『シュガー・ラッシュ:オンライン』

前作『シュガー・ラッシュ』は2年前にケーブルテレビで観て、大お気に入り映画になったので、『シュガー・ラッシュ:オンライン』を劇場に観に行ってしまった。

前回は、ゲームの楽屋裏があったらどんな感じか、を描いていたが、今回はインターネットの楽屋裏を描く。
インターネットの世界の描き方(可視化)が見事で、インターネットに“中の世界”があったら、こういう感じだろうなーというのが良くわかる。
それと、インターネットはオフラインの世界よりも怖く、悪いもの(不正なもの)と正しいものの区別がつきにくさや、悪意が増幅してしまう感じも表現している。
それにひっぱられてか、ディズニーとしては攻めるくらいに、シニカルでブラックな笑いが多く、前作よりもその路線が強くなったかも。

僕は2年前に観たけれど、実際は前作から6年もたっている。
前作はヴァネロペ役の諸星すみれの演技が可愛すぎて、それもこの映画の魅力だったが、6年たった今回もその魅力が変わらなくてすごい(ラルフ役の山寺宏一はもちろん!)。

ラルフは大人で、ヴァネロペは子どもな見た目をしているけれど、それはキャラクターだから、とも言えて、どっちも中身は子どものよう。
ストーリー展開としては、その二人がそれぞれの「大人」になることを描いている。なので前作のように、ハッピーエンドで大団円。という結末ではない。
でも、この二人の関係は「親友」と描かれているが、「恋愛」や「友情」といった言葉では表せない二人の「絆」の、その思いの強さゆえの衝突を、二人でどうやって乗り越え、そして乗り越えた先には新しい関係があり、関係を更新して、さらに「絆」は深まるのだ、ということを改めて考えさせられる(もちろん、実際には残念ながらそこでサヨナラしてしまう関係もたくさんある)。シンプルだけど強いメッセージを入れるあたりはディズニー映画らしい。

単純に、ネットの世界の戯画化でネットあるあるが(まさかアレが入ってるの?みたいに、ネットで流行ったものを知っていれば知っているほど)楽しめたり、ディズニープリンセスが勢揃いして、しかも声優が同じ(つまり松たか子も神田沙也加も出ている)という豪華さやら、マーベルやスターウォーズもグループであるので多くのパロディができるディズニーの強さを感じたりした。

あと超個人的見解だが、クライマックスのシーンで、僕はファミコン通信で連載していたマンガ「しあわせのかたち」の「Dr.オリマ」の回を思い出したのだ。
それは同じくゲームをパロディにしているマンガだったから思い出したのか、この映画製作者が「しあわせのかたち」を読んだことがあるのか、はたまた、ああいう演出はこれまで使い古された手法なのか(桜玉吉自体がパロディをやってたからね)、誰か知っている人は教えてください。

少しほろ苦さが残る結末だったけれど、主人公二人の関係性が今後どうなっていくのか。もちろん続編をぜひ作って欲しい。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』を観た。

前作は同じ世界観である『ハリー・ポッター』シリーズよりも面白いと思ったので、続編もぜひ観たかったのだ。

J.K.ローリングはもう自分の好きなこと書いて、それで人気を得られるんだから、人生楽しくて仕方ないだろうなーと思う。もちろん創作の苦しみやら、葛藤やら、じゃない部分での悩みはあるだろうけどね。

この映画では、前作ではさほど感じられなかった『ハリー・ポッター』シリーズが持っている「暗さ」を継承してきて、単純にでてくる動物(?)の可愛さを愛でたり、魔法活劇を楽しんだりする部分は少ない。子どもがワイワイと楽しめる映画じゃない(『ハリー・ポッター』も後半はそんな感じだったけどね)。おどろおどろしさというか、人間の闇の部分が描かれてるので、親子でぜひ!という感じではない。
それと僕は、この映画が続編ありきで作られてる、って知らなかったので、きちんと完結せずに「次回に続く」という展開にモヤモヤした。

