縁&縁

労働を半ドンにもならないぐらいにこなして、知り合いの方の舞台を観に行った。

仕事関係で知り合ったのだが、お人柄のとても素敵な方で、久しぶりに舞台に復帰されるという連絡をいただき、観に行った(なんの舞台かは諸般の事情で書かない)。
小規模なオペラの公演で、オケも編成が少ないのだけれど、途中でパンフレット見たらヴァイオリンが、なんと石オケでもお馴染みの伊東佑樹さんと書いてあって超焦った(この時点で、なんの公演かわかる方はわかっちゃうけどさ)。

ふらりと行った舞台で、知り合いに会う。しかもその楽器担当一人しかいないのに。これ確率としてはかなりレアなんじゃない?
……と思ったらやたら興奮してしまって、終演後に知り合いの方とも、伊東さんとも変なハイテンションで話してしまって、今すげえ落ち込んでいる(人見知りあるある)。

知り合いの方は異例の経歴とブランクゆえに、だいぶ緊張、恐縮されていたけれど、舞台上では、他の出演者に劣らぬ存在感だったし、伊東さんは仕事(=演奏)してる姿を見られるだけでも貴重だが、演奏も素敵だった。っていうか、求められることが多すぎるというのが素人の僕でもわかったが、それをこなした上で、歌いやすいだけでなく、ヴァイオリンとしても魅力のある音を出していた。
とにかく良いものを見たし、すげえ縁を感じた日だった。

で、帰ってきて、ちょっとだけカラオケして(10曲)、晩酌して今ここに至る。

明日のお昼締切のKAC2023のお題「筋トレ」はまだ1文字も書いていない。オチが全然思いつかないが、最初から書けるところまで書いてすすめるしかないかな。
花粉症と酔いで、頭がすっかりおやすみモードだが、ここで脱落はしたくないので、なんとか頑張ろう。

そんなわけでちょっと遠出したし疲れたけど、良い一日でした。
明日の労働、なんとか乗り切りましょう。

キャス納め、推し活納め、肉納め

ツイキャス「ザンクとルーペの読書感想文」日比野コレコ著『ビューティフルからビューティフルへ』編を配信した(アーカイブはYouTubeで)。

中野のカラオケまねきねこで、今年最後の配信でした。10人読んだら10人違う感想がでるような小説だったので、自分なりの感想を上手く伝えることが難しかった。ちゃんと話せただろうか。
「オススメ度」度外視で、ものすごい魅力のある作品ではある。

そして、アフタートークは「『すずめの戸締まり』話&2022年の総括とか2023年の抱負とか」と題して、本当に“ザ”雑談(=“ジ”アフタートーク)的な配信をした。

けっこうアレなワードが出た気がする。それでも最後は、本編の『ビューティフルからビューティフルへ』につながるような人生観みたいなものが出るミラクル(言い過ぎ)も出て、個人的には良かったんじゃないかと思っている。もう一度聴き直す勇気はないけれど(どっちなの?)。

ところで中野のまねきねこはドリンクバーにコーヒーがなかった。
ルーペさんがそう言ったので、んな馬鹿な、ルーペさんってば老眼入ってきたから(ディス)見落としてるだけだろう?と思ってバーに行ったら(略すな)、本当になかった。中野区民はコーヒーを飲まないのだろうか(主語がデカくなるタイプ)。

で、その後は中野サンプラザで行われた、「雨宮天のてくてく天ちゃん公開収録」の夜の部を観た。ファンの集い感は強かったが、これはこれで楽しかったよ(2曲生歌聴けたし)。僕は僕なりの「ファンの距離感」を持ってるよなーと今更ながら思ったりした。なんというか、推しが元気で良かった。

終演後にルーペさんと焼肉ライクで夕飯(&ちょっと晩酌)。満喫した。

そして早めに解散し、今に至る。
推しが推してた駄菓子の「ペペロンチーノ」が、中野サンプラザ近くのドンキで売り切れてたが(青き民さすが)、地元のサミットで見つけて買ってきたので、これをおつまみにしてちょっとだけビール飲んで寝る。

