がエグかったので、スルーしてしまったのだった。それから2年経ってケーブルテレビで観た。

話は単純で、お金のためなら環境破壊も気にしない大富豪と、それを阻止するために刺客(ハニートラップ)として送り込まれた人魚の恋を描いているのだけれど、どこかマヌケでシュールな感じは一連のシャウ・シンチー映画っぽい。話は深刻なのに、どことなく牧歌的なのでユルく観れる。
環境破壊や行き過ぎた資本主義に警鐘を鳴らしているようで、それをひとつの題材としてラブコメディにしているあたりが押し付けがましくなくて良いし、純粋(というか素朴)な二人の愛情を前にすると、そういうメッセージ性を別にして、二人の恋を応援したくなる。
概ね大団円なところも楽しい。

自分のやってきたことが、多くの人(今回の場合は人魚だが)に悪影響を与えていることに、ヒロインと出会ったことで初めて気づき、自分のこれまでの行いを見直す展開は『アイアンマン』を思い出すし、それからの主人公の行動には胸が熱くなった。
あと、主役二人が愛すべきキャラクターでとても良かった。

笑って楽しんで、ちょっと社会問題を考える契機にもなる、という点からすると、けっこう映画として「王道」なんじゃないかなと思ったりした、愛すべき作品。