凡作

綾瀬はるかつながりで『本能寺ホテル』を観た。

これははっきりいってシナリオ、というかストーリーが凡庸すぎる。
結局、これは綾瀬はるか演じる主人公の「自分探し話」なのだけれど、これは別に本能寺の変や信長を出さなくても成立した話だし、わざわざタイムスリップしてまで本能寺の変を関わらせる必要性がない。

キャストが魅力的で、カメオ出演の人たちまで豪華、ただそれだけが売りの映画。フジテレビの映画オリジナル脚本ってこういうの多いかも(といっても頭に浮かぶのは『スペーストラベラーズ』だけだが)。

途中、全く無意味な舞台っぽい演出が一瞬でてきて、後で何かの伏線なのかと思ったら、本当に独立した一発芸みたいな演出だったのも謎。
同じ予算、同じキャストで別の映画撮ったほうが絶対に良かっただろう。まあ、そういう謎作が出てくるのが映画業界なんだろう。

万城目学が脚本を書くつもりで2年かけたのにボツになった、というのがこの映画だとしたら(というかもうほぼこれで決まりだが)、本能寺の変と京都舞台で、何か作らなければいけない流れがあったのかもしれない。
でも結局、万城目学はこの映画に関わらなくて大成功だったと思う。実際、万城目感ゼロだったし、面白くないというのがなんともね。
予告編と、この万城目学騒動がこの映画の一番の盛り上がりだったのかもしれない。

綾瀬はるかは可愛い。可愛いが、使われ方が「天然ボケキャラ」に固定されてて、でもそこも突き抜けてないので、ささいな勘違いが大騒動に発展していくような「ズレ」を笑いにしたコメディに出るのを見たいなーと思う(そういうのすでに出てますかね)。
長澤まさみと共演したら絶対観に行く(最近見たドラマに影響されすぎ)。