良い休日だった。
2022年もあと2日(と少し)。良い気分のまま新年を迎えられますように。

MiKn Project Op2-2 Piano Trio Concert

ヴァイオリニスト西谷国登さんとピアニスト石渡真知子さんに、チェリスト大木翔太さんをゲストに加えたMiKn Projectによるピアノトリオ演奏会に行ってきた。

2月のOps1-2の時と同じく、坂戸市にあるTTT森の響きホールでの演奏会。
曲目は昨日大泉ゆめりあホールで行われたOps2-1と同じだけれど、昨日は裏で(しかもモニター越しに)聴いただけだし、自分の出番もあって曲を楽しめる余裕はなかったので、今日の演奏を楽しみにしていた。そして、その期待を上回る楽しさだった。

最初に演奏されたのは、ドビュッシーのピアノ三重奏曲 ト長調。
演奏前に、石渡さんの曲説明があって、この曲は当時18歳だったドビュッシーがヴァカンス中に書いたものということだったが、まさに南仏の砂浜が思い浮かぶような曲だった。
第1楽章では、華やかで穏やかなビーチ沿いで、のんびりとした休日の雰囲気をもち、第2楽章は、弦楽器の細かい動きが、少しの不穏さと好奇心がざわつく感じをさせ、知らない街を散策しているようなドラマチックな楽曲。
第3楽章はチェロがメインを張るような出だしから、避暑地の町並みを上空から俯瞰で旅するような優雅な旋律が続く。

で、この楽章の三人の表情がとても良かった。自分の音を響かせつつ、他の演奏者それぞれの音を感じているのが伝わる。この楽章の最後の音を奏でた直後の写真が欲しいと思うぐらい、トリオの世界観がふんだんに出ていた。

そして第4楽章。「Appassionato」なだけに、迷宮に迷い込んだようなうねりを感じるダイナミックな出だしから、曲が様々変化して聞き飽きない。なんというかひとつの人生を描いているような壮大な楽章に感じた。何度も繰り返して聴きたくなるような演奏だった。

2曲目はメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲 第一番 ニ短調。
「メントリ」という愛称がつくほど人気のある曲ということ。

第1楽章は重厚で、これぞ「クラシック」という感じが強い。ピアノの速い動きがすごい。後半とくに盛り上がりにかけては圧倒された。個人的には、途中リタルダンド入った後の小節が好きだなーと思った。
第2楽章はシンプルな印象だが、それだけにちゃんと聴かせるように弾くのはとても難しいと思う。音の粒が揃わないとカッコよくならない。それがきちんとできるお三方が(どの楽器を弾けない僕でも)技術と感情の込め方のレベルが高いとわかる。
第3楽章は一転、軽やかな始まりから、速いスピードの中で、緩急をつけつつ、お互いのフレーズの出入りに気を使う場面が多く、これもまた合わせるのが難しい。
そして第4楽章ともなると、曲の理解度が高くないと、エンディングのところなど崩れてしまうのではないかと思うのだけれど、きちんと弾ききるのが見事。
楽器の弾けない僕がいうのもなんだが、良い演奏にするためには高い技術と、深い理解力が必要な曲なんだろうなと思った。
なんというか「ごまかしがきかない」楽曲なのだ。だからこそ愛称がつき、人気があるのかもしれない。

2曲とも違った良さがあって、1時間があっというまだった。
ドビュッシーのピアノ三重奏曲は、「この曲好き!」ってなって、ヘビロテしたくなったし、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲は、僕がもう少しクラシックを理解してから聴き直したいと思った。
アンコールのハンガリー舞曲 第六番含め、良い時間を過ごさせてもらった。初心者から愛好家まで楽しめる素敵な演奏会だった。

