「Agapanthus」追体験

昨日書いたように、麻倉もものライブ「Agapanthus」の配信がされたのでアーカイブで観た。

これ、24時間観てたいぐらいの出来なので、円盤化を切に願う。

自分が参加した、まさにその日のライブが映像化されるのは初めてなので、つい自分を探してしまった。
で、ちゃんと映っていたよ!(江戸川台ルーペに報告してしまった)
しかも大好きな「Good Job!」の曲中で映っていたので、嬉しさひとしお(時間差で5回目の死を迎えました)。

「スマッシュドロップ」は、曲の途中でセンターステージに行ってしまった記憶だったのに、ずっと前で歌ってたんだね。記憶は曖昧だ。
あと、これはセンターステージで歌っていたので、映像で初めてしっかり見られた「トキメキシンパシー」の振り付けが、超可愛くて悶絶した。
両手で作る“可愛い”ハートの形考えつくの、振付師ってホントすげえな。hiromi先生マジリスペクトする。

「花に赤い糸」は典型的なスローバラードで、あまり好きな曲ではなかったのだけれど(アルバムだと飛ばしてしまう)このライブで聴いたらすごい良い曲だなーと思った。今回改めて聴いてもやっぱり良い曲。

「秘密のアフレイド」から「Fanfare!!」までのアップテンポ曲の連続は、当日も楽しかったけど、配信で追体験してもテンション上がった。
あと「妄想メルヘンガール」のコールは、声の出せない当日のライブのために、ファン有志が事前に自分の声で録音したものをリミックスした音源が使われたのだが、このコールでは、ルーペさんの声がはっきり聴こえるんだよなー。
あの「良い重低音」の主は彼の声だと確信している(「読書感想文」の声まんまだもの)。

オマケ(?)の配信限定アフタートークも本音っぽい発言が多くて楽しかった。
“迷曲”「シュークリーム」についてのコメントしていたけれど、この曲に出てくる男が嫌いということがわかって、ますますファンになった。
指摘されて気づいたけど、ライブと同名のアルバムから唯一削られた曲なんだよな。いつかライブで聴いてみたいが、絶対、ネタとして聴いてしまってニヤつくパターン。
あと「うどん」とか「知らん」の一言回答も清々しかった。
この人のファンでよかったと心から思う。

で、結局、自分が参加したライブの映像化ってすごい良いわ。没入感が桁違いだった。
その貴重な気付きが最推しである、もちょのライブだったのは必然だったのかもしれない。

最後にもう一度書くけど、円盤化を切に願う。
多分エンドレスで流せてられるよ。

愛し愛されて生きるのさ

TrySailのメンバー、麻倉もものソロライブ「Agapanthus」DAY2に行ってきた。

5月にツアーとして予定されていたライブがコロナ影響で、今月、幕張2DAYSとして公演することになったのだ。
TrySailファンであり、なかでも“もちょ”推しの僕としてはこれは何がなんでも是が非でも参加したいライブだった。

TrySailのファンになって1年半。
ユニットとしての活動が一番好きなのは間違いないのだけれど、それでも「最推し」のもちょの存在は自分が思っているより大きいみたいだ。
なぜならTrySailファンの「センパイ。」であり“天ちゃん”推しの江戸川台ルーペが、TrySailライブの仙台と、1月の雨宮天ソロライブでの放心状態とは打って変わって涼しい顔をしているのに対し、僕の方が始まる前から上の空だったから。

ファン先行チケットに当選していたので良い席だろうとは期待していたが、席についてみると実質2列目。
座席は左右1個あけなので、見る角度によってはステージのもちょと自分の間に誰も入らないという予想以上の良席で、もうその時点で失神しかけた。
これまでの2回のライブでは、座る位置の関係もあって、ライブ中も一緒に参加するルーペさんの様子を確認したりしていたのだが、今回は正直、彼の存在を完全に放置して、ライブに没頭することにした。もう「僕は僕で浸りますので」と。

1曲目の「Agapanthus」で、プロジェクションマッピングのカーテン越しに歌うオープニングは、MVをライブでやっている感じで幻想的で良かった。
2列目とはいえ、客席中央までの長い花道が用意されていて、そちらをメインで歌う曲もあるので、常にかぶりつきで楽しめたわけではないが、「スマッシュドロップ」や「カラフル」のダンスが目の前で見られたのは幸せな時間だった。