あと、前作はニュートが主体的に物語を進めていったけれど、今回はもっと大きな流れに巻き込まれた感じで(印象としては007の『スカイフォール』っぽい)、主役としてよりもストーリー回しの役割が大きく、彼自身の活躍らしい活躍がなかったのが残念。『ハリー・ポッター』サーガ(って勝手に言ってますが)のニュート・スキャマンダー編としては「つなぎ」の作品なので、これ単体で考えると、どうしたって消化不良。もちろん、続きを観たくさせるのだから、その点は上手いけれどね。
続きがあることがわかって、次回作が完結編だろう、なんて調べてみたら、なんとこのシリーズ全5作の予定だそうだ。
あと3作付き合えるか、って言われるとちょっとしんどい(時系列で言うと過去の話だから、結末がわかってしまっている、というのも長丁場に付き合う気力が削がれる理由のひとつ)。

キャラクターたちは魅力的なだけに、もうちょっとコンパクトにまとめてくれたらなーと思った。
と言いつつ、次作も多分観るだろうけどね。

映画 『search/サーチ』

全編PCの画面で展開する映画と話題の『search/サーチ』を観に行った。

前評判の高さ通り、最近見た映画の中では一番面白かった。その一番の理由はシンプルな筋書きでわかりやすいからという部分だろう。
父娘のすれ違いが起きた流れをスッキリ説明して、娘が失踪する頃には、すでに感情移入ができるようになっている。
それから良質のミステリーとして定石と言える「ヒントは全て画面の中にある」、そして「張った伏線をきちんと回収する」ということができているからだ。この映画はそれをミステリーの謎解きだけではなく、きちんと父娘関係のもどかしさにまで伏線を張っていて素晴らしい。
事件の謎を解くと同時に、知らなかった娘の謎にまで迫っていく中で、自分の娘を信じたい思いと、疑惑の増す状況証拠を突きつけられる父親の葛藤が上手く描かれている。演じるジョン・チョーも熱演。

全編PC(スマホも含む)の画面で進行する、という試みが目立つし、もちろんそういうトリガーがなければ、僕はこの映画に惹かれなかった。もっと言えばありきたりのミステリー映画で話題にもならなかったろうけど、思いついたアイディア一本勝負ではなくて、どうやったら画面の中で、そして溢れる情報(特に視覚情報)の中に、どうやったら観客に見てほしいものをちゃんと見てもらえるのかが良く考えられている。

Windowsの起動音や、iPhoneの着信音が流れたりするPCあるあるの部分でニヤリとし、リアルとネットでの人間の立ち居振る舞いの違いに呆れ(アメリカでも同じなんだね)、味付けとして面白い。
でもそれ以上に、メールを送るのか、文面をどうするのか、はたまた電話をかけるのか、しばらく放っておくのか、そういう選択するときの悩みや逡巡が視覚的にわかって共感を生む。PCを前にした人間なら誰でも思い当たるだろう、その間の使い方が絶妙だった。

ところで、主人公を含めて、この映画の登場人物たちは本当にPCを活用している。もしこれが本当のガジェット活用なのだとしたら、自分が使っている機能なんて、まるでペアレンタルコントロールされている状態のようなもんだ。
先日iPhone XSを手に入れたというのに、その能力の3%も引き出せてないんだろうな。反省しきり。

さて、この映画、結末がわかるまでハラハラしたけれど、最後の最後までお見事な構成だった。拍手したいぐらいの思い。
もう一度見直して、見落としていた情報をしっかり探してみたい。

『おじいちゃんはデブゴン』

爺さんと舐めてかかったら、超強かった、というパターンが好きだ。

そんなわけで爺さんになったサモ・ハンが超強い映画『おじいちゃんはデブゴン』を観た。

僕は『デブゴン』シリーズを観たことがない。
もっと言えば、全盛期のジャッキー・チェン映画だってロクに観ていない。だから、この映画が『デブゴン』っぽいのかどうかはわからない。太っているから愚鈍だろうと思ってみたら強かった、というのが『デブゴン』というタイトルから推測されるフォーマットだが、それを考えれば、“太っている”が“歳とっている”に変わったものの「実は引くほど強い」というフォーマットは守っている(ちなみに原題は『ボディガード』でデブゴン関係ない。というか、昔の『デブゴン』シリーズも、別にシリーズとしてつながってるわけではないらしい)。