そして、前回もふれたけれど、このTTT森の響きホールは、フラットで演奏者と客席が近い小さなコンサートホールだけれど、音が正面から発せられるのではなく天井を回って包み込まれるように聴こえて、曲の世界に入り込める。
このホールでいろいろな演奏を聴いてみたいなと思った。

生演奏、しかも素敵な演奏を素敵な場所で聴く贅沢を堪能した演奏会。
出演した皆様お疲れ様でした。次の機会も楽しみにしております。

サイン・小サイン

忙しい4日間の初日。

労働(言い方)はちょっと最後バタバタしたけど(だいたいこういう急いでるとき、なんか足止めされるよね)なんとか切り上げて、夜、MC仕事本番。大泉学園ゆめりあホールでの「Mikn Project Op.2-1」コンサート。

ヴァイオリニスト西谷国登さん、ピアニスト石渡真知子さん、チェリスト大木翔太さんのトリオによる演奏会。曲間のトークに参加しました。
お三方とも演奏が素敵なのはもちろんだけれど、喋れる方々なので、とにかくまわし役に徹した。それぞれのキャラクターが見えて、演奏をより楽しめるような形になっていれば良いなと思う。
演奏するわけでもないし、ただ喋るだけなのだが、なんだかんだでステージに上がるのは緊張するので、とにかく無事、事故なく終わって良かった。

で、今回は出演のお三方のサイン会もあって、当然僕はサインする“わけがない”んだけど、前回も声をかけてくれた小さなファンの方がいて、押しつけ気味にサイン書かせていただいた。その前に音楽友達もねだってくれたので4度ぐらい練習してからだったので、少しはカッコよく書けたと思う(身内以外に書いたの初めてだったよ)。
ありがたい限りです(マジで!)。
ハリウッドデビューしても、この思いを忘れずにいるよ(そういうこと言う自体でもうアレね)。
明日は坂戸市のTTT森の響ホールにてOp.2-2の演奏会があるので、それはもう、単純に演奏を楽しみに行く。

で、明後日、香川に旅立つのだが、あいかわらず旅程をちゃんと決めてない。明日午前中に決めます。とはいえ台風の強風域と飛行経路がニアミスしそうな感じなので、果たして無事行けるのかどうか。まあ飛行機が欠航しない限りは行きます。

そして夜はツイキャスしますよ。忙しい最中に、より忙しくしてみるという、自分にドSな態度をとる。精神的にどうかしちゃってんのかもしれない(どうかって何よ?)。

まあ、全てのことをうまくこなせるかどうかは、もう明日の朝、早め(といっても8時)に起きられるかにかかっている。
まずは起きることに精一杯努力してみます!

第10回 西谷国登ヴァイオリンリサイタル Special Ver.

西谷国登さんの第10回ヴァイオリンリサイタルだった。

2年前の5月に予定していた公演が新型コロナ感染拡大の影響で中止となり、自身のリサイタルは前回2018年から実に4年ぶりの実施となる。
国登さんの「同じものをやるのではなく、バージョンアップしたい」という性格からか、2年前に予定していた曲目ではなく、今回のために新たに組み直したプログラムで開催された。

そのプログラムは
ブルッフ『ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調』(弦楽オーケストラ版)
サン=サーンス『ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調』(弦楽オーケストラ版)
フランク『ヴァイオリン・ソナタ イ長調』

「メインの曲目として1曲ヴァイオリン協奏曲を弾く」というのが一般の演奏会なのにそれを2曲続けて弾き、その後ヴァイオリン・ソナタという、メインディッシュ3つ、あるいは某テーマパークに例えれば、マウンテン系含む180分待ちのアトラクション3連続みたいなラインナップ。
聴いているほうは単純に楽しめばよいが、協奏曲のソロを2曲やり、そのあとソナタを弾くというのは、普通ではありえないプログラミングだ(いや、やはり聴くほうもエネルギーが必要かもしれない)。

