推し誕と読書とその他もろもろ

今日8月28日は推しの誕生日(今年3度目)。

TrySailのメンバー雨宮天の誕生日だ。
僕をTrySailファンの道へ引きずり込んだ誘ってくださった江戸川台ルーペは、最初は彼女のファンになったという。そういう点で、この人がいなかったら自分の趣味もだいぶ変わっていたはずだ。
もしそうなら、サイリウムを振る系ライブの楽しさもわからなかったわけで、今の僕を構成するものはすべてこの人から始まっているわけである(大袈裟)。

デビューしてからいろんなことがあったでしょうし、活動が軌道に乗って、ここからさらに上へ!という時にコロナ禍に見舞われ、ネガティブが顔を出す日もあるでしょうけれど、これからも皆の憧れる雨宮天でいてください。
応援しております。Happy Birthday!

で、今日は引きこもってとことん本を読んだ。読んだ順にちょっと感想。

まず『セゾン 堤清二が見た未来』。
「セゾン文化」をつくった経営者 堤清二の功績を追ったビジネス書。
糸井重里が帯文を書いているので、やや読む気が出なかったのだけれど(完全に好き嫌いだ)、堤清二礼賛というわけでなく、その業績の成功と失敗をフラットに書いていて面白かった。
僕は堤のもうひとつの顔である辻井喬の『叙情と闘争』を以前読んでいて、三島由紀夫と親しくするなど、経営者ながら文化的な側面を持っている点に好感を持っていた。やや飽きっぽい性格だったのか、軌道に乗った事業には興味を失う傾向があり、そのあたりも作家っぽくて良いなと思う。周りは大変だったろうけどね。

それから江戸川台ルーペからもらった『女の人を怒らせない技術』。
20ページぐらい読んで以降は、ナナメ読みで最後まで一気に読んだ。
なんというか、「しゃらくせえ」という感想しかない。

その後、途中で読み止まっていた『熊本くんの本棚』を読み切った。
カクヨムで読んで衝撃を受けた小説だったけれど、その時には読み流してしまった部分がけっこうあって、せっかく紙の本になったのだからと、付箋を貼りながら読んだ。
書籍版には第5章が加わっていて、これはオマケというかアナザーストーリーみたいなものかと思っていたのだが、とんでもない。この章が加わったからこそ“本”としての『熊本くんの本棚』が完成した気がした。いろいろな意味で収まりが良かった。
重い話ではあるけれど、人生を突き抜けられない誰かの後押しになるような小説のようにも思う(それは僕にも当てはまる)。改めて面白かった。

もう一冊、『やさしい三国志』を読んだ。
「緊急事態宣言中に三国志にチャレンジ」というのが成し遂げられていなかったので、まずは入門書みたいなこの本を読んでみた。これでだいたいの流れはわかったので、次は小説家か漫画で読んでみたい。小説なら、北方謙三版が気になる。

そんなわけで夕方まで読書にふけったあとネットみたら、安倍首相辞任の意向と出ていた。じゃあオリ○ピックはないってことかな?

その他、内海桂子師匠が亡くなったりと情報量が多かった日。願わくば明るい情報が多くなりますように。

さて、明日はTrySailのオンラインライブだ。
楽しむために体調を整えて寝るー。

昨日の今日で

とにかく暑い日だった。

朝、仕事に出かけるだけでも体力をだいぶ持っていかれて、フラフラだった。
暑さはいつまで続くのやら(まだまだだよなー)。完全に10年前の「暑い」とレベルが違っているよね。

昨日、10冊並行して読書するとか大見得きったのに、昨日今日で読んだページ数がゼロという、なんというか有言不実行もここまでくると清々しい。いや、このブログ書いたら読むけどね(子供みたいな言い訳)。
改めて自分の選んだ10冊を見直すと、どうも「エース」がない感じがする。ジャンプで言えば「ドラゴンボール」、サンデーで言えば「コナン」みたいな奴だ(例えが漫画で微妙に古くてごめんなさい)。
どれも気になって買った本や、友人がおすすめしてくれた本なんだけど、どれもいぶし銀で「2番セカンド」的なラインナップだ(途端に野球で例えるというね)。
でも、とりあえず、全部1ページ読んでみることから始めよう。

僕はまだスタートラインにすら立っていないのだ。

暑すぎて、自分でもちょっと何書いてるかわかんない状態だが、とにかく読書して寝る。こんなときは睡眠が一番だろう。

世間は今日でお盆休みが終わりらしいので、明日からまた電車混むかな。
とにかく色々気をつけていきましょう。

並行読書

積ん読解消のために、本を並行して読むことにする。

江戸川台ルーペのツイートで知った灰谷魚さんの「20冊並行する読書法」を読んだからだ。

「わたくしの読書」
https://note.com/haitani/n/na1e271ff7cda

雑誌のように、もっといえば「週刊少年ジャンプ」のように連載されている作品をひととおりザラっと読む感覚で読書するススメを書いているのだ。この感じは目からウロコ。
僕は今まで「本は1冊読み終えるまで他の本にいくのは邪道」というスタンスだったけど、この感覚を教えられると、確かに複数冊同時進行で読むことも悪いことには思わないし、抵抗感が下がる。どの本がどんな内容が書いてあったのか忘れがちになる気もするが、かつてはジャンプを読んでいた時、翌週にそれぞれのストーリーが混同することはなかったのだから、大丈夫なはずだ。

とはいえ、今の僕では20冊読んだら絶対に内容が混同するだろうから(老いだよね)、まず10冊選んでみる。
この際、テキスト的なものも入れて良いのだろうか。
僕は一生英語を勉強し続けるんだろうなー、というぐらい英語の勉強が終わらない。もう学ぶことが目的化していて、常に参考書が10冊程度あるのだが、これも連載陣に加えていいのかな?
あと、最近友人から貰ったり、物々交換したりした本もあり、これは自分では買わない本を読むという面白さはあるものの、どうしても優先順位が低くなりがち(「好きなあの子が読んでる本」というのならまた話は違うんだろうが、残念ながらそういうシチュエーションで手にした本ではない)。

そんなわけで、家にある本でまず10冊ラインナップしてみた。別に知られてマズイ本はないが、あえて題名は書かないでおく。
でも英語のテキストや、音楽(主にDAW)の本といった参考書系はここには加えなかった。音源を聴きながらとか、実際にPC立ち上げながら、とかが必要な内容が多く、「読む」という行為に足かせができてしまうと思ったからだ。

選んだジャンルとしては実用書3冊、ビジネス本が2冊、ノンフィクション2冊、小説3冊とバランスはなかなか良い。
で、ラインナップ組んで気づいたんだけど、このうち7冊はすでに読み始めていて途中で止まっているものなのだ。
つまり、僕は端から並行して本を読んでいたのだ。
……っていうか読了までに挫折してる本がそれだけあるということだな。でも「いつか最後まで読み切りたい」と思っているから残してあるので、意識して並行して読めば、いつかは読了できるのではないかと思う。

そんなわけで、明日から並行読書を始めたい。
「今日からじゃないの?!」という声もあるだろうが、今日は連載陣を決めただけで時間切れなのだ(ヘタレ)。

『ルーザーズ』という映画を観た(映画観る時間はあるじゃねえか)。
DCコミックスが原作の『特攻野郎Aチーム』っぽい感じの筋書き。クリス・エヴァンスやイドリス・エルバなど登場キャラクターの個性がみんな良くて面白かった。テレビ映画っぽい軽さもまた良かった。
続編がありそうな終わり方は「あわよくば」だったんだろうけど、前述の2人はその後ギャラが跳ね上がっちゃっただろうから無理だろうなー。
そんな内容もさることながら、この映画を録画していたのがなんと4年前!
4年間もHDDで眠っていたっていうのが我ながら呆れる(まさに発掘作業だ)。
そういう映画がまだ100本以上あるので、これもひとつひとつ観ていこう(本と違って同時進行できないからなー)。

さて、今日も暑かった。
明日もバテないよう気をつけましょう。

やる気のでない後半戦スタート

やる気でないデー。

それでも午前中、ランニングはした。前2回走ったのと全然違うコースをグーグルマップで物色して、市内を走った。
美味しそうな石窯パンの店や、ジャンクなホビーが並んだ怪しい店を見つけたりでき、街中を走るのはこういう楽しみがあるなーと思った(パン屋は今度行ってみる)。

午後は駅前に買い出ししがてら本屋へ寄ったら、『奇譚蒐集録〜北の大地のイコンヌプ〜』の表紙の絵がすごい好みで「ジャケ買い」してしまった。前作もあるみたいだが、とにかく表紙に惹かれたし、単独でも大丈夫そうなので縁だと思って読んでみる(あらすじ読んで面白そうだったしね)。
それと同じように『増山超能力師大戦争』も表紙が素敵で、これは始めから読んだほうが良い感じがしたので、『増山超能力師事務所』を買った。誉田哲也は『ストロベリーナイト』を読んだ時になかなかページが進まなかった覚えがあるが、第1話はすいすい読めた。話も面白い。基本、キャラのたった物語が好きなのだ。

ダラダラとしているうちに夜になり、『ブロークンシティ』観て、今日はおしまい。
硬派な、それでもやっぱり「マーク・ウォールバーグもの」で面白かった。

やる気がでないことの一因は、まあ、やっぱり感染者が増えていることだけれど、その不安を言い訳にしちゃいけない。
自分が元気でいるうちはやるべきことをやらねば。

明日から仕切り直して頑張ります。

タクジでヨイシースー

仕事疲れに適応してきた。

……という幻想を見ている気もする。
だから、今日はもう帰宅するなり、買ってきたお寿司(先週買ったやつよりちょっとだけいい奴)を食べながら、ビールを(第3の、だけどな)飲んでしまった。
街は昨日に続いて急激に人が多くなった気がするが、自分のそのうちの一人だからなー。なんともいえない。
そんなこんなで日曜を乗り越える。

映画監督の押井守の本『凡人として生きるということ』(幻冬舎新書 2008年)を読んだ。
押井監督が自身を「凡人」って言ってしまうと、凡人のハードルがあがっちゃうよねーと思いながらも、やっぱり独特の視点でのものの見方で物事を切っていてとても面白かった。同意できない部分も当然あるけど、そこがまた“押井節”なのかもしれない。

天才の身でない我々は、情熱を持ち続けることしか、この世を渡っていく術がないのだ。
(中略)
自分の美学と情熱があれば、富と名誉に煩わされることなく生きていける。

情熱かー(そして美学かー)。
自分は、どっちも中途半端な気がするので、きちんと情熱と美学を持って生きよう(って、言って満足してしまうタイプの人間)。

そんなことを思いつつ、まずは明日の仕事に全力投球。
あと1日、なんとか乗り切るよー。

半日読書

昨夜は1時半まで読書していた。

WILD TURKEYを飲みながら(しかも8年だよ!贅沢!)、読みかけだった『ファクトフルネス』を読み終えて、それから太宰治の『斜陽』を読んだ。
ここ2年ぐらいで気づいたのだけれど、僕は読むのが平均より遅いようだ(いまさらかよ)。あと、読んでいる途中で別のこと考えたりしちゃって、その部分を読み返したりするのも遅読の原因だと思う。
『斜陽』を読んでいる時は、比較的そういうことがなく、集中して読めたものの、それでも昨夜は半分までしか読み切れず、今日の午後に残りを読んだ。

太宰治の小説と言えば、『走れメロス』と『富嶽百景』を“教科書で”読んだだけだったので、女性視点一人称で書かれていることにやや面食らった(そんなレベルの読み手です)。
でもすごく面白かったし、太宰の他の小説はもちろん、チェーホフの『桜の園』も読んでみたくなった(『斜陽』を読んだのは、『熊本くんの本棚』の書籍版を読む前に読んでおこうと思ったからなのだが、それもまた同じ感覚だろう)。

あと、新潮文庫版で読んだのだけれど、「現なま」とか「助平」という言葉にまで注釈がついていて、どういう人を読む対象にしているのだろうとふと思った。
読書感想文を書く中高生向けなのか、はたまた、もう現代ではそういう言葉を使わなくなってきているのか。自分の言語感覚もアップデートしないといけないのかもしれないね。

他に、積ん読だった『アド・アストラ スキピオとハンニバル』も3巻途中まで読んだ。
ハンニバル戦記を題材にした漫画で、すでに13巻で完結しているので、最後まで読んで、それから『ローマ人の物語 ハンニバル戦記』を読み直そうと思う。
この漫画で描かれるハンニバル像と、スキピオ・アフリカヌス像は、自分の思い描くものとは違うけれど、これはこれで面白い。
読み切ってから感想を書きたい。

それから、人生初、独りでカレーを作ったり、ベタなRPGをしたくて『FINAL FANTASY Ⅻ THE ZODIAC AGE』を買ってきたのだが、その話はまた明日(まだ食べてないし、遊んでないのだ)。

読書すると、休みが充実した気がする。
それはそれで良い傾向かも。

積ん読解消開始

『スポットライト 世紀のスクープ』観た。

隠蔽された大きな事件に立ち向かう新聞記者たちの話。面白かった。
“正義”って難しいけど、今の社会にも「スポットライト班」みたいな人たちがいてくれることを信じてみたい。

出勤日だけど、日々の課題はクリアした。
意志があればできるもんだなあと思う。

あとは、積ん読を少しでも減らそうと読書に励む。
読み切る(もしくは読むのを諦める)まで、その時買わないと二度と会えなさそうな“よっぽど”の本以外は買わないことにした。
良いペースで読み切るとしても1カ月は優にかかりそうだから、実際は2カ月ぐらい見ておこう。ほとんどが実用書でページが多いし、自分の読むスピードは早くないのだけれど、1ページずつコツコツとね。
とにかくネットを見る時間減らして(ここ大事)、ガシガシ読みましょう。

『文学性の女』という小説について

カクヨムという小説投稿サイトで、現在「第5回カクヨムWeb小説コンテスト」が行われている。

そこに友人であり、僕がファンでもある江戸川台ルーペが『文学性の女』という小説を応募している。
このコンテストは読者選考があるのだけれど、その選考期間が明日、2/7(金)までなのだ。そこで、ぜひこの小説を1話だけでも読んでほしいと思って、このブログで宣伝している。

2年前に、彼の長編前作『空気の中に変なものを』についてのブログでも書いたように、心を掴む文章を書く人だし、エンタメ的な展開を純文学的なテイストでストーリーテリングをする人なので、小説好きなら読むのが楽しい作品だと思う。
中でも最新作の『文学性の女』はバランスが良く、多くの人が(中でもプロ、アマチュア問わず“ものづくり”をしている人が)共感できる作品だ。
とはいえ、好き嫌いはあるので、誰が読んでも面白い、なんてことは言えないし、ショッキングな描写もややあるので、まずは1話か2話読んで、合いそうだったら読み進めてほしい。

と、いうのは、江戸川台ルーペのファンとして、読者選考を突破して、この作品をプロの編集者に読んでほしいと思うからだ。
あとは、中間選考まで残れば、鳥貴族で1回おごってもらえるだろうというリアフレならではの魂胆もあるけれどね(さらに大賞とったら焼肉だよね!)。

もちろん結果はどうあれ、彼は他人の評価関係なく、小説を書き続けるだろうけれど、彼の小説を好きという人が増えたら、とても嬉しい。

ちなみに、僕のレビューも書いたので、ご参考まで。
「普通に生きることの難しさ」(文学性の女)

というわけで、読者選考期間は今日、明日まで。
スマホで読めるので、ぜひ1話だけでも読んでみてくださいませ。

ブログカクヨム

オフ。

思った以上に週末の疲れが残っていて、予定の時刻より30分遅く起床。
それでも、頑張ってジム行った(偉い)。
ギターも10分練習した(これも偉い)。

痩せるためには、痩せるためのプロセスを経なければいけないし、演奏が上手くなるには、演奏を続けなければいけない。
すぐに効果は現れないけれど(体重は変わらないし、バレーコードはカスる)、ひと月後にはマシになっていると信じてやろう。

カクヨムに、江戸川台ルーペの小説『空気の中に変なものを』のレビューを書いた。
この作品を多くの人に読んでもらいたいという気持ちのほかに、カクヨムコン(文芸キャラクター部門)に応募しているそうなので応援の意味も込めて。

以前、ブログにも書いたのでそれを参考にしながら…とコピペして補足するように書き始めたのだけれど、途中でどうにも違和感を覚えた。

なんか、そのレビューにはやっぱり私的なことがたくさん含まれているのだ。

僕のブログを読んでくれる人(そう、そこのあなた!アリガトー!)は、僕という人間を少なからず知っている人だと思っている。
「C級ワインレビュー」なんかは、グーグルで検索かけられてるので、例外かもしれないけれど、僕個人のことは知らなくとも基本的には僕の友達の友達だったり、Twitterの投稿を読んだりして「なんとなく、こいつはこういう人だ」とわかっている人がほとんどだろう。
それに、ブログはいわばホームグラウンドだから、「僕」という要素が強く出ていてもいいし、特に意識してなかったけれど、そういう“我を出していい”場所なのだ。

でもカクヨムは、もっと第三者的な目線が求められるような気がする。

もちろん、自分で小説を書いている人は「個」を出して良いし、出すべきだと思う。
「好きな作家さんの好きな作家が好きになる」(好き好き言い過ぎ)ということはよくあることだし、僕もそうやって好きな作家が増えてきたから。
ただ、僕はまだ書いてない人間なので、これは「レビュアー」としての気構えの話だ。

完全に第三者的な、客観的なレビューというのは無理だと思う。それはただの紹介記事だ。
でも、その作品の魅力を伝えようとする時に、“個”を普遍的な“一般論”に落とし込んで書くというのは、ブログで感想を書くよりも難しい、というか、もっと違う能力が必要なのだ。

その一つが語彙力。

僕が大好きな2大ツッコミ人は、アンタッチャブルの柴田さん(再始動おめでとうございます!そして嬉しい!)と、くりぃむしちゅーの上田さんなんだけれど、二人とも状況や自分の思考を言語化する能力がものすごく高い。
ツッコミの種類はちがうけれど、お二人とも状況把握の早さと豊富な知識を持っていて、本当に凄い(それと標準語で面白いっていうのも凄いことだ)。

いざ小説を書こうとして、それを如実に感じている今だけれど、レビューでも語彙力って大切なんだなー、と痛感した。
そんなわけで、書くだけでなく、読むも大事。
バランスよくいかないとね。

ところで改めて『空気の中に変なものを』はややエグい小説ですが、エンタメありの純文学的要素ありで、ハマる人にはハマる読み物なのでマジおススメです。
物語読むのが好きな大人は是非読んでくださいませ(学生はこっそり読もうね)。

最後の最後で、自分の語彙力の乏しさ満載。

精進しまーす。

レビュー2本立て

先日読んだ『熊本くんの本棚』のレビューをカクヨムに書いた

まだカクことをしていない、ヨムだけの人間がレビューを書いて良いのか?と一瞬悩んだが(ルール上良いのか?とマナーとして良いのかの両方)、作者のキタハラさんにもコメントをいただけたし、書いてよかった。

本当に、カクヨム登録している人にはとりあえず10話まで読んでほしい。
近々発売される書籍版は、どこが同じでどこか加筆訂正されているのか、とても楽しみ(書き下ろしパートもあるそうです)。

それから文学フリマで購入した『元祖オーケン伝説』に収録されている『人として軸がブレてんだ』を読んだ。
これは、どこにレビューを書いていいかわからないので、このブログに書く。もし他に良いところがあったら教えてください。

この小説は序盤が激しい。
いやあ、かっ飛ばしてんなぁー、っていうか読者に向かってエグい球を投げてくるなぁ、という感じか。
初っ端から160㎞のナックルカーブ(大谷とダルビッシュと田中マー君を足して3で割らないような奴)を投げ込んでくるので、もうこれはもう超人ベースボールの選手じゃないと打てないと思って、読むことを諦めてしまう人もいるんじゃないかと思うと、惜しい。
回想シーンあたりから、ちゃんと人が打てる球中心の組み立てになるので、どうか先に読み進んでほしい。

こうやって野球に例えるのはおっさんっぽいけど、本編にもちょこっと野球の部分が出てくるからいいでしょう。
しかしアナウンサーに“あの言葉”をつけて呼称するって、どうやったら思い浮かぶんだろう(褒め言葉)。

主人公は「屑」と片付けるほどの屑ではない。でも確かに人として(とくに男として)はてんで“イケてない”。軸がブレている以上に、きっと軸が見当たらないんだ。それがイケてない学生特有のモラトリアムな期間だったりする。
その鬱憤というか、抜け出したいけど抜けられない怠惰な日々の繰り返し(そしてそれでもなんとか生きていけるのだ)。
悔しいと思いつつも自分ではどうしようもない苛立ち。
そういう若さ特有の濁った部分を、自虐的かつ可笑しみをはらませて描く。

迷いのない(イケてる)学生生活を送った人にはなんのこっちゃだろう。
でもその時期、いじいじとオタク的な年月を送った者にはグサリと刺さる(僕もその一人だ)。
そしてこの小説を読んで、そんな年月を許してあげたくもなる。

正直に言えば、「締め切り」や「オーケン縛り」というものによって、慌てたなーという部分や、えいやっと進めたからか、やや辻褄が合わないところがチラチラと見えたりはするが(次、紙の本作るときは校正させてほしい)、縛りの中で“江戸川台ルーペ”らしさというか、彼独特の世界が披露されているのは嬉しい。逆に縛りがあったからこそ、焦点が絞れて、物語に身を委ねやすくなっているのかもしれない。
この世界が好きな人にはとことん愛される小説。
ある特定の人にしかわからない言葉で言えば、江戸川台ルーペの小説は「ファミ通」を愛読していた人にとって、絶対に好みだと思う(それも隔週の「ファミコン通信」だった時代のね)。

なんかまた一つ確実に、指名買いされる作家へ一歩前進したよなー、と思った。
そして、あいかわらず文系拗らせ男子(男性じゃなく)が惚れる女子(女性じゃなく)書くの上手いよね。ズルい。

そういうわけで、心に残った作品の感想はきちんと形にしておこうと、喫茶店に行ってレビューを2本書いた(家だとイマイチはかどらない)。

好きな作品を第三者に伝えるのって難しい。でも、それによって「これ、いいね!」と思う人が一人でも増えてくれたら、それはそれで嬉しい。
だから人は感想を書くのかもしれない。