前半は、近隣の少女に亡くした孫娘の面影を重ねて、友情のような愛情のような関係を築いていくという牧歌的な感じで進むが、後半1/3ぐらいは少女の父親を殺したマフィアの連中と血みどろの戦いが起こるという超展開。
サモ・ハンは強いしカッコいいけど、寄る年波か、ファイトシーンにスローモーションや骨が砕けるCGといったビジュアルエフェクトが多めに使われていた。個人的には、戦っている時の“間”というか“決めポーズ”みたいのがなかったのが、残念だった。
マフィアとの死闘しかり、突然のカーチェイスしかり、内部抗争しかりで、しっちゃかめっちゃかな展開で終わりそうになったけれど、最後に救われる話になっているので、観終わった後の印象は良い。

あと、往年のカンフースターがたくさん友情出演しているので、その時代の映画をよく観てた人はより楽しめるだろう(僕がちゃんとわかったのはユン・ピョウとユン・ワーだけど)。
みんな動けるうちに、ジャッキーも合わせて『プロジェクトA』の三人組が勢揃いする映画を撮っておいてほしい。

それからアンディ・ラウが普通に出演していて、僕が観る映画のアンディ・ラウはダメ男役が多い気がするが、この映画でも紛うことなきダメ男役だった。
それでいいのかアンディ・ラウ。

サモ・ハンを慕って、いろんな人が出てみたよ、という感じの映画だけれど、家でダラダラと「ながら観」するには良いカンフー映画だった。

恐竜アトラクション 『ジュラシック・パークⅢ』

『ジュラシック・パークⅢ』を観た。

これでシリーズ全てを観たわけだが、リアルタイムで観たのは最新作だけなので、今、この時代で昔の作品をどうこう言うのはちょっと躊躇われる。
でも、せっかく観たからには、感想を言っておきたい。

とにかく『Ⅲ』は前2作と作風が違う。
恐竜を使ったアトラクション部分を強化して、小難しい生命論や倫理観はアラン博士のセリフの中での批判程度に留めたことで、恐竜パニック映画としてまとめた感が強い。主人公が1と同じだしナンバリングタイトルなのに、外伝っぽいのはそのせいだろう。
なので過去3部作の中では、サラッと見るのに一番良いと思う(時間も94分と短い)。

もちろん前2作あっての『Ⅲ』だと思うが、「恐竜のいる島でサバイバル」という設定だけ知っておけば、これだけ観ても楽しめる。
『ジュラシック・ワールド』も設定だけ知っていれば、悩むことなく観れるけれど、その流れはこの『Ⅲ』から続いているのかもしれない。

前半はあんまり恐竜がでないので、予算が少なかったのかな、と思っていたら、後半はオンパレードだったので、そのあたりの盛り上がりの配置も計算されているようで、大人気作の3作目を作ることの難しさを感じられたりする。

尻切れトンボな終わり方が少し物足りないけれど、前2作の伏線などに結論を出さずに終わらせたことで、のちに『ジュラシック・ワールド』が作られたと考えると、これで良かったんだろう。主人公たちと一緒に、恐竜の島の探検を疑似体験するにはシリーズ一番の出来だと思う。

で、全部観た今、僕が一番好きなのは『ジュラシック・ワールド』。
エンターテイメント映画として一番バランスが取れている気がするのだ。

古典としての『ジュラシック・パーク』はリスペクトしつつ、まだこのシリーズを観ていない人には『ジュラシック・ワールド』を観ることをオススメしたい。

『アンダー・ザ・シルバーレイク』

評判が良かったので『アンダー・ザ・シルバーレイク』を見た。

評判通りの面白さ、というわけではなかったけれど、なかなか印象深いアート系の映画だった。
あと、R15+って、結構きわどいんだなぁと思いました。言動がきわどいだけじゃなくて、モザイクかかる感じの映像もあって(それも序盤に)、それからグロいっていうか残虐な感じのところもあるので、その点要注意。

