『アントマン&ワスプ』を観た。
前作『アントマン』は主役に華がないと思っていたのと(失礼)、虫が苦手ということでしばらくスルーしていて、初めてアントマンの活躍を見たのは『シビル・ウォー』だった。その後、マーベル・シネマティック・ユニバースの作品で観てないものを埋めていこうと思ってレンタルで観たら、僕好みでとても面白かったので、続編は映画館で観ると決めていたのだ。
で、今回はすごい期待して行ったせいか、面白かったけど前作ほどのインパクトはなかった。僕が一番物足りなかったのは、アントマン自身がそんなに強くないというところ。だから戦いでいまいち見せ場がなく消化不良。
ただ、主人公の“機転が利く”という長所を活かして、仲間の天才科学者親子(というか今回は母親も加わったファミリー)を差し置き、頭脳プレイで敵を翻弄するあたりは痛快。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズみたいなドタバタ喜劇ではなく、正統派のコメディなところは前作同様で好みの映画だったのは確か。セリフや間のやりとりで笑わせてくれる。
あと、主人公と娘との関係がとても微笑ましい。それを了承する元妻とその現夫との関係も素敵だ。この映画を観ると娘が欲しくなる(その前にやるべきことが最低3つはあるけど)。
主演のポール・ラッドは、ぱっと見はただのおっさんだが、ちゃんと決めるべきところでは決められるし、応援したくなるキャラを作りあげている。華がない、と思ったのは、役柄が「普通のおっさん」を求められているからなんだろうな。この人の別の映画を観てみたい。
敵方もどこか憎めないし、変わった奴らが意外にも活躍するところも良い。危機的状況でもユーモアが感じられて安心して最後まで楽しく観れた。マーベル・シネマティック・ユニバースを知らなくても、前作のあらすじぐらい知っておけば単発の娯楽映画として楽しめるから、アクションコメディが好きな人にはオススメ。
その分、シリアス全開の『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』につながるポストタイトルシークエンスでは、そのシリアス渦にアントマンも巻き込まれる展開が描かれるが、アントマンが『アベンジャーズ』続編でどう関わってくるのかはより楽しみではある。
世界の危機を前にしてもユーモアを忘れないキャラを通せるとしたらそれは痛快かも。そういう点で、マーベル・シネマティック・ユニバースファンにとっても次回の登場が楽しみになった映画だった。