『アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜』

ポスターやタイトルからして、僕はこの映画はきっと甘酸っぱい恋愛映画なんだろうなーと思って、見たいような観たくないような思いでずっとスルーしていた。

わりとその予感はあたっていたのだけれど、すごい面白い映画だった。観ておいてよかった。甘酸っぱいけれど(前半が特に)、心地よい映画。

主人公が「タイムトラベル」というものすごい能力を持ちながら、善人で良かったなーと思う。
結果のわかっている株やギャンブルで大金を稼ぐ、というえげつないことに使う発想はなく、「ちょっとあのひとことを言わなければ良かった」とか「あそこにいかなければよかった」というのをやり直すことにだけ使い、自分と自分の大切な人々がより良くなる(それもズルっぽくない程度に)ために、ちょっとした失敗をやり直す程度にとどめているのが良い。
そして、その「善きこと」をしたせいで自分がピンチになるんだけれど、それでもギリギリまで能力を使わずになんとかしようとするところも、滑稽だけれどカッコいい。

自分が運命の女性だとわかったメアリーとどうやっても一緒になろう、しかも、彼女の気を引こうというところも可愛らしい。すごく恋愛をしたくなる。
そして主人公が歳を重ねるうちに、自分の大事なものが、恋愛から家族そして人生という大きなものに変化していく様が描かれていて、素敵な作品。

あと、とにかくレイチェル・マクアダムスが可愛い。
『シャーロック・ホームズ』でも『ミッドナイト・イン・パリ』でも可愛かったけれど、ちょっと鈍くさいけれど知的で美人という役柄が特に良く似合っていた。惚れるよ。

この映画のようにやり直しはできないけれど、それでも、毎日真剣に人生やっていきたいよね、としみじみ思う。