内容は、夢か現実かわからないような展開をしていくんだけれど、明確な答えがでるわけではなくて、すべて見る人の解釈によるみたいなところがあります。

主人公は知り合いになったというか、一目惚れみたいな感じで近づいていい雰囲気になったけど、突然翌日に失踪してしまった女性を探して、謎というか暗号を解いていくんだけれど、なんというかジメジメした空気感の映画でしたね。
嫌いではない(むしろ好きな)タイプの作品だけども、結局何が何だかわからないというか、全てを観客に投げている感じがした。主人公の素性も謎だし(ただちょっとしたほのめかしはある)。
たくさん含まれているというハリウッド映画や芸能界へのオマージュや、舞台となっているシルバーレイクという地域性とか、そういうのがわかって見るならもっと面白いんじゃないかな(「犬殺しに気をつけろ」ってやたら言われてることだとか)。
日本人で、主人公にあんまり共感できない生き方をしてる僕としては、多分この映画の面白さを半分ぐらいしかわからないんだろう(ただ謎解きにNES=アメリカのファミコン が使われてるのとかは共感できたよ)。
フルに楽しむには映画(とくに昔の映画)についての知識がいるのかなと思うような映画ではありました。

主演のアンドリュー・ガーフィールドは角度によってはすごくかっこいいけれども、時々関根勤に見えたりもして、話に集中できなくなったりもした。でも、なかなか味のある役者さんだった。

純文学の小説を読んだみたいに、後でいろいろと思い出す感じの映画。
典型的な娯楽映画ではなくて、ふとした時にあのシーンはどうだったとか、とかこのシーンはこういう意味じゃないか、みたいなことを思い出す映画でした。単館上映系の映画が好きな友人と見たら、色々と解釈をし合えて面白いと思う。

『ロスト・ワールド/ジュラシックパーク』

『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』を観た。

『ジュラシック・パーク』の続編として期待されながら、その出来の悪さに酷評された、という触れ込みだったけれど、僕個人の好みとしては前作より面白かった。それは多分、人間たちが恐竜に立ち向かう姿勢が見られるからだろう。基本、大自然の中の生体を見るだけとか、襲われるだけ、みたいなのが好きじゃないのかもしれない。

20年も前の映画だからか、展開が間延びするところも多いが(とくにロープのシーンとかイライラした)、恐竜の怖さ(容赦なさ)をテンポ良く描いたパニックアクションとしては十分面白かった。殺され方も残虐さを直接見せるのではなく“ほのめかす”ような描写なのがスピルバーグっぽいとか思った。

これでこのシリーズで観ていないのは『ジュラシック・パークⅢ』だけになった。
ちゃんとシリーズ全作を観て、色々と書いてみたい。

映画『クローサー』

『ピクロジパズル』ですが、コレクション率71.6%まで来ました。

ついに難易度が「星5つ」になりましたが、まだ大丈夫、理塗り(勘ではなくて理詰めで塗っていくやり方)で解けています。
インターネッツで検索したら、イラストロジックというものはどんなに難しい問題でも絶対に「理塗り」できる、という意見もあったので、本当かどうか最後まで頑張ってみます。
ただこのレベルになると、僕の実力では塗り間違えをしてやり直すことが多くなってきた。そんなわけでクリアするまでまだまだかかりそうです。

間違えたところを塗ると完成にいたらないという点では恋愛もパズルみたいだなと思ったりします。
そんなわけで恋愛映画『クローサー』を観た(強引)。

主役はジュード・ロウ、共演はナタリー・ポートマン。
ナタリー・ポートマンはこの時本当に可愛い。『レオン』の時の可愛さとはちょっと違うけど、年齢的にも女性の中に幼さを残していて、奔放なところも役柄にあっていた。
それからジュリア・ロバーツとクライブ・オーウェンが共演。
この映画はナタリー・ポートマンがストリッパー役で、それで「だいぶ脱いだ」と話題になったらしいが(本編では全編カット)、観終わってみると、それを話題にするしかネタがなかったかなーという感じのお話。

