帰る道すがら、ポケモンGOをやっていた。
といっても、卵をかえす距離を稼ぎつつ、身近なポケモンを捕まえるだけの「いつもの作業」なのだが、デイリーミッションの中に「レベル3以上のレイドバトルに勝つ」というのがあり、ちょうど帰り道途中のジムでレベル3のレイド(エビワラー)が始まっていたので、ひとりで倒せるかはわからないけど、とりあえず立ち寄ることにした。
ジムをロックオンできるくらいに近寄った時に、親子連れとすれ違った。その時、息子さんが僕のスマホを横目で見たらしく、一旦すれ違いながら、僕を追いかけてきたのだ。イヤフォンをしていて聞き取れなかったのだけれど、どうやらレイドバトルするなら一緒にやってほしいとのこと。その後、お父さんから「もし良かったら一緒にやってくれませんか」と依頼を受ける。小学3年くらいの息子さんはレベル29だったけれどあまり強いポケモンを持っていないらしく、聞けば、4回ひとりでレイドバトルに挑んだものの、未だ勝てずにいたらしい。
そんなわけで、噂には聞いていたものの、僕自身初となる、その場で知り合った人との共闘が行われることになった。
僕自身もレベル34だし腕ききトレーナーとは言えないのだが、幸いレベル3のレイドバトルに勝てる程度の実力はあったので、難なく二人でエビワラーを撃破。
あとは、彼がちゃんとエビワラーをゲットしてくれることを祈るばかりだったが、これまたあっさりと1発でゲットしてくれた。
「おおー!すごい!やったね‼︎」と自分のことのように嬉しかったのと同じくらい、ホッとしたのも事実。少年(とお父さん)の期待に応えられて良かった。
お父さんのしつけの良さも感じたし、こういう良い出会いができるツールとして、ポケモンGO作った人に敬意を抱いたりもする。きっと、ようやくゲットできてお父さんも安心しただろうし、少年も頑張った甲斐があったろう。
で、その二人と別れたあと、ふと思ったのだけれど、少年の年齢からして、その“お父さん”は間違いなく僕より年下だろうし、ひとりでポケモンGOやってるおっさんである僕は、いったい彼らにどう映ったのだろうか。
バトルには勝ったが何か釈然としない、そんな夜の出来事だった。