「妄想メルヘンガール」の掛け声は事前にファンが各自録音して送ったものをミックスして流してくれたのだが、男声が多くて野太い感じのコールになっているのがちょっと面白かった。あと、もちょが言及した「良い重低音」はルーペさんの声なんじゃないかと思う(嫉妬)。

トークでは”妖刀アサクラ“と呼ばれるその毒舌も披露されたが、狙った毒舌というより、思ったことをそのまま口にしてしまうからこそなんだろう。
でも逆にそれは天然でドSってことか?(煽られる「雑草チーム」が羨ましかったりした)

個人的にセトリは一分の隙もない完璧なものだった。
アルバム「Agapanthus」収録曲を中心に歌うのは、ライブタイトルからしてわかっていたが、収録外の曲で絶対に聴きたかった「Good Job!」(グッジョブポーズしたよ!)、「Fanfare!!」(MO MOやったよ!)はもちろんのこと、良い曲だなーと常々思っていた「星空に想えば」が聴けたり、コロナ禍に聴いてより歌詞が沁みた「No Distance」を同じ意味を込めて歌ってもらえたことが、より特別感のあるライブだった(欲を言えば全曲聴きたいけど、それは贅沢すぎるというものだ)。
ただひとつ、ポッドキャストでクサした分析した「シュークリーム」を生で聴いて、どう思うか知りたかった感はある(ドM)。

テンションが上りすぎて、ライブ途中で現実感が時々吹っ飛んだ。
映画「インセプション」で夢の世界と現実世界を見分けるためにディカプリオがコマを回すシーンがあるが、きっと今コマを回したら永遠に回り続けるだろうなとも考えた。
そのくらい夢とうつつの境目がわからなくなる感覚に陥ったのだ(いや、全部「現実」なはずなんだけどね)。

「愛し愛されて生きるのさ」
とは、小沢健二の曲のタイトルで、僕はこの曲に思い入れはおろか、そらで聴いたことぐらいしかないけれど、ライブの最中にそんなフレーズが頭に浮かんだ。

アーティストはファンに愛され、そしてアーティストはファンを愛する。その関係が続く限り、どんなアーティストだって(そしてファンだって)生き続けることができる。

その意味で、このライブは麻倉ももとファンによる完璧な愛し愛される空間だった。
批評的に見れば粗がないわけではないステージではあったが、それを問うのはもはや意味がない。

夢と言われたらそれはそれで納得してしまうような、現実感が吹っ飛ぶライブに身を委ねながら、これまでの人生が何度か走馬燈として見えた。
だから昨日ツイートした「4回死んで生き返った」という表現は決して比喩ではない。

どんなに言葉を紡いでもこの感覚を表現するのは虚しいから、シンプルに「超絶楽しかった!」と書くことが正解な気もするが、こんなすごい体験をする機会が世の中にあるのだ、ということがわかったことを、ここに記しておきたい。備忘録として。

さて、僕は今日からどう生きようか。

少ししょっぱいライブ鑑賞

8月29日はTrySailのオンラインライブの日だった。

リアルタイムのライブではなく、スタジオ収録したものの配信ではあるが、前後にメンバー3人の生トークが入る構成。
オンラインとはいえ「ライブ」なので、ひとりで見るのは寂しく、江戸川台ルーペを誘って二人で見ることに。
柏のカラオケルームを借り、自前のPCを設置して、いざライブ鑑賞。

1曲1曲を取り出してみれば、どの曲も凝ったカメラワークとレベルの高いパフォーマンスで本当に楽しかった。
デビュー曲の「Youthful Dreamer」で始まり、新曲の「ごまかし」で終わるセトリも文句なしだし、今年こそリアルのライブで体感する気だった「ホントだよ」で、もちょに褒められるのも、画面越しとはいえ実現できてよかった(天ちゃんにアフタートークで言及された「昇天していった人たち」のうちの一人は僕だ)。

ブレード振ってコールするだけでなくて、色々好き勝手感想を言いながら見られるのはオンラインならではだったし、家ではそれは無理だからカラオケルームという声を出せる場所で見たのは正解だった。
そして江戸川台ルーペというTrySailファンのセンパイと一緒に観れたことが、このライブをより楽しめた要因だと思う。

でも!

思ったよりも曲数が少なかっただけでなく、「続きは来月のライブパート2で!」という展開は正直、力が抜けた。

いや、10曲のパフォーマンスと30分を超えるトークを堪能できたのだから値段分の価値は十分すぎるほどある(しかも翌日までアーカイブで何度も観れたのだし)。
ただ、「公演時間は約1時間30分の予定」って書いてあったら、ライブ時間がそれだけあって、アフタートークが15分ぐらいだと思うじゃない!
それと、この公演開始の時点では「パート2」の存在は公表されていなかったわけで「単独の映画だと思って見に行ったら前後編だった」みたいな思いになってしまい、画面越しに「そりゃあないよー!」と叫んでしまったよ(しかもシラフで)。

改めて書くけど、値段からしたら十分すぎるほど価値があるし、コンテンツに対しての不満はなにもない。でも、その情報の出し方がなー。
んー。やっぱり、出し惜しみ感があるんだよなー。

「今回のライブで出し切ったけど、第2弾もやるよー!」というのではなく、初手から2回に分けると決まっていた感じなので、それなら最初からその体で参加したかった、というのが素直な感想だ。

それでも!

なんだかんだで、別バージョンのアフタートークのついた一週間アーカイブが見られる「見逃し配信チケット」も別料金で買って、それもまた値段以上の価値はある(というか、月額制でいいから、一生見せてくれないかと思うぐらい何度も観ていられる)ので、満足はしています(敬語)。

あと、3人が元気そうで良かった。元気がなによりだからね。

そんなちょっぴり“しょっぱい”オンラインライブだったわけだが、帰りのトリキ打ち上げも含め、ちゃんとライブ参加できたのがなによりだった。
次はリアル……の前に、来月のパート2参加に備えないとな。

とりあえずブレードを振ったぐらいで筋肉痛にならないように鍛えておこう。

バレンタインのコンサート

バレンタインデーなことをすっかり忘れていた。

職場の人たちにブラックサンダーやチロルチョコをやけにもらうなーと思っていたところで、ようやく気がついたぐらい(まあ、そんなもんですよ)。

で、そんなバレンタインデーにジム友達の(1回言っただけなのにこの言い草)手塚貴子さんがヴィオラと歌のライブを行うというので、昨年12月同様、西麻布のワインバー カデンツァーレに馳せ参じた。

相変わらず楽しい演奏会だったが、特に印象に残ったのは、ヴィオラパートではマーラーの「交響曲5番 第4楽章 アダージェット」のヴィオラとピアノのデュオ版。
交響曲をヴィオラとピアノで、というだけで充分チャレンジングなことだ。
僕は元の交響曲を聴いたことがないので比較はできないけれど、とても素敵な旋律でしみじみとした思いになった。
交響曲としても聴いてみたいけれど、これはこれでひとつ完成した楽曲として好きだなあと思った曲。

そして、歌パートで好きだったのは「There will  never be another you」。
お洒落な、そしてちょっとせつない感じの歌い方で心に残った。

ピアニストは12月に引き続き芳賀信顕さんで、初合わせだったという前回に比べて、お互いのやりとりが(会話はもちろん、演奏が特に)とても楽しそうで、聴いているこちらも楽しくなる演奏会だった。
そして次回の演奏は、どんなものが飛び出すのか楽しみでもある。

貴子さんのチャーミングな部分がより感じられる内容だったのは、バレンタインだからかもしれない。
最近、個人的には調子が下降気味ではあったが、元気をもらえた可愛らしい、でも“大人な”雰囲気のバレンタインの夜だった。

幕張の青い夜

というわけで「雨宮天ライブ2020 The Clearest SKY」のDays1に行ってきた。

17時開場のところ15時半頃に幕張メッセに到着。
物販の列を見ると、当たり前のことだが人混み具合が、仙台とは違うのが一目でわかった。あいにくの天候で、寒さと雨の中物販の列に並ぶのがやや辛かったが、当初予想した40分程度でグッズを買えたのでまずは一安心。

それから開場まで30分ぐらい待ったのだが、この時点では、まだ席がどのあたりなのかがわからず、期待と不安が渦巻く30分でもあった。
この時間を使って、今回誘ってくれた(そしてTrySailファンの大「センパイ。」)江戸川台ルーペのお宝である、直筆サイン入りの天ちゃん写真集を見せてもらった(字、綺麗でした)。
「別に今日、写真集持ってこなくてもいいじゃん」と言ったら「これはお守りだから」とのこと(いやはや、このお守りの効果をこの時は知る由もなかった)。

で、会場に入り、二人でガチャガチャを少しやって(お互い当たりは出なかった)いざアリーナに降りる。そこに貼り出された座席表を確認。

そうしたら、なんと、ステージ目の前のブロックだったのだ!
(転売防止もあるかもしれないのでブロック名は書かないが)予想していたのは、「前から3ブロック目で、30列目ぐらいだったら御の字」というところだったのが、前から10列以内の席だったのだ。
流石、今年の江戸川台ルーペは“天ちゃん運”もってるなー、としみじみ思った。

そして、実際席に着いてみると、ここは完全に常連さんというか上級者ブロックだなー、と痛感する席で、はたして俺はここにいて大丈夫なのかとやや申し訳ない気分になる。
江戸川台ルーペはTrySailより先に天ちゃんのファンになったぐらい、正真正銘“青の民”(雨宮天ファンの総称)だからまだしも、僕は“ニワカ青の民”だからだ。
周りの先輩方と違う動きをして「貴様!青の民ではないな!」とか言われて、会場から追い出される不安がちらつく(嘘です。すごく馴染ませていただきました)。
それと、これも僕にとっては幸運なのだが、通路側だったのでサイドにズレることができ、横のフットワークを使えるのがなお良かった(実際に結構使った)。

ライブ中にも天ちゃんが「天ちゃんダンサーズ」を紹介するときに「前の人たちにはお馴染みだろうけど」と、僕らのいるブロックが常連扱いされてる感があり、ちょっと恥ずかしかったりもした。
だってソロライブ初参戦ですから(TrySail合わせても今日2回目ですから)。

同じブロックの諸先輩方は、確かに上級者で『RAINBOW』の時に7色のサイリウム用意したり『irodori』の最後の歌詞に合わせてブレードの色を即座に赤から青に変えたりと、一体いつ準備してんだ?と感心することしきり。
そして前の列の二人組の先輩が仙台で見かけたブレードを持たない“ネイキッドアームスタイル”(今勝手に付けた)だったのが印象的だった。

それにしても、ライブは本当に楽しかった。

昨日まで散々「ソロはそんなに楽しめないのでは?」とか書いてたのは全部杞憂だった。
もちろん席が良かったことが一番の理由だ。
ステージが近く、天ちゃんやダンサーさんの表情が良く見えた。中央にせり出したセンターステージを歩く時は、10mないぐらいの位置で見られてすごく良かった。

でも、それ以上に彼女の楽曲を全部聴いていったのが正解だった。
天ちゃん作詞作曲で、初披露の『火花』以外は全部口ずさめた。
ライブBlu-rayも2回観たので、そういう点では、天ちゃんの言うとおり、確かに「天ちゃんダンサーズ」はお馴染みだったわけだし、実際に足を運んだのは初めてだが、バーチャル体験を含めれば常連というか、コアなファンには違いないのかもしれない。

そう、TrySailの中では江戸川台ルーペが雨宮天ファンなので、「天ちゃんはまかせた」的な思いもあり(何目線だよ)、僕としてはもちょやナンスのほうを推してきたのは確かだが、思い返してみたら天ちゃんのアルバム2枚と、それ以降に出たシングル4枚、ライブBlu-rayと、手に入る楽曲は全て網羅してる時点で、僕も充分「雨宮天ファン」なのだな、と気づいたのだ。

だって4回「天ちゃーん!」って叫んだよ。
あとアンコールは率先して声出した(だって上級者席なんだもん)。それに“いい声”で「アンコール」してアピールしたかったのもある(自分で言う)。

それにしても不惑越えの人間に声出させたり、ブレード(二刀流)振らせたりするのって、それは才能だと思う。生バンドならではの良さも存分に感じられた。バンドが入ることでコスト的に大丈夫なのかと(運営者目線で)不安になった「天ちゃんダンサーズ」も4人全員揃っていて良かったし、『Marvelous scene』の妙に印象に残るダンスが間近で見られたのが個人的には嬉しかった。
あと、諸先輩方の動きを見て「あ、これ、周りに迷惑かけない限り、ノッてればなんでもありだ」とわかってからは、好きなようにノッて楽しんだのもある。

幕張をソロで埋めるのは、昨日今日でできることではないから、彼女がデビューしてから5年という歳月と、その道程を思うと(その1年未満しか付き合っていない僕でも)感慨深いものがある。
そして彼女のモットーである「挑戦」という点で言えば、サマにはなるが不確定要素も多くなる生バンドへの挑戦、『火花』という自作曲を披露するという挑戦、と攻める姿勢も見せた。
そうして作り上げた昨日のライブは“最高オブ最高”なもので、今日のDays2に行きたくなったのはもちろんのこと、「やってれば毎日来たい」と思うほどだった(まあ何度も書くけど「座席効果」は入っているだろうけど)。

で、ただ楽しんだだけではなくて、自分も音楽関係の端っこにいて“Nerd系ロックンローラー”を名乗っている身としては、自分が音楽と関わっていくにはどういう道があるのか、どういうことをすれば自分がやりやすいのか、コンプレックスを乗り越えていけるのか、ヒントをもらったりもした。
自分の表現で、まずは身の回りの人を喜ばす。そのためには、なにをすれば伝えやすいのか、自分が得意な伝え方はなにか。
そういうことを考えて、得意不得意を昨日から必死で考えたりしている(すでに少し見えた)。

尊敬もするし、応援もする。そういう存在がいることがとても嬉しい。
TrySailはもちろんのこと、雨宮天も今後応援し続けていきたい。

雨宮天さんはもちろんのこと、昨日のライブに関わった皆さん、楽しい時間を本当にありがとうございました!
今後ともよろしくお願いいたします!

青いデビュー戦

そういうわけで今日は「雨宮天ライブ The Clearest SKY」に行ってくる。

今もこのブログを書きながら、2018年のライブBlu-rayを観て予習をしているのだが、今回は生バンドかつ、キャパがこれの3倍以上なので、どこまで参考にして良いのやら。

それと、今日は「TrySailの」ではない雨宮天のライブなので、個人的にはややアウェー感があるのだ。
いや、天ちゃん好きだし応援しているのだけど、いわゆる「青の民(雨宮天のファンの総称)」と比べると“ニワカ”だからなー、という思いがある。

とはいえ、考えてみたらTrySailの仙台ライブの時もほぼ“ニワカ”だったわけなので、あの時と状況は変わらないのだ。あの時も諸先輩方にリードされながら超楽しめたから、今回も、気どらず、初心者マークがついているつもりで楽しんできます。

では、いざ幕張!

ヴィオラと歌とワインバー

親交があり、またフィットネス仲間でもある手塚貴子さんが、西麻布のカデンツァーレというワインバーでヴィオラと歌のステージを持つ、というので行ってきた。

手塚さんのヴィオラと歌は5月に聴く機会があったが、それ以来だったし、ワインバーという空間で、どのような演奏が聴けるのか楽しみにして行った。

2ステージ制で、1ステージ目はヴィオラの演奏。

最初の曲は「愛の挨拶」。
僕はこの曲が大好きで、ヴァイオリン演奏はいくつか聴いたことがあるけれど、ヴィオラでの演奏は初めてだった。
ヴァイオリンで聴くよりも暖かさがあって、まろみがある演奏。
ヴァイオリンがみずみずしい、まだ付き合いたての恋人たちの愛の挨拶だとすると、すこし落ち着いた大人の愛の挨拶のようで、夜のムードと良く合っていた。

続いて、手塚さんが一番好きな作曲家だと言うバッハの曲目から、「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調」が演奏される。
曲の切れ目で、店内を移動して場所を変えて弾く趣向が面白かった。
僕はヴィオラを演奏できないので(っていうかクラシックの弦楽器全部だけど)、その凄さの本質はわからないのだろうが、指使いと弓使いが間近で見られるという贅沢で貴重な経験ができた(全然弾けなくても面白いんだから、ヴィオラやヴァイオリンを演奏している人には最高に面白かっただろうなーと少し悔しかったりもする)。

続けて1ステージ目の最後はフォーレの曲から「シチリアーノ(シシリエンヌ)」、「夢のあとに」、「子守唄」と続けて3曲を演奏。
「シチリアーノ」は、個人的には、これ最初のフレーズを聴いて、なにかの思い出にひっかかる奴だ、と思った。でも、それがなにかは思い出せない、というか思い出すと泣くかトラウマを引っ張ってしまいそうなので(やや悲しい気分になるのできっとそういう系)、考えるのをやめて演奏を楽しんだ。
フォーレの曲はどれも僕の好みだったので、音源を色々聴いてみたい。

それにしても、ヴィオラという楽器は面白い楽器だなーとしみじみ思う。
やっぱり中音域に魅力があるのだろう。特に、お酒の店と相性が良い気がする。
音色も熟成されたウィスキーのような、または芳醇な赤ワインの味わいを感じた(キザな言い回し)。

2ステージ目は歌のステージ。

「Night and Day」、「Misty」とジャズのナンバーが続き、大人の時間を感じさせる。

続けてカルメンのアリア「ハバネラ」ではフランス語で歌唱、その後の「イパネマの娘」、「ワン・ノート・サンバ」ではポルトガル語と、語学好きな手塚さんならではのラインナップ。
「ハバネラ」もジャズっぽく夜の雰囲気があり、ボサノヴァは手塚さんのキャラクターにとても合っていてお洒落。

そして発見したのは、手塚さんの高音域の綺麗なところ。
プロのヴィオラ奏者だし、イメージとして“かっこいい女性”なので、中低音はもちろん素敵だけれど、少し高いキーの時に出す声が、クリアで魅力的な声質で、“可憐な女性”らしさを感じた。
ヴィオラ演奏同様、歌でも雰囲気を持っている人なので、幅の広い歌声を手に入れたら、もっと魅力が増すんだろうなあと思う。
5月に聴いたときには見つけられなかった魅力なので、次回、歌声を聞くのが楽しみになった。

実は初合わせだったという芳賀信顕さんのピアノ(と掛け合い)も楽しく、アンコールの「Fly Me to the Moon」まで、手塚さんの音楽性を堪能できたステージだった。

それにしても、手塚さんは、ヴィオラ、歌だけでなく、来年は指揮でも本格的にデビューするらしい。

その姿勢を見習いながら、僕も頑張ろう、と、パワーをもらえたステージだった。
次回もまたぜひ聴きたい。

復刻の浅草オペラ

今月初めに浅草オペラの復刻イベントである『ああ夢の街 浅草!』を鑑賞した。
ちょっと間があいてしまったが、感じたことを書いておこうと思う。

「浅草オペラ」の存在は聞いていたし、「コロッケの唄」というのがあるというのは知っていたけれど(聴いたこともある)、実際にその舞台を見るのは初めて。
お仕事でお世話になっているソプラノの大塚京子さんが出演されるご縁で、11/2の夜公演を観ることができた。

浅草自体、そんなに行ったことがあるわけではないので、そのイメージは浅草寺、そしてコテコテの東京漫才(ナイツとか東MAXとか)なのだが、その東京漫才の聖地とも言われる、浅草東洋館が、今回の浅草オペラ復活の舞台である(他の会場でも公演はされました)。

まずこの会場がすごかった。年季の入ったエレベーターで4階まであがると、これまた昔の映画館の入り口のような雑然としたロビーが現れる。そして劇場内に入ると、和風というよりは、昭和初期の大衆劇場を彷彿とさせる。
舞台のことを「箱」と呼ぶことが、その呼び名がぴったりといった印象だった。

そして浅草オペラの幕は上がる。

活弁士 麻生八咫さんの進行で、たくさんの歌い手さんたちが次々と歌う。ソロで歌う曲もあるが、コーラスはもちろん、歌い手さんが後ろで芝居を演じていたりと、とにかくにぎやか(そして飛び交う“おひねり”)。
なにせ、クラシックで鍛えたプロの方々が集まって歌うので、聴き応えがある。
それと、演奏もカラオケではなく、小編成ながらも(ピアノ、ヴァイオリン、クラリネット、アコーディオン)生演奏なのが良い。グルーヴ感が段違いに出る。

演出としては、昭和の大衆オペラを“そのまま”再現している、というよりは、当時の昭和を、多少のパロディとカリカチュアを交えて再構築しているんだと思う。
だから、当時の技術では最大限の努力だっただろう、ハンドライトでの主役へのスポット照明や、紙で作った小道具の月などが、令和の時代の今に再現されると「レトロ」という部分で笑えるのだ。

大塚京子さんは、テネシーワルツでは堂々かつ可憐に聴かせ、コロッケの唄では下町奥様なりきりで楽しませてくれた。
それからプログラムには載っていない「人形焼 木村屋本店」の生コマーシャルでもお母さん役で歌ったのだけれど、このCMソングが特に面白かった。
ローカル感もあり、スポンサーへの愛もあり、こういうのを当時の舞台でやっていたのだとすると、良い時代だったんだなと思う。

他に印象に残ったのは「おてくさんの歌」を演じた、みすぎ絹江さんと、島田道生さん。
あとで調べてわかったのだけど、島田さんは「カンツォーネ!」の掛け声でおなじみの(おなじみか?)オペラ芸人「島田夫妻」の人なんだね。
一度テレビで見て、僕の「面白くないけど好きな芸人」枠に入っていたので、ここで実際に見れたのは嬉しかった(でも芸人は解散したようです)。
とにかく、この二人の掛け合いが面白かった(そして歌うとすごい上手い)。
島田さんの「カッコつけながらもスカす」というのは、僕が思う「真にカッコいいこと」に通じるので、お手本のようにして観た(笑わせておいてキメるとこキメる、っていうのに憧れるのだよ)。みすぎさんとの間の取り合いも良かった。

それから鈴木沙久良さん(ソプラノ)。
系統の違う曲をたくさん歌っていたが、清純派の女優像から、はすっぱな小娘まで、同じステージの中でガラリと違う演技ができるのが見事だった。

また、この日の舞台では、特別に関西オペラ界のレジェンドと称される林 誠さんが出演したのだが、その“レジェンドぶり”たるや。
かなりご年配だと思うが、衰えない声量、魅了する歌声。本当に“生きる伝説”を見た、という感じになった(弟子の方々も素敵でした)。

何事も、人を楽しませるには技術が必要だ。
この復刻版浅草オペラ。高い技術を持った方々が、プロに徹してやるんだから面白くないわけがない。
出ている方々はほとんどがクラシック畑の歌手の方だから、ある意味“おふさげ”な舞台はとても難しいだろう、照れたりしたら観客はしらけるし、「自分のカラーじゃないからこんなのできない」という感じで演じていたら見透かされる。
そういうことを全く感じさせなかったから、出演者全員が舞台を楽しんでいたのだろう。

真剣にふざける、でも音楽に対してはとことん真面目に。

そういう部分に隠れたプロフェッショナリズムを感じた。
聴きながら、純粋な楽しみと、出演者への畏怖の念がないまぜになった。
いやあ、皆さん、スゲーよ。

実際は、ヨーイドンのぶっつけ本番に近い部分も多いようだが、それを感じさせないし、多少のミスもご愛嬌で済ませられる。
決して十分な練習時間がとれたわけではないだろうけど、こういう舞台を作り上げられるということで、舞台への取り組み方も学べた。

高い技術を“オモシロ”に落とし込むっていうのは、自分のやりたいことにも通じてる。
そういう意味でも十二分に刺激を受けた場だった。
プログラムが3パターンあったようなので、次回復刻した際には、一通り見てみたい。

純粋に楽しめたし、勉強にもなった。
エンターテイメントってこうでなくっちゃね。

食べる女神

どうやら世間は3連休らしい(最近このパターン多いな)。

今朝はなんとなく心が晴れなかったので、思いたって麻倉ももの写真集『ただいま、おかえり』を読んだ。買って2、3日見た後に本棚に(大切に)しまっておいたのだった。
癒しを求めて読んだのは確かだけれど、自分の想像以上に癒されたので、驚きとともに「読んで良かったー」っていうか「買っておいて良かったー」と思った(心から)。

声優とはいえアイドル的位置にいる人なので、もちろん1ページ目から可愛いのだけれど、特に、ものを食べてる写真を見ていると元気が出てくる。

僕がもちょを特別可愛いと思うのは、TrySailの活動を知っているからで(そしてだいぶファンなので)、だからこそ、こういう写真集でなくても、角度によってぶーちゃんになる(特にデビューしたての)もちょも「可愛い」と思う(それがファンというものだからだ)。
でも、この写真集のご飯食べてるところは、そういうの知らない人でも、ファンでなくても可愛いと思えるに違いない。

美味しそうに食べてるだけでなく、ちゃんと「血肉にしてる」様を感じるのだ(字面にするとややホラーだな)。
なんか「食事をする」ってこういうことだよね、って思う。エネルギーを吸収する姿で、こちらもエネルギーをもらえるって、すごいことじゃないか。

神か。

女神か、そうか(錯乱)。

さて、色々あって本日の予定がガラリと変わったので、浅草に行ってきた。
仕事関係でお世話になっているソプラノ歌手の大塚京子さんが「ああ夢の街 浅草!」という浅草オペラを復刻する舞台に出演していて、お誘いされたからだ。
最初は会場である東洋館のコテコテさにたじろいだけれど、いろんな歌、寄せ集めな感じでとても楽しかった。全く飽きなかったよ!(この話はまた改めて。)

それから、とりあえず浅草と言えば「ドラクエウォーク」のお土産クエストがあるので帰りにやってきた。
浅草に来たのは5年ぶりぐらいだったけれど、雷門を通ったのはもっと前だ。思ったほど大きくない、それ以上に吊るされ方が低いことが意外だった。
想像と違うことって多いよね(ボケてきただけ?)。

そういうわけで予定とは違ったけれど、その違うところで密度の濃くなった日。
それもまた人生というものだ(大きく出た)。

明日も頑張ろう。

演奏会『クララ・シューマンと仲間たち』

練馬区演奏家協会コンサート『クララ・シューマンと仲間たち』に行ってきた(@練馬文化センター 小ホール)。

ヴァイオリンの西谷国登さん、チェロの毛利巨塵さん、ピアノの坂田麻里さんの3人によるユニット「石神井の森トリオ」の演奏会だ。

そのタイトルにあるように、シューマンの妻であり、ピアニスト、作曲家としても知られるクララを中心に、交友のあった音楽家や女流音楽家の曲がラインナップされるというコンセプトの演奏会だった。
その趣向を凝らしたコンセプトの影響か、途中の曲紹介をそれぞれがブラームス(西谷さん)、ロベルト・シューマン(毛利さん)、クララ・シューマン(坂田さん)に扮して、寸劇風に行うという試みも。
普段、クラシックを聴き慣れないお客様もいただろう中で、堅苦しさを取り除くようで、面白い試みだったと思う。

1曲目はブラームスの「ハンガリー舞曲 第6番」。
軽快でノリが良い曲が最初にくることで、こちらの気持ちもグッと前向きになる。

次のシューベルトの「セレナーデ」は、冒頭の有名な部分しか知らなかったけれど(我ながら不勉強)、人生の喜怒哀楽を感じられる素敵な曲だった。

3曲目の「F.A.Eソナタ」は、すでに西谷さんの“持ち曲”と言えるほどサマになっているが、今まで聴いた彼の演奏の中で、一番、そのモチーフである「自由だが孤独に(Frai aber einsam)」を表現している演奏のように感じた。

4曲目の「無言歌 ニ長調 op.109」。
フェリックス・メンデルスゾーンによる曲だが、毛利さんならぬ“ロベルト”が言うには、「無言歌」という名称は、姉であるファニー・メンデルスゾーンが考案したものらしい。
坂田さんのピアノと息のあったチェロの音色は、老練な滋味深い味わいでとても魅力があった。

前半最後は、今日の主役であるクララ・シューマン作曲の「ピアノ・トリオ ト短調 op.17」。
メランコリックな出だしで始まり、短編映画を観ているかのような展開の第1楽章のドラマティックさに、思わず楽章終わりで拍手をしてしまう。
4楽章の曲だったが、楽章をつらぬくヒロイックな印象が心に残った。

休憩をはさんで、第2部は、坂田さん演奏によるピアノ曲が3曲続く。
まずは、バダジェフスカの「乙女の祈り」。
耳馴染みのある曲だが、生演奏で聴くと、より楽しいのがわかる。同じようなメロディーが少しずつ変化をつけて続いていくので、それを追いかけるのも面白い。

そして短い曲であるシマノフスカの「ノクターン 変ロ長調」をはさんで、ショパンの「ノクターン 嬰ハ短調 遺作」が演奏された。
美しい旋律に、ときおり陰がさすようなメロディラインと、その技巧に、これぞ「ピアノ曲」といった印象を受ける。生で聴けて良かったと思える曲。

そして最後は、ファニー・メンデルスゾーン作曲の「ピアノ・トリオ ニ短調 op.11」が演奏される。
ドラマティックな第1楽章、女性としての優しさや慎ましさ(あるいはそれは生きるための方便だったかもしれないが)を感じる第2楽章、第3楽章でロマンティックになり、最後にガツンとくるような第4楽章といった、聴き応えのある構成の曲。
ぜひ、もう一度聴きたくなるような演奏だった。

アンコールは、シューマンの「トロイメライ」で(最後までロベルトを演じていた毛利さんが素敵だった)、懐かしいような落ち着いた雰囲気を作って、この演奏会が終わった。

さて、この演奏会、内容の濃さはもちろんのこと、その聴衆の多さがとても印象に残った。
約600席がほとんど埋まるほどの客数に「クラシックの生演奏を聴きたいという人がこんなにたくさんいるんだな」と改めて思った。
仕事柄、僕は一般の人よりは生演奏を聴く機会に恵まれているが、それがいかに貴重な経験であるかを痛感した出来事。

そして、今回、この演奏会に来た人たちが、生演奏の楽しさに触れ、また足を運ぶことになったら、それはとても嬉しいことであるし、きっとそうさせてくれるだろう演奏をしてくださったお三方を、いち音楽業に携わる者として(そしていち音楽ファンとして)心から尊敬している。

また、こういったコンセプチュアルな演奏会に行ってみたいなと思う。