世界的にヒットした舞台劇を映画化したらしいのだが、舞台の話をそのまま映画の世界に持ってきた感じがして(脚本が同じ人らしい)、そのせいか映画の物語としては破綻している。

というのは、ほぼ登場人物4人だけの関係で描かれる恋愛ドラマなんだけれど、舞台なら4人だけで進行するのもアリだし、そういう芝居はたくさんあるが、映画になるとすべての関係がこの4人の中だけで完結する、4人の中で話が進みすぎることにものすごい違和感がある。

恋愛映画というよりは、なんていうか、全員が「性欲の塊」みたいな印象を受ける。やたら哲学的な感じで恋愛を語るんだけれど、結局は小理屈、屁理屈みたいなことで、セックスしたか、しないか、みたいなところを重要視しているように思える台詞回しだったり、そういうことを重視した恋愛関係に見えてしまった。
ただただ「美女美男美女が集まったから、お互いにくっついたり離れたりしたよ」という話の印象しか残ってない。

それと、時間がやたらと飛ぶのも気になった。
次のシーンになるともう半年後とか1年後とか、その間に描かれなかった展開が(しかも結構な大進展が)あったことになっていて、その展開の仕方が「えっ?なんでそんなことになってるの?」と説得力がなくて、めまいみたいなものを起こした。端折りすぎだろう、と。

一番の元凶はクライブ・オーウェン演じるラリーで、この人の性格が問題だからすべてこじれたような気もするが、なんで、そんな人とジュリア・ロバーツが恋愛関係になったのか、彼にどういう魅力があったのか、というのがすっ飛ばされてるのでわからないまま(この役、すごい損な気がしたけど、ゴールデングローブ賞の助演男優賞取ってるので評価はされたんですね)。

結局、「愛」は移ろいやすいし、人の心って簡単に変わっちゃうってことなんだろうか。いろいろ求めすぎてはいけないのだろうか。嘘も秘密も含めてその人を受け入れろということなんだろうか。
男は迷いやすい。それは同意できるんだけど。最終的に寝たが寝てないかみたいなところに話が行くのがなんだかよくわからない。

多分舞台だと、恋愛関係を哲学的に解釈して、もってまわった口状でやるのもアリでしょうけど、広いロンドンを舞台にしているのに(他にもたくさん恋愛するきっかけがあるだろうに)4人だけで込み入った関係をやってる違和感だけが残った。舞台を観た人の感想をインターネットで見るとだいぶ舞台版は違うらしいんですけどもね。そういう意味では舞台版を観てみたい気もします。映画版は残念な感じでした。

ただこの映画のジュード・ロウは本当にカッコイイ!
だから髪型っていうか、はっきり言えば髪の量って大事だな、と本当に思った(あのジュード・ロウですら!)

「髪って大事だな」っていうことがわかる映画。

以上です。

『ピクセル』

『ピクロジパズル』ですが、コレクション率59.2%まで来ました。

難易度が「星4つ」というものになってきましたが、今のところノーヒントで、また勘に頼るのではなくきちんとロジックで解けているので楽しいです。
風呂場のタイルを塗りつぶしたくなるくらいに頭から離れなくなってきていて、ほとんど小学生の時にファミコンばっかやってたみたいな状況になっております。
前にも書いたけど、ドット絵とイラストロジックの相性はとても良いのだ。

さて、そんなわけで映画『ピクセル』を観た。
これもまあ、3Dドット絵みたいな形で描かれた宇宙人と、元天才ゲーマーがゲーム対決するというSFアクションコメディです(無理矢理なつなげ方)。