本来はフルオーケストラの楽譜である協奏曲2曲とも、弦楽オーケストラ用に西谷さんが自らアレンジして、その曲のソリストをしながら、オケの指揮も同時に振るという、とてつもない荒業にチャレンジしている。
果たしてそんな荒業が可能なのか、というと、これが本当に素晴らしい出来なので恐れ入る。
ソリストとして最後まで集中を切らさないエネルギーもさることながら、指揮も片手間で「フリ」をしているのではなく、きちんと振って曲に色を付ける。

そしてこの弦楽オーケストラ版のアレンジがすごい。
初めからこういう譜面が書かれていたかのような完成度。実際に譜面を見たわけでも(ましてや読めるわけでも)ないが、全弦楽器が合わさったものを聴くと、全ての楽器が共鳴しているように聴こえた。
ソリストに対して伴奏に徹するのではなく、オケとして聴かせどころを作ったアレンジで、普段、オーケストラの音楽監督をしている西谷さんの能力が遺憾なく発揮されたように思う。
オケとのフレーズの受け渡しやフィンガリングの共演など、随所に掛け合いを取り入れて弦楽曲の面白さ、技術の高さを感じさせた。

そして、それをきっちり音楽に昇華させるオーケストラのメンバーも圧巻。
コンサートマスター伊東佑樹さんをはじめ全員、1音1音がなぜ譜面のその場所に書かれているのか、西谷さんの意図をきちんと理解して弾いている様子が見事だった(そして何より皆さん楽しそうに弾いていた)。

濃厚で迫力のあるヴァイオリン協奏曲2曲のあとは、休憩をはさんで、ピアニスト新納洋介さんとのフランクのヴァイオリン・ソナタ。
二人でCDレコーディングしている経験や、すでに演奏会でも共演しているので、お互いをよく知っていることもあり、聴く方も安心して曲に浸ることができる。その中でも阿吽の呼吸で「遊び」を取り入れ、この日、この瞬間にしか聴けないフランクのヴァイオリン・ソナタで楽しませてくれた。

アンコールの『チャールダッシュ』では、「こんなチャールダッシュあるの?」と思えるほどの自由かつ楽しい演奏を披露され、一流の音楽家の共演を鑑賞することができたことを嬉しく感じた。

 

前半は、代名詞でもある「ヴァイオリニスト兼指揮者」としての総合的な音楽の素晴らしさを表現し、後半は新納さんのピアノを信じて、思う存分楽しみ、楽しませる演奏。まさに「西谷国登リサイタル」という名にふさわしい、他の演奏家では実現できないステージだった。

それをこなせたのは、4年間思うように演奏会ができなかった月日の中で培った、「お客様を楽しませたい、西谷国登の表現する世界を存分に感じてもらいたい」というアーティストとしての覚悟なのかもしれない。
彼にしかできない舞台を作り上げ、唯一無二の境地に至ったとすれば延期の2年は無駄ではなかったろう。

そして、その余韻に浸る間もなく、来年の9月23日にはすでに次回のリサイタルが予定されている。自分の演奏を楽しみに来る方々に期待以上のパフォーマンスを披露し、それでいて、また新たな境地を見せるくれるに違いない。

キャス人間

ツイキャス「ザンクとルーペの読書感想文」の配信日だった。

本編は、芥川賞作家で芸人の又吉直樹著『人間』。

面白いな、と思ったのは、僕とルーペさんで主人公像が全然違うこと。
語り手(主人公)の言うことがどこまで事実なのか(真実ではあるのだろうけど)、という不穏さを感じた小説だったので、そのあたりの影響かも、と思うとやっぱり只者ではない作品なんだよね。
太宰治の『人間失格』を読んでから、もう一度読んでみようと思う(なぜかはツイキャス聴いてみてください)。

