フランスズ

気がつけば個人的には三連休。

ヴァイオリニストの安藤梨乃さんのトーク&ライブを聴きに赤坂まで出かけた。
昨年11月に予定していた公演が振替で今日になったものだ。

全てフランスにちなんだ曲目で、クラシック音楽を中心にした前半と、シャンソンとフレンチポップスでまとめた後半という2部構成。
クラシックの丁寧で繊細、そして超絶技巧を含んだ曲も素晴らしかったし、ポップス系の曲はより一層感情がこもっていて、こちらの気持ちも跳ねるような素敵な演奏だった。シャンソンについては、ご本人がMCで「シャンソンは歌うだけでなく語る部分がある」とおっしゃっていたように、特に『バラ色の人生』はちゃんと“物語る”演奏で、自分も人生考えてしまった(結果、とても凡庸だと再確認)。
万代ヒロトさんとのトークの、そして鈴木結花さんのピアノとの「掛け合い」も楽しく、時間があっというまに過ぎた。とても良い演奏会だった。
あと、アンコールのあの曲はもう「ご自身の曲」になっていて、それもまたすごいなー(語彙)と思った。

仕事柄、そして交友関係柄、生演奏を聴く機会が普通の人よりは多めだと思うのだけれど、演奏を生で聴くということは贅沢なことで、こういう機会に恵まれているのはありがたいとしみじみ思ったりもした。

終演後は、一緒に聴きに行った仲間うちでライブ鑑賞の「反省会」をして(15時前から!)、僕は5日ぶりにアルコール飲んだ。
今日はチートデー。明日からまた飲み会があるまではノンアル日。

この(個人的)三連休、全部予定が入っていたし、毎日外出した。そう書くとすごく充実しているみたいだが、自発的になにかこう「成し遂げた感」はないから、そういうところを意識して明日からまた頑張りましょう。

スクラップ

『ストップ・メイキング・センス4Kレストア』観た。

トーキング・ヘッズというバンドについて知っているのは名前だけで、1曲も知らなかったのだが、この映画の予告編を見て「これは自分が観るべき映画(ライブ)じゃないのか?」とざわっとした感覚があった。
それから、やっぱり観ておくべきか、それとも知らないバンドのライブ映画を観に行くというのはどうなのか、みたいな心の天秤があって、結局、このざわつきは解消しておこうと、唯一やってる朝イチの回に、早起きして見にいったのだ。

結論。凄かった。

自分の感覚を信じるべきだね。観て(聴いて)本当に良かったし、最高に楽しかった。ライブで言えば「これ明日また来たい奴」だった。
知らない曲でも自然と身体が動いたし、字幕の歌詞に時に笑い、共感した。音楽の原体験をした感覚。

音楽は自由だ。そして人生もまた自由だ。心のままに生きるのだ。
音が鳴れば身体が動く、音があれば叫びたくなる。そこに節と言葉とリズムがハマって歌になる。つまり感情優先。感情あってこその音楽だ。
技術は手段。頭でっかちになってた自分が恥ずかしい。とにかく歌えよ、弾けよ、と背中を押された気がした。考えるな、感じろの世界。自分が改めて音楽に向き合うために、必要な映画だった。

いや「向き合う」だなんておこがましい。
僕は現実問題、全くもって音楽と付き合っている時間も信念も誠意もいまだ足りない。つまるところ何かを語れるほどの付き合いがまだ全然できてない。
でも、付き合い続けなければ何も起こらない。

下手っぴでもしょぼくても、自分が今できる気持ちの良い音を出せばいい。練習すれば、もっと気持ちの良い音が出せるようになるし、いずれサマになるだろう。
考えるのは、やりきった後。まだまだそんな境地に達していないのだよ。

などと、感情だけで書いてるから、すごく馬鹿みたいな文章になってしまったが(いつもとあんまり変わんないか)、そういう気持ちがバーッと駆け巡るような体験だった。四の五の言わないで、ちゃんと音楽と付き合いましょう。

そんでもって明日はオフ。ここでしっかり体勢を整えるよ。

課題、ライブ、野球

個人的4連休の3日目。

午前中に課題やる。

先月もやったやつの続きで、前回は惜しい感じの結果だったので、今回は気合い入れたのだが、やっぱり手応えは前回並みにない(っていうか気合いでどうにかしようとするな)。

改めて、一般知識(社会状況)ほとんどないな俺、という結果だった。

でも、まあ、めげずに続けます。

で、午後は、昨日西谷国登さんのリサイタルに5弦ヴィオラで客演したルドルフ・ハケンさんと、同じく弦楽隊で演奏した手塚貴子さんによる「SUPER ELECTRIC VIOLA DUO RECITAL IN TOKYO」の鑑賞に行く。

今日はハケンさんが6弦エレクトリックヴィオラ、手塚さんがヴィオラ(普通の、って言い方もなんだが)と5弦エレクトリックヴィオラを演奏。単体の楽器としてだって珍しいのに、そのデュオだなんて、ものすごいレアな演奏会だった。

個人的には二人で弾いた「スレンナタリア」が特に良かった。昨日の西谷さんのリサイタルでも演奏されたが、今日のはエフェクターガンガンかかって、いかにもエレクトリック。お祭り感があって迫力増してた。

「Misty」では手塚さんの歌とヴィオラどちらも楽しめた。声と楽器という二つの表現だったが、曲の世界観が統一されていて引き込まれた。

1時間濃密な演奏を楽しんで、次の予定のためそそくさと海浜幕張に向かう。プロ野球のロッテ対ソフトバンク戦を観にいったのだ。

お腹の調子を考えたら、チケット代もったいないけどキャンセルしちゃおうかな、とも思ったのだが、佐々木朗希が予告先発だったので、絶対行くしかなかったのだ。

向かう途中に発熱で佐々木が登板回避して、ブルペンデーになったが、今年もう野球観る機会ないし、観たい選手はたくさんいるのでやっぱり行く。25年ぶりのマリンスタジアムはボールパーク感あってワクワクした。

試合は、初回に5点取られて完敗ムードだったが、和田のビックリホームラン(プロ2号)などで1点差に迫って、逆転の場面で推しの安田が代打で出たりと熱い展開で超楽しかった。

結局負けたけどね。しかも試合時間4時間。

電車は大混雑だし、そんなわけでこのブログは帰宅途中に書いてアップしてます。

野球観ながら、やっぱり楽しいと思うことや、やりたいと思ったことはできるうちに早くやっておくべきだ、としみじみ思ったよ。それは年齢を重ねてきたからかもしれないし、体調が万全じゃないからかもしれない。でも、なんか逡巡してる場合じゃねえな、とは最近ことあるごとに思うのだ。

日々、ドタバタだったとしても、やれることがしょぼかったとしても、一生懸命いきましょう。

Bravissimi

土曜日、祝日、休日。

休日なのに、打ち合わせのために職場に出向く(完全ホワイト企業)。
ちゃんと誰かに任せるということを、いい加減、僕はするべきなのだろう。

で、時間ピッタリに打ち合わせを終えて、浜離宮朝日ホール 音楽ホールで行われた「第11回 西谷国登ヴァイオリンリサイタル」を鑑賞しに行った。
リサイタル11回目、浜離宮での開催は5回目というのに、現代曲である湯山昭作曲『ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ」や、ルドルフ・ハケン作曲『ヴァイオリンとヴィオラのための「スレンナタリア」』(しかもハケンさんご本人と共演)といった、守りに入らない、新たな挑戦を感じる選曲と、趣向を凝らした演出で観客を楽しませてくれた(現代曲って聴きやすいなーと個人的には思った)。
1曲目のラヴェル作曲『ヴァイオリンソナタ第2楽章』や、最後のメンデルスゾーン作曲『ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64』弦楽合奏版といったクラシック曲も演奏し、特に『ヴァイオリン協奏曲』はソリストの魅力と室内楽編成による弦楽合奏の迫力が楽しめた。

公演まで色々とご苦労も多かっただろうけれど、“2023年版の”西谷国登さんらしいリサイタルだった(関係者のみなさま、お疲れ様でした)。

打ち上げにはちょこっと参加。
雰囲気はとても楽しかったけれど、飲めない状態での酒席って本当に辛いですね(自業自得)。腹痛も地味にあったし、明日は午前中、とある課題をやっつけて、午後から夜まで出ずっぱりということもあり、早めに帰宅させてもらって、体を休めてイマココ。

個人的4連休も、もう半分過ぎてしまったよ。時が経つのはなんて早いのだろう。
やりたいことやって、言いたいこと言って。そういうふうに生き方をシフトしていきたいなー、なんてことを思っている(思っているだけ)。

感化、商談、敬虔

あいかわらず起きてからダラダラしてしまう。

良くない習慣だと思っていてもなかなか抜け出せないんだよね(言い訳)。

どうしたわけか、YouTubeのリコメンドの中に、聞いたことのないような謎の起業家(パリピっぽい)の、「時間を無駄にしないための方法」みたいな動画があったので、歩きながら音声だけ聴いてみる。正直、感じの悪い喋り方だし、ぜったい仲良くなれそうにないけれど、言ってることは正しいんだよなーと思う。そういうことにうんうんとうなずいてしまうのは、自分が今、物事に対してあまり上手くいってないのかもしれないな(でも元気だよ)。

休みのはずが、どうしても会うタイミングが今日しかないということで、取引先の方に会うために職場に行く。予想以上に物腰柔らかく、話し上手な人だったのでお会いできてよかったなとは思った。
なにせ、やる気に満ち溢れてる若い人と会うと、こちらも元気になるよね。だから自分も元気で明るくを心がけよう。でも、その前に、自分もやる気に満ち溢れるような環境に身を置きたいよね(願望)。

それから、お世話になっている方が舞台に上がるというので、YMCAオラトリオ・ソサエティの定期演奏会を鑑賞するために紀尾井ホールへ。
レクイエム2曲という、個人的には重めの選曲ではあったが、いかにも宗教曲っぽいフォーレと、現代曲っぽさが出るラターの、同じモチーフでの違い、みたいなものも体験できて、良い演奏会だった。厳かな気持ちになりました(急に敬語)。お誘いいただかなければ、きっと足を運ばなかっただろうから、貴重な経験ができてありがたいし、なにごとも興味があったら行くべきだなーとも思った。

そしてここしばらくの疲れを癒やすために、もう晩酌して、今日はおひらきにするよ。時間の使い方、ホントに考えなきゃね(影響されやすい奴)。
明日には忘れるだろうけど。

暑い、寒いで体調管理が難しいが、なんとかフツーに頑張りましょうかね。

末席の弟子

暑い。

あまり肌がどうのこうのと気にするタイプではないのだが、顔を洗うとヒリヒリするから、これはそれなりに日焼けしてるんだろうなーと思ったりする。そのまんまで大丈夫な年齢じゃないから、ケアしといたほうがいいんだろうな。でも、あいにく日焼け止めがなくなってしまった。明日買いますかね。

20年以上ぶりに再会した歌の師匠が、自分のお仕事を引き受けてくださった話を前にも書いた気がするけれど、今日がそのイベント日だった。
お恥ずかしいほど少人数で申し訳なかったのだけれど、アットホームで素敵なコンサートだった。
師匠は今、アイルランドの曲をメインで歌っているので、そういう感じのミニコンサートだったが、途中で歌のワークショップがあって、もう相当ぶりに師匠の伴奏で声出したのが、なんか胸に迫るものあったよ。
師匠に習ったのは1年足らずで、それでも自分の歌のレベルを段違いに引き上げてくださった、というか“本当の歌声”を見つけてくださったから、自分は末席の弟子だと思っている。
なにものにもなれず、こうやってワールドワイドウェブの片隅で歌を捨てきれずにいる不肖の弟子だけれど、細々とでも歌い続けてきたから今日という日があったのではないかと思う。
でも、これじゃあ弟子を名乗るのもおこがましい。じゃあ、これからどうすんのよと思ったりはするが、とくにどうもしない(しないのかよ)。
でも、いまだに続けている以上はどうにかしなきゃね、マジで。

自分が出演するわけじゃないのだから、たいしてプレッシャーなんかないはずなのに、なんだかんだでストレスがかかっていたみたいで(師匠に粗相があってはいけないしな)、無事終わったら体調が半分良くなりました。あと半分の解消はしばらく無理だけど(なにその思わせぶり)、ひとつ終わりました。

そんなわけで、今日はギネスビールとポテト食べて寝る。
明後日まで仕事フル稼働。乗り切りましょう。

師走ハイライト 完結編

20年ぶりに歌の師匠と会う。

ご活動はずっとインターネットで拝見していたのだけれど、声をかけるきっかけがなかったし、何百人もいるだろう教え子のうちの、しかも1年足らずカルチャースクールみたいなところでの生徒を覚えているかどうか、ということもあって連絡が取れずにいたのだ。

今回は「ちょっと仕事をお願いできるかも」という感じになったので、ダメもとでホームページのメーラーから問い合わせたら、すぐにお返事をいただき、あっという間に会う段取りになったのだった。

お会いすると、20年ぶりなのに全く変わらない印象と、忘れていた芯の強さ(というか先生としての厳しさみたいなもの)を思い出して、感動してしまった。
幸いにも、自分のことをなんとなく覚えていてくださっていて「雰囲気変わってない」と嬉しいお言葉をいただいた。

1時間程度、仕事の話よりも思い出話だったり、この20年のことを話したり、補講のような歌に対する姿勢を伺え、本音で話してもらえたようで楽しい時間だった。

僕にとっては歌の先生だけど、ご本人としてはバレエのほうを専門にしたかった、と聞いて、そう言えばかつて先生が歌うことについて「最後にはメロディも歌詞もなにも残らない、ただ表現があるだけ」というようなことをおっしゃっていたことを思い出した。
そして、僕はその言葉に当時とても心動かされたのだった(忘れるなよ)。

お仕事の話もなんとか進みそうだし、なにしろ、自分の師匠であり、歌についての恩師に会えたことは何より嬉しかった。

出会いに照れちゃいけないと思った。

そして、夜は先日ブログでも書いた「クニトリオ スペシャルコンサート」の司会進行仕事。
いくつもままならないことがありつつも(いやあったからこそ「逆境+2」が発動したのか)、ほとんど緊張しなかったし(しろよ)、お三方のアドリブトークに戸惑いながらも、なんとか場の盛り上げに一役買えたんじゃないかな、と思う。
これにて2022年の舞台仕事はすべて終了。お疲れ様でした、俺。

そしてこれから身体を温めるためにひとり鍋作るよ。
免疫力高めて、2022年を乗り切るのだ。

盛りだくさんさんさんさん

休みー。そして予定が秒単位で入っている日(言い過ぎ)。
7時半に起きて備えたよ。

昼前に江戸川台ルーペと待ち合わせしてシェーキーズに行った。ルーペさんリクエスト。
このあと「感想文」あるし、ライブあるしなので腹7分目ぐらいにした。食べ放題、いつもどおりなのにあまり満足感がなかったのは、シェフがいまいちだったからか、食べ飽きたからか(多分どっちも)。

その後、まねきねこでツイキャス「ザンクとルーペの読書感想文」、夏木志朋さんの『二木先生』について感想を語り合った。

開始前にTwitterで著者ご本人から引用ツイートと告知をいただいて、果たして思うがままに喋ってよいのかどうかと緊張した(いや、そんなたいしたこと喋ってないじゃん、自意識過剰)。なので、開始前に1時間ぐらい使って、そこでもう一回まとめたり読み返したりしたよ。テスト勉強最後まで足掻く感じで(ルーペさんも同じことやってた)。
その甲斐あってか、喋りたいこと(というか肝心な部分は)だいたい喋れたんじゃないかなと思うし、作者の夏木先生も爆笑してくださったようなので良かった(よね?)。

アフタートークは推しについて語ってみた。

ただ、本編で言い足りなかったことやら、性癖のことやら、ほぼフリートークだった。その点「ザ・アフタートーク」って感じの内容かもしれない(併せてお聴きいただければ)。

そして、麻倉もも曲縛りでカラオケを1時間ぐらいして、LINE CUBE SHIBUYAで行われた麻倉ももLive tour「Piacere」の東京公演に行ってきた。

とにかく素晴らしかった。

生バンドであっても、麻倉ももの曲をちゃんと「麻倉ももの曲」として演奏したバンドメンバーの皆さんが素晴らしかった。そしてなにより、生音になっても「麻倉もも」として歌い、麻倉ももとしてステージを作るのはとても難しいことだったと思うが、それを見事に成し遂げていた“推し”に感動した。

俺も自分のことをちゃんと頑張ろうという気になった(そういう思いをもらえる対象が「推し」という話をアフタートークでした)。

そして今日は鳥貴族に無事入れたので、トリキで打ち上げ(今、その最中)。

良い休日だった。そして今日起きたことの情報量の多さに良くついていった、俺。
明日からも頑張るよ。

MiKn Project Op2-2 Piano Trio Concert

ヴァイオリニスト西谷国登さんとピアニスト石渡真知子さんに、チェリスト大木翔太さんをゲストに加えたMiKn Projectによるピアノトリオ演奏会に行ってきた。

2月のOps1-2の時と同じく、坂戸市にあるTTT森の響きホールでの演奏会。
曲目は昨日大泉ゆめりあホールで行われたOps2-1と同じだけれど、昨日は裏で(しかもモニター越しに)聴いただけだし、自分の出番もあって曲を楽しめる余裕はなかったので、今日の演奏を楽しみにしていた。そして、その期待を上回る楽しさだった。

最初に演奏されたのは、ドビュッシーのピアノ三重奏曲 ト長調。
演奏前に、石渡さんの曲説明があって、この曲は当時18歳だったドビュッシーがヴァカンス中に書いたものということだったが、まさに南仏の砂浜が思い浮かぶような曲だった。
第1楽章では、華やかで穏やかなビーチ沿いで、のんびりとした休日の雰囲気をもち、第2楽章は、弦楽器の細かい動きが、少しの不穏さと好奇心がざわつく感じをさせ、知らない街を散策しているようなドラマチックな楽曲。
第3楽章はチェロがメインを張るような出だしから、避暑地の町並みを上空から俯瞰で旅するような優雅な旋律が続く。

で、この楽章の三人の表情がとても良かった。自分の音を響かせつつ、他の演奏者それぞれの音を感じているのが伝わる。この楽章の最後の音を奏でた直後の写真が欲しいと思うぐらい、トリオの世界観がふんだんに出ていた。

そして第4楽章。「Appassionato」なだけに、迷宮に迷い込んだようなうねりを感じるダイナミックな出だしから、曲が様々変化して聞き飽きない。なんというかひとつの人生を描いているような壮大な楽章に感じた。何度も繰り返して聴きたくなるような演奏だった。

2曲目はメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲 第一番 ニ短調。
「メントリ」という愛称がつくほど人気のある曲ということ。

第1楽章は重厚で、これぞ「クラシック」という感じが強い。ピアノの速い動きがすごい。後半とくに盛り上がりにかけては圧倒された。個人的には、途中リタルダンド入った後の小節が好きだなーと思った。
第2楽章はシンプルな印象だが、それだけにちゃんと聴かせるように弾くのはとても難しいと思う。音の粒が揃わないとカッコよくならない。それがきちんとできるお三方が(どの楽器を弾けない僕でも)技術と感情の込め方のレベルが高いとわかる。
第3楽章は一転、軽やかな始まりから、速いスピードの中で、緩急をつけつつ、お互いのフレーズの出入りに気を使う場面が多く、これもまた合わせるのが難しい。
そして第4楽章ともなると、曲の理解度が高くないと、エンディングのところなど崩れてしまうのではないかと思うのだけれど、きちんと弾ききるのが見事。
楽器の弾けない僕がいうのもなんだが、良い演奏にするためには高い技術と、深い理解力が必要な曲なんだろうなと思った。
なんというか「ごまかしがきかない」楽曲なのだ。だからこそ愛称がつき、人気があるのかもしれない。

2曲とも違った良さがあって、1時間があっというまだった。
ドビュッシーのピアノ三重奏曲は、「この曲好き!」ってなって、ヘビロテしたくなったし、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は、僕がもう少しクラシックを理解してから聴き直したいと思った。
アンコールのハンガリー舞曲 第六番含め、良い時間を過ごさせてもらった。初心者から愛好家まで楽しめる素敵な演奏会だった。

そして、前回もふれたけれど、このTTT森の響きホールは、フラットで演奏者と客席が近い小さなコンサートホールだけれど、音が正面から発せられるのではなく天井を回って包み込まれるように聴こえて、曲の世界に入り込める。
このホールでいろいろな演奏を聴いてみたいなと思った。

生演奏、しかも素敵な演奏を素敵な場所で聴く贅沢を堪能した演奏会。
出演した皆様お疲れ様でした。次の機会も楽しみにしております。

第10回 西谷国登ヴァイオリンリサイタル Special Ver.

西谷国登さんの第10回ヴァイオリンリサイタルだった。

2年前の5月に予定していた公演が新型コロナ感染拡大の影響で中止となり、自身のリサイタルは前回2018年から実に4年ぶりの実施となる。
国登さんの「同じものをやるのではなく、バージョンアップしたい」という性格からか、2年前に予定していた曲目ではなく、今回のために新たに組み直したプログラムで開催された。

そのプログラムは
ブルッフ『ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調』(弦楽オーケストラ版)
サン=サーンス『ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調』(弦楽オーケストラ版)
フランク『ヴァイオリン・ソナタ イ長調』

「メインの曲目として1曲ヴァイオリン協奏曲を弾く」というのが一般の演奏会なのにそれを2曲続けて弾き、その後ヴァイオリン・ソナタという、メインディッシュ3つ、あるいは某テーマパークに例えれば、マウンテン系含む180分待ちのアトラクション3連続みたいなラインナップ。
聴いているほうは単純に楽しめばよいが、協奏曲のソロを2曲やり、そのあとソナタを弾くというのは、普通ではありえないプログラミングだ(いや、やはり聴くほうもエネルギーが必要かもしれない)。

本来はフルオーケストラの楽譜である協奏曲2曲とも、弦楽オーケストラ用に西谷さんが自らアレンジして、その曲のソリストをしながら、オケの指揮も同時に振るという、とてつもない荒業にチャレンジしている。
果たしてそんな荒業が可能なのか、というと、これが本当に素晴らしい出来なので恐れ入る。
ソリストとして最後まで集中を切らさないエネルギーもさることながら、指揮も片手間で「フリ」をしているのではなく、きちんと振って曲に色を付ける。

そしてこの弦楽オーケストラ版のアレンジがすごい。
初めからこういう譜面が書かれていたかのような完成度。実際に譜面を見たわけでも(ましてや読めるわけでも)ないが、全弦楽器が合わさったものを聴くと、全ての楽器が共鳴しているように聴こえた。
ソリストに対して伴奏に徹するのではなく、オケとして聴かせどころを作ったアレンジで、普段、オーケストラの音楽監督をしている西谷さんの能力が遺憾なく発揮されたように思う。
オケとのフレーズの受け渡しやフィンガリングの共演など、随所に掛け合いを取り入れて弦楽曲の面白さ、技術の高さを感じさせた。

そして、それをきっちり音楽に昇華させるオーケストラのメンバーも圧巻。
コンサートマスター伊東佑樹さんをはじめ全員、1音1音がなぜ譜面のその場所に書かれているのか、西谷さんの意図をきちんと理解して弾いている様子が見事だった(そして何より皆さん楽しそうに弾いていた)。

濃厚で迫力のあるヴァイオリン協奏曲2曲のあとは、休憩をはさんで、ピアニスト新納洋介さんとのフランクのヴァイオリン・ソナタ。
二人でCDレコーディングしている経験や、すでに演奏会でも共演しているので、お互いをよく知っていることもあり、聴く方も安心して曲に浸ることができる。その中でも阿吽の呼吸で「遊び」を取り入れ、この日、この瞬間にしか聴けないフランクのヴァイオリン・ソナタで楽しませてくれた。

アンコールの『チャールダッシュ』では、「こんなチャールダッシュあるの?」と思えるほどの自由かつ楽しい演奏を披露され、一流の音楽家の共演を鑑賞することができたことを嬉しく感じた。

 

前半は、代名詞でもある「ヴァイオリニスト兼指揮者」としての総合的な音楽の素晴らしさを表現し、後半は新納さんのピアノを信じて、思う存分楽しみ、楽しませる演奏。まさに「西谷国登リサイタル」という名にふさわしい、他の演奏家では実現できないステージだった。

それをこなせたのは、4年間思うように演奏会ができなかった月日の中で培った、「お客様を楽しませたい、西谷国登の表現する世界を存分に感じてもらいたい」というアーティストとしての覚悟なのかもしれない。
彼にしかできない舞台を作り上げ、唯一無二の境地に至ったとすれば延期の2年は無駄ではなかったろう。

そして、その余韻に浸る間もなく、来年の9月23日にはすでに次回のリサイタルが予定されている。自分の演奏を楽しみに来る方々に期待以上のパフォーマンスを披露し、それでいて、また新たな境地を見せるくれるに違いない。