もちろんゲーム好きが作った映画なんだろうし、ところどころに小ネタが入るけれど、ゲームという対象に対する愛は『シュガー・ラッシュ』ほどではないなあという感想。その小ネタみたいなものがゲームファンにとっては面白いんだけれも、そもそもこれってゲームをネタにしながら「ゲームファン向けか」と言われるとそうでもないように感じた。
ナード(オタク)な主人公たちが、優秀な軍人たちを差し置いて世界(どころか地球の)平和を守る、という図式は痛快だけれど他の映画にも見られるし、そのオタクの愛の対象がこの映画では「ゲーム」という設定。
ただ、アダム・サンドラー主演という、アメリカとしては普通にA級ハリウッド娯楽作品かもしれないけど、日本ではB級コメディとしてビデオスルーで扱われてしまいそうな作品なのに、普通に劇場公開されたのは、やはり日本生まれのゲームを題材にしているからだろう(それにしてもアメリカのアダム・サンドラー好き、ウィル・フィレル好きは理解できないんだよなー。ベン・スティラーの魅力はなんとなくわかってきた)。CGのレベルも高いし、お金かかってる感じはするけれど、どことなくマイナーな雰囲気なのは、いわゆる日本にやってくる「大作」よりは少し格が落ちるからだと思う。

宇宙人が「ギャラガ」で攻めてきて、「アルカノイド」で追撃されるのはわかるけど、その次の攻め方(最初の対決)が「センチピード」という日本人では決して流行ったと言えないゲームなあたりが、アメリカで人気のあったビデオゲームなのかな、と文化の違いを考えると面白い。「パックマン」や「ドンキーコング」がきちんと対決に入っているのは良いですな。
そして想像した通り、絶対にQバートが出る!
アメリカ人はゲームといったら「Qバート」なんだろうか。

話としては面白かったし、思い返すと、その「面白かった」にはゲームネタが面白かった、というのも多分に含んでいる。オープニングの自転車で疾走するシーンなんかはもう「ペーパーボーイ」のオマージュだろうと想像したり(後半、敵で出てくるしね)、“あの犬”が登場したり、そういう小ネタを探しながら見るとより面白い。
そうじゃなくても、元のゲームのルールさえ知っていれば(知らない人のために劇中でなんとなく説明しながらやっている)、単純明快で楽しめる健全なファミリー娯楽映画。
軽ーい感じで楽しい気分になりたい時に観るのがオススメ(レンタルDVDでね)。

『キャビン』

ホラー映画とパニック映画は嫌い(怖い)から見ないのだけれど、“新感覚”ホラーという触れ込みと、脚本が『アベンジャーズ』のジョス・ウィードンだったので『キャビン』を観た。

とはいえ、怖いので昼に見るという作戦をとった。それでも、目を背けてしまうシーンがあったので、まあ成功だったと思います。

公開時はいわゆる、
パーリー系の若者が田舎の別荘でウェイウェイ言わせてたら化物に襲われる・・・という典型的なB級ホラー映画と思いきや、予想を裏切る展開の連続!
という紹介をされていたように思うけれど、作品の中では、それを秘密にしているわけではなくて、裏があるということは初っ端から提示されている。
その辺りも“新感覚”なのかもしれない(改めて予告編見るとその辺明らかになってましたね)。

で、ホラー映画好きな人には、そういう意味で面白いわけではないんじゃないかなーと思う。
ホラー映画のパロディというかオマージュを入れているけれど、その後ろに大きな「何か」があるとわかって見てしまうので、化物が持つはずの「呪い」とか「恨み」みたいなものを観客は共有できない。終わりに向けて滅茶苦茶になる展開は笑えるけれど、これを「ホラー映画」というくくりにしたらホラー映画ファンに怒られそうな気がする。
「B級感」という意味では、確かにそうだけどね。

大きな目的の前では、人間の感覚は麻痺してしまうというか、その麻痺を取るための手段が酔って騒ぐことみたいなことが一番のホラーなのだな、とまさかの現代社会への批判がテーマだったりして、ジャンルフリーな映画ではあった。
観終わって神妙な気分になるとは思わなかった。

面白かったかというと微妙だけれど、気になっていたので観て良かった映画。
こういう切り口の娯楽作(でいいんだよね?)もアリと思ってみると楽しい。