そしてアフタートークは、夏川椎菜の2nd LIVE Tour MAKEOVER(渋谷公演)の感想。

44回(22回×2)の「読書感想文」の中でナンちゃんを取り上げるのは6回目。
もっと多い気がしていたが、昨年の7月以来、約1年ぶりだった。いかに1年目のアフタートークを夏川椎菜頼みにしていたかがわかる(まあ初回ダブルで『ぬけがら』だしな)。
ナンちゃんの小説『ぬけがら』が出るっていうので、感想キャスやろうと思い立ったのがこのツイキャスが始まるきっかけだった。今22回も続けられて、『流浪の月』の映画を扱った回は586回(ブログ執筆時)も再生されている。
純粋に「ルーペさんとお題を決めて語り合うのが楽しい」というモチベーションでやっているものが、こうやっていろんなひとに聴いてもらって、楽しさを共有できていると思うと嬉しい。楽しいことがあるというのはありがたいことです。

8月の課題図書は決まっているのだけれど、7月はまだ。
でもこれからも続けますので、どうぞお付き合いくださいませ。

再び千葉の祭り「令和4年度417の日」

夏川椎菜のイベント「令和4年度417の日」観覧。

昨年はYouTubeでそのプロローグとも言える417Pチャンネルを見ていたので、なんとなくどんな感じの催しかわかって、でもその上で「ミサ感」の強い印象だった。今年はなんの予備知識もなく来てしまい去年以上に不安だったが、超楽しかった(相変わらず忠誠度は試されたけどね)。推しが楽しんでる姿を見るのは楽しいというのが7割、ステージとして楽しいのが3割といった感じの感想。とにかく今すぐカラオケ行きたくなったよ(機種はJOYSOUNDな)。

で、なんとブレードを忘れてしまうという失態を初めてしてしまう。
昨年の417の日はあまり振るシーンもなかったし、大丈夫かなーなんて思ってたら、ほぼ振る、そしてスタンディングの展開だったよ。ブレードなしで推しの歌に合わせるだなんてことを、まさか417の日で初めてすることになるとは思わなかった。すっごい“はだかんぼう”の感覚。ブレードなしでノリノリになれる先輩方ってすげえんだなーと思った39歳(しかも公称)。

そんな楽しいイベントだったが、8連勤の出だしなのでルーペさんとの打ち上げもせずに真っ直ぐ帰宅。
帰り道で、色んな感情が去来して寂しくなった。というか「明日休みならいいのにな」と心から思った。しばらくは我慢の時が続く状況なのだが「でも、やるんだよ!」と思う自分もいる。自分を鼓舞していくしかない。
そして「推しは推せるときに推せ」ということを痛感する今日この頃でもある。

ノンアルコールでちょっと飲んで寝る。
とにかく頑張りましょう。

MiKn Project Op.1 二つのコンサート

MiKn Project(ミクンプロジェクト 通称ミクプロ)というヴァイオリニスト西谷国登さんと、ピアニスト石渡真知子さんによるユニットが行うコンサートに行ってきた。

会場は埼玉県坂戸市にある「TTT森の響きホール」。

先日2月5日に、チェリストの大木翔太さんを加え、ミクプロの初コンサートであるOp.(オーパス)1-1が大泉学園のゆめりあホールで開催された。今回はOp.1-2と題して、中心となる曲は同じだが、場所と趣向を変えて演奏するのだ。

ところで、このOp.1-1には、なんと自分が出演した。
前半に西谷さんの「KUNITOのPodcast!」の公開収録をしたからだ。レギュラー出演している僕に「出てください」という話を、もう半年以上前にもらっていて、そのためにダイエットとかアレとかソレとかに励んでいた(つもりなんだ)けれど、結局、負傷だの食べざかり(ただの言い訳)だの、とにかく不摂生を改善できずに「素」どころか、ややマイナスなコンディションで出演したよ。

言わば「初顔出し」だったのだけれど、“僕が誰だか”当然知っていると思っていた人に「えー!アンタだったの?」的なリアクションされたりして、声の印象って変わるもんなんだなーと改めて感じた。
あと、とても小さなファンの方がねぎらいの言葉をかけてくれて、当日の出来に落ち込んでた自分としては、これを糧に、もうしばらくは頑張っていこうと思った(まだ始まってもいないくせに)。

そんな1-1の話は置いておいて……今回の1-2は、そういう出演者としてのプレッシャーもなく純粋に観客として楽しみに行った。

前述のTTT森の響きホールは、石渡さんのお父様が建てた小ホールで、外観は普通の一軒家なのに、中に入ると全面が木で覆われた素敵な空間が広がっている。ただの装飾品と思われるオブジェも音の反響や吸収を考えて置かれているそうで、響きにとことんこだわって作られた場所だ。
足を踏み入れただけでも、なんだかワクワクしてくる。

まずは石渡さんのソロ演奏、メンデルスゾーン 無言歌より「紡ぎ歌」作品67-4からコンサートは始まる。
フォルテピアノという楽器(普通のピアノの正式名称はピアノフォルテ)での演奏で、ピアノとはもちろんチェンバロとも違う小気味良い音を奏でる楽器だった。舞台の右に置かれて、楽器のボディが客席側に向いているので、僕のところから石渡さんの演奏姿が正面で見られたのがレアだった(テレビ中継見てるみたい)。
シンプルで可愛い曲だけれど、右手が常に軽快に動いていて、その右手どうなってるの?と思った。ちなみに僕は石渡さんが演奏中に左手を挙げる仕草が好きなので、それをこのアングルで見れてラッキーだった(超個人的趣味だな)。
あとフォルテピアノは、後で鍵盤みたら黒鍵と白鍵が逆だったのが斬新だった。この辺りは歴史を辿ると“沼”にハマりそうな気がする。

続いてはメンデルスゾーンのヴァイオリンソナタ第3番 ヘ長調。
演奏自体も素晴らしかったが、このホールがさらに演奏を輝かせる。とても良い響きで、暖かい優しい音色に包まれるような体感ができた。
ピアノは低音が床から沸き立つようで、高音にかけて奥行きがあり、ヴァイオリンの音色は360度に広がる感じ。この曲のお二人の演奏は動画でも聴いているけれど、同じ曲でも環境によって違って聞こえる。
第1楽章は最後が特にカッコイイ。第2楽章はせつなくもドラマティック。第3楽章は出だしにハッとしつつ、でもドイツ作曲家らしさなのか、きちんとシステマチックな進行で作られている気がした。
ピアノもヴァイオリンも早くて動き続けるフレーズが盛りだくさんで、弾ける人が聴いたら(見たら)もっとすごく感じるんだろうなー。
あと、これを2月5日も弾いてたんだなーと思うと感慨深い(燃え尽きてちゃんと聴いてなかった)。

換気休憩をはさんで、サン=サーンスの「白鳥」をチェロとピアノで。
組曲「動物の謝肉祭」で最も有名かつ、チェロといえばこれというこの曲は、「紡ぎ歌」同様、今回初演奏。大木さんの演奏が優雅で心地よかった。
このホールだと、チェロは鳴りが太い。高音は抜けが良く、中低音は太い。チェロの演奏の良いところが感じられたので、やっぱりこの楽器の代表曲なんだと思った。

最後はサン=サーンス ピアノトリオ第1番 ヘ長調 作品18。
第1楽章はフレーズを受け渡すところなど、わかりやすい聴きどころが多く、曲として面白い。弦同士が受け渡して、合わさって進行していき、ピアノが支えながら、時に交わるのが美しい。
第2楽章。繊細なパートが多く、お互いを感じ合わないと破綻しそうに思うが、3人がしっかり息を合わせていて素晴らしい。それも体育会系の「掛け声をかけるような」んじゃなくて、自然と染み込むような合わせ方が心地よい。
緩急をつける箇所が多かったが、ホールのおかげでその緩急が響きになって、はっきりとわかった。最後、最初と同じメロディなのに楽器ごとの役割が代わっているのが面白かった。
第3楽章。細かい動きが多い。弦はフィンガリングをつかったりして、ちょっと小粋なシャンソンっぽさを感じた(最後のところなんか特に)。
そして第4楽章。最終楽章だからか、華やかで集大成な楽章。中盤、ピアノに支えられながらのヴァイオリンとチェロの追いかけっこが華やかで面白い。後半はドラマティックで独創的。
演奏の前に、石渡さんから「フランスの曲は絵画鑑賞のように、色彩豊かで眼で楽しめる音楽」という解説があったが、そのとおりの印象でとても良かった。

アンコールのブラームス ハンガリー舞曲第6番まで、良質な音楽に浸れたコンサートだった。
お三方のキャラクターだろう、全体的にサービス精神旺盛な明るく楽しい演奏会で、落ち込むことが多い世相だからこそ、こういう演奏を聴けてよかった。
「音楽には力がある」ということを実感できる時間を過ごせた。

Op2は9月に開催。次回も楽しみにしたい。
ご興味ある方はぜひご来場を。ちなみに僕は出ません(なにこの自己主張)。

観劇と読書(途中)

日生劇場でミュージカル「イントゥ・ザ・ウッズ」を観た。

知り合いが行けなくなったので、チケットを買い取ったのだ。
「ディズニーが昔、映画にしてたよなー」という程度の情報しかないのだけれど、元宝塚の望海風斗を生で観たかったし、歌を聴きたかったので譲り受けたのだった(歌が上手い人はシンプルに好きになるんだよね)。

内容的には「関西のノリ」っぽい演出で笑えるところは多いものの、ストーリーがやや凝っているというか、結論を観客に投げる感じだったのでモヤモヤしたが、望海風斗はやっぱり圧巻の歌唱力と細部まで行き届いた演技が素晴らしく、それだけでも観に行って良かった。あと王子のデュオ(特に弟役の渡辺大輔)も楽しかった。
あまりミュージカルを(どころか芝居も)観る機会がないけれど、ぽちぽちと気になるのは観ておこうかなと思う(去年の「プロム」も良かったしね)。

さて、今月の「ザンクとルーペの読書感想文」が明後日1月14日に迫ってきたが、まだ課題図書の筒井康隆著『残像に口紅を』を読み終えていない。再読だからと甘く見ていた自分のせいではあるけれどね。でも、ちゃんと読み終えて、キャスやりますよー。
あと、アフタートークは「2022年の抱負」的なものをノープランで話します。ガチの「アフタートーク=雑談」の可能性大。13時からです。お暇ならぜひ。

そんなわけで良き休日の過ごし方ではあった。
読書して、終わり次第寝る。

2021年の推し活締め

TrySailライブツアー「Re Bon Voyage」東京公演二日目に参戦してきた。

東京ガーデンシアターという新しいホールは、すごい見やすい良いホールだった。
今回は江戸川台ルーペさんがチケット取って、見事にアリーナかつセンターオブセンターの席で、周りに古参のファンに囲まれながらのライブだった。
人の頭ごしにステージが見えて、ああこの席だとこういう見え方するんだ、とまた一つ勉強になった。いくつになっても学ぶことはある。
あと横浜公演の時よりも、気持ちも席も前向きだったので(そして、とあることを「踏まえて」の参加だったので)いつも以上に楽しめたよ。

そして今年の推し活動はこれでおしまいなので、恒例の鳥貴族で打ち上げ。
一応、そういうことをできる状況なのは嬉しい。この先まだ油断はできないけれど、少しずつ日常を取り戻せればいいな。

すごく楽しい時間を過ごせた幸せと、ほんのわずかな悔しさみたいなものもある。
僕も僕のやりたいことをきちんと